各部屋ごとのレイアウトポイント
null玄関
開運のファーストステップともいえる場所が玄関、ここは特にこだわりたいものです。
「玄関は運気の入り口、扉を開けたすぐその目の前の壁に大きな鏡を置くようなレイアウトはNGです。邪気を跳ね返していいのではと思う方もいるかもしれませんが、鏡と玄関の扉を真向かいに設置すると、玄関から入ってきたものを全部弾き飛ばしてしまいます。
玄関で意識したほうがいいことといえば、新築のときにお話しした、内側から玄関を見て左側に奥行きを持たすことと、いい香りで満たしておくことです。香りに敏感な方の場合、香りではなく湿度を意識するといいでしょう。湿度をなるべく除去することは玄関に限定したことではなく、運気の上がる条件です。備長炭など自然なもので湿気を除去してください」(以下「」内、暮れの酉さん)
リビング
次に、家族が揃うリビングのレイアウトも大事です。
「リビングは、大地を連想させるようなものを置いたりするといいでしょう。大地は風水や東洋系の占いでは家族の円満のシンボルや、母性のシンボルと言われています。大地はみんなを受けて育ててくれるもの。家族みんなが集まるリビングはアースカラーの物を置くのがおすすめです。
植物は人によって凶の場合もあるんですが、丸い形の葉っぱの植物はリビングには適しています。ただし、尖った縦に伸びているような植物はNGです。尖った植物は仕事場にはいいのですが、リビングのようなまろやかに丸くいたい場所には、丸みのある葉っぱのものを置いてください。尖ったものは、風水では形で殺すと書いて『形殺(けいさつ)』と言い、炎とか争いのシンボルになります」
寝室
「身体を休める寝室は、より気を使いたいもの」と語る暮れの酉さん。
「尖った角を自分の寝ているベッドの方に向けてはいけないというのがあります。例えば、天井の梁の下にベッドを置くのはやめておいたほうがいいでしょう。しかし、部屋の造りでどうしようもないときもありますよね。そういう場合は柔らかい布みたいなもので、その梁をなるべく見えないようにしてください。先ほどお話しした、形殺というのは視覚的に入る邪気なんです。それを柔らかな布で覆えば、目に入る気が変わります。他にも壁などの出っ張りの角に植物を置いて隠すのもいいですね。
あとは、赤など目立つ色は寝室には入れないほうがいいでしょう。赤は興奮色であり、戦闘するときの血の色ですからね。刺激するようなカラーはあまり目に入らないようにするのが寝室の風水ですね。
できれば寝室のドアの入ってすぐのところ、ドアの直線上にベッドを置かないほうがいいです。扉というのは気の入口なので、目には見えないけれど衝撃波が通っているとされています。扉の正面を避けてちょっとずれたところにベッドを配置してみてください。
また、ベッドは可能な限り、頭の方と、もう一方の側面のL字で壁と接している場所がいいでしょう。向きは関係ありません。北枕がダメと言われていますが、実は個人個人に方角の吉凶というのがあり、その人にとっての吉方に向かって頭を向けるとよいとされているので、一概に北がダメだというわけではないのです」
ベッドと寝室と机が同じ室内にある子ども部屋や、比較的狭い家などでは、配置にそんな余裕が無さそうです……。どうしたらいいのでしょう?
「特にダメではないですが、例えば勉強するときはベッドとの間に衝立を置いてベッドが目に入らないように、視界からベッドを遮るといいですね。意識のスイッチが変わるようなレイアウトはおすすめです。衝立をどけないと寝れないような、少し手間がかかる状態にしておけば、意識を切り変えることができます」

カーテンや照明を上手に使う
nullほかにも、やろうと思えば実行できそうなテクニックを教えていただきました。
「家の全体についてなのですが、玄関を開けると廊下があって、そこからリビング、ベランダまで見えるような家の間取りの場合、玄関から入ってきた気がすべてベランダへ流れていってしまいます。そんなときはその間に暖簾をかける、つながる部分にドアがあれば閉めておく、またはベランダのカーテンを常に玄関から一直線につながる部分だけは閉めておくなどで、気が流れるのを阻止することをお勧めします。
常に閉めておくカーテンは昼間は外の明るさを部屋に入れたほうがいいので、レースなどのカーテンを選んでください」
また、照明に関しては部屋によってのアレンジ使用が良さそうです。
「寝室は関節照明など、あまり明るくしすぎず、なるべく暗く保つほうがいいです。また色味は暖色系がおすすめです。
一方、リビングなどは明るいほうがいいですね。子ども部屋や、寝室と仕事部屋が一緒の場合は、調整できる明かりなどを取り入れるといいでしょう」

どうしても「運気の悪い時期」に動く場合は?
null個人個人の生年月日によって吉凶の時期があるのはわかります。しかし、占いなどで調べてもらって引っ越しに適していない時期だとしても、動かなければいけない時があります。そのようなときはどうしたらいいのでしょう……?
「占い的にダメな時期に、転勤などで引っ越しをしなくてはいけない。あるいは子どもの小学校が今年からだからもう今年しかない場合などもあるでしょう。正直に悩みや迷いを解くための手段の占いなのに、逆に迷いを増やしてしまう。僕が一番やめたいというか、避けたいところなんですよね。
動かないほうがいい時期だと知ってしまった、気分まで落ち込んでしまったというときには考え方を変えることが大切です。運が悪いときって何が悪いかというと、自分が損することが起こりやすいということ。それなら、その損を自らしてしまうことを提案しています。
引っ越しの場合は引っ越し代金、業者さんに支払う代金を値切らない、または引っ越しの業者さんにちょっとチップを渡してみませんかと。1,000円でも1万円でも構いません。この行動は、喜んで捨てると書いて“喜捨”(きしゃ)と言います。そういったアクションをすることで自ら損をするわけです。損するとそれで不幸は終わりっていう考え方があるんですよ。
他にも、もしも幸と不幸が誰かと交換するものなんだったら、私が不幸な分、誰かが喜ぶみたいな考えもできなくはないわけです。私の大好きなあの人が結婚してしまった。でもあの人が幸せならいいか……みたいな、自分の不幸が誰かの喜びに繋がる可能性があるという考え方ですね。
不幸な時期に引っ越ししてはダメ……ではなく、そんな不幸な時期なんだけど、私がちょっと損することで誰かが得をしている、というような発想の転換と言ったらいいのかなと思います。不幸=絶対ダメ、じゃなくて、不幸=誰かのために私がちょっと損する時期、みたいな考え方をすれば、迷いは無くなると思います」

“喜捨”の考え方は素敵ですね、しかし何をやっても占いの内容に左右されてしまう人は、どうしたらいいでしょうか?
「確かに、そういう考えで納得しない人もいると思います。そんなときは喜捨ではなく、その神物に任せるっていう考えもあります。そんな不幸だと思う運命を作っている神様を信じなさいと。行動としては、今まで暮らしていてお世話になったところと新居の氏神参りをしてみるなどです。
他にも、逆に運気が悪い時期でも、時期が悪くても空間が悪いとは限らないという考えがあります。今日はこっちの方角がいいから、その日に引っ越しをする。いい方角で引っ越しすれば悪くなくなるみたいな考えもありです。
風水は空間の占いで、方角や地形で答えを出しますが、星や暦などで時間を見る占いもあります。この2つを比べるとどっちもが悪いなんて滅多にありません。あったとしても、いい方角は選べますからね。日本の方角占いは年単位で吉凶出してしまいますが、方角の吉凶は毎日変わるので、自分が引っ越す方角がこの日だったらOKという日に動くといいのではないでしょうか。日の吉凶は2時間ごとでも変わっていきますから」
家の風水について、3回に渡ってお送りしました。少しでも皆さんの開運につながれば、幸いです。
暮れの酉(くれのとり)
19歳から占い一筋で勉強を続け、大阪ミナミの老舗占い館で18年間No.1の座に君臨。「占いを極めたい」という思いから、中国古典まで紐解いて得た豊富な知識と技術が魅力。その知識を活かし、占いアカデミーの講師も務める。現在、『占いなんて信じない』『どこまで言っていいですか?』(テレビ東京)など複数のメディアに出演。また、『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い – 名前と生年月日でわかる生きやすくなるための方法』(ヨシモトブックス)が好評発売中。

出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーに。趣味はスポーツ観戦と旅行。産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種などの資格を保有。メンタルヘルスケアの記事を得意とする。