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歯の治療中、目は「開けるor閉じる」どっち?現役歯科医にも、正直どう思っているか聞いてみた

歯医者さんで治療してもらう時、地味~に悩ましいのが、「目を開けるか閉じるか」ということ。みなさんはどうしていますか? 今回『kufura』では、男女572人にアンケート調査を実施。「歯の治療をされている時、目は開けるか閉じるか」を聞いてみました。

ほとんどが「閉じる」と回答!「開ける」派は約1割

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アンケートの結果はこちら。

【歯の治療をされている時、目は開けますか?閉じますか?】

閉じる・・・82.3%(471人)

開ける・・・11.9%(68人)

その他(歯医者さんに行かない、など)・・・5.8%(33人)

なんと、「閉じる派」が8割超! 世代や性別を超えて「閉じる」人が圧倒的に多い結果になりました。

筆者はどんな器具が使われているのかが気になるので「開けていたい派」なのですが、まさかこんなにも少数派だとは、驚きです……! こんなにも「閉じる派」が多い理由は、一体なんでしょうか?

恥ずかしいから…だけじゃない?「閉じる派」の理由

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まずは、大多数の「閉じる派」から。寄せられたコメントを種類別に見ていきましょう。

目が合うのはやっぱり「気まずい」

閉じる理由として最も多く寄せられたのが「気まずさ」に関するコメントでした。

「治療している人の顔が見えてしまい、気まずさがある」(38歳女性/その他)

「自分がどんな表情になっているか考えると、気まずさや恥ずかしさが込み上げる」(66歳女性/営業・販売)

「近い距離で目が合うのが気まずいから」(19歳女性/学生・フリーター)

至近距離で口を大きく開けた状態で人と目が合うことには……確かに気まずさがありますね。これぞ“まな板の上の鯉”の心境でしょうか。

目を閉じて「恐怖をシャットアウト」したい!

目から入る情報を遮って恐怖感を軽減したいという人も多く見られました。

「何をされているのかが見えてしまうと怖い」(28歳女性/コンピューター関連)

「使用している器具を見るのが怖いから」(50歳女性/総務・人事・事務)

「先端恐怖症だから」(59歳女性/主婦)

「単純に怖い。目を閉じていた方が早く終わる気がする」(41歳男性/営業・販売)

見慣れない器材が口の中に入れられる光景を目の当たりにすることには、確かに非日常の恐怖感がありますね……。特に、先端恐怖症の方は死活問題です。

目を閉じるのは「信頼」の証?

先生を信頼しているからこそ、身を委ねて目を閉じているという人もいました。

「目を閉じていても不安がないから」(26歳男性/その他)

「先生にお任せしているし、困ることがないから」(51歳男性/その他)

「心配事がなくリラックスできるから」(33歳男性/研究・開発)

逆に言うと、目を開けている人は「次は何をされるのか」と緊張していたり、先生との信頼関係がまだ築けていなかったりする、という場合もありそうです。

その他の理由も!

それ以外にもたくさんの「閉じる派」の人から回答が寄せられました。

「子どもの頃からの習慣でずっと閉じている」(39歳男性/コンピューター関連)

「ライトが眩しいから」(41歳女性/その他)

「目元にタオルが乗せられて何も見えないから」(53歳女性/金融関係)

「特に理由はないが、閉じるものだと思っている」(48歳男性/その他)

「閉じる派」には、照明の眩しさやタオルを乗せられることを理由に、必然的に目を閉じているという人も一定数含まれているようです。また、なかには「子どもの頃からずっとそうしているから、あらためて理由を考えたことがなかった」という回答もありました。

意外な考え方も!「開ける派」の理由

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続いて、約1割と少数派の「開ける派」にもその理由を聞いてみました。

見ていた方が「怖くない」!

「怖いから目を閉じる」人がいる一方で、「怖いからこそ目を開けている」という人もいるようです。

「目を閉じると不安になるから」(16歳女性/フリーター)

「先生の顔を見ている方が落ち着く」(51歳女性/その他)

「怖いから。目を閉じるなんて考えられない」(52歳男性/その他)

「開けていた方が安心できる」(28歳女性/その他)

「開ける派」にとっては、あえて目を開けて視覚情報を得ることが心の準備になっているのかもしれませんね。同じ理由でも、「見えてしまうと怖い」「見えない方が怖い」と真逆の意見になるという結果に、感じ方や考え方の幅広さを実感します。

「好奇心」で目を開けている人も

こちらは、怖くはないものの、治療の流れや器具に興味を持っているがゆえに目を開けているという回答。

「どんなことをされているか気になるから」(23歳女性/総務・人事・事務)

「使われる治療器具に興味がある」(66歳男性/会社経営・役員)

「どういう治療をしているか、過程が気になるから」(47歳男性/その他)

筆者もこのタイプなので、「うんうんそうだよね」とつい頷いてしまいます。普段は見られない治療の様子や特殊な器具を、間近で見られるいい機会とも言えそう?

「寝落ち防止」のため

意外な理由として、目を開けていることで“治療中の寝落ち”を回避しようとしているケースもあるようです。

「寝てしまい、ヨダレを垂らしてしまったことがあるので」(38歳男性/コンピュータ関連)

「目を閉じると寝てしまいそうになるから」(40歳女性/主婦)

「目を開けていないと眠ってしまいそう」(66歳男性/その他)

つい寝てしまった経験、筆者にもあります……。「終わりましたよー」と起こされる申し訳なさに加え、口の中を治療されている無防備な状態で寝てしまうなんて!という恥ずかしさも。ずっと目を開けていれば、そんな心配はなさそうです。

その他の理由も!

最後に、その他の「開ける派」の意見をご紹介。

「特に理由はないが開けている。無意識に近いと思う」(35歳男性/デザイン関連)

「意識したことはないがずっと開けている」(29歳女性/その他)

「閉じる派」と同じく、なんとなくそうしているという人も。さらに、目線をどうするかで悩んでいる人にとって参考になりそうな、

「目のやり場に悩んだ結果、ずっと天井を見ていることにした」(51歳女性/主婦)

という回答もありました。みなさん、治療中にどんなことを考えているのか気になるところです。

歯科医の先生にも、「実際どう思っているか」を聞いてみました!

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最後に、現役の歯科医の先生にもご意見をうかがいました! 普段、なかなか聞けないけれど、現場の先生は患者さんの「目を開ける or 閉じる問題」について、どう思っているのでしょうか?

教えてくださったのは、kufuraの連載【オトナのための歯科相談室】でもご登場いただいている、やまもと歯科院長の山本伸彦先生です。

山本伸彦先生(イラスト/菜ノ花子)

山中先生「患者さんからすると、たしかに『閉じる』か『開ける』か悩みがちかもしれません。一方で、治療する側の目線からは、迷うことなく『目を閉じる』を推奨します。

というのも、治療中には薬剤を使ったり、削った歯のかけらが飛び散ったりすることがあるんですね。目を閉じるか、もしくはフェイスタオルなどで覆うことで、そういったものから目を守ることができます。

ただし、アンケートの回答にもあったような、『目を閉じると不安を感じる』という方の場合は別です。治療には患者さんがリラックスできていることが大変重要なので、恐怖感がある方は無理をせず、先生に相談してみてください。クリアなゴーグルなどが用意されている場合もありますよ。

最後に、私個人としての感想を……。

目をぱちっと開けたままの患者さんの場合、正直、多少のやりにくさは感じます(笑)。もちろん、気にならないフリをして普段通りに治療はしますが。それもあって、私の場合ははじめから患者さんにフェイスタオルで目を覆っていただく場合が多いですね」

歯科医の先生自身も、やりにくいと感じていたとは! そして、感覚的なものだけではない、“目を閉じた方がいい理由”もしっかりうかがえました。

 

「閉じる派」が8割を超えた今回のアンケートですが、それは歯科医の先生から見ても理にかなった選択だったのですね。

山本先生のコメントにもあったように、苦手な場合、無理に目を閉じる必要はありません。迷いや不安を感じたら先生に相談し、リラックスした状態で治療を受けられるといいですね。

「閉じる派」の人も「開ける派」だった人も、半年に1回は検診を受けることを心がけ、これからも歯の健康を大事にしていきましょう!

 

【取材協力・監修】

山本伸彦(やまもと のぶひこ)

やまもと歯科(東京都世田谷区弦巻)院長を務めるかたわら、デンタルネットワーク株式会社代表取締役として歯科専門情報サイト「Smile Teeth」を立ち上げ、多くの人に歯科医療に関する正確な情報を提供している。

三上 六花
三上 六花

三上 六花(みかみ ろっか)。ライター。

美容ジャーナリストのアシスタントを経て独立。持ち前の旺盛な好奇心をアンテナに美容ワールドを探索中。

映画と漫画をこよなく愛し、帰宅後は隙あらば即エンタメタイムの多趣味人。週に15番組ほど聴く、生粋のラジオリスナー。

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