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どんな時でも変わらない、ハワイの自然に想うこと【ハワイ在住ライターが見た、コロナ前と今・後編】

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ハワイで暮らし、新型コロナウイルスのパンデミックを現地で体験。そんな筆者が間近で見て、感じた、新型コロナの前と今で「変わったこと・変わらなかったこと」をお伝えしています。

ロックダウン中の生活や街の様子をお届けした前編(大きく変わったこと…それは、幸せの価値観でした)に続いて、後編では、ハワイ経済を支える“観光業”に注目してご紹介します。

世界中の人々に愛される“楽園ハワイ”

ハワイのオアフ島に約7年暮らしています。

ハワイを訪れる観光客は年間1000万人以上で、日本のみならず世界中から人々が集まる場所です。

以前、仕事でワイキキを歩く人に声をかけてインタビューしたことがありましたが、アメリカ本土のほか、ヨーロッパなど、実に様々な国から人々が集まっていました。

温かく爽やかな気候と、美しい自然は、国を問わず多くの人から愛されているのでしょう。

そんなハワイが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で一変。2度にわたるロックダウンや、イゲ州知事がハワイへの旅行自粛を求めたこともあり、観光客が街から姿を消したのです。これによって、ハワイの観光業は大きな打撃を受けました。

くしくも、コロナが観光のカタチを見直すきっかけに

観光客がほとんどいない時期に、ダイヤモンドヘッドに登りました。

いつも観光客でにぎわうワイキキの街が、ゴーストタウンとなった姿を見て、寂しい気持ちに襲われたことを覚えています。ただその一方で、「ハワイの経済と自然を守るためには、観光業一辺倒の考えは決して良くないのかもしれない」という考えも生まれてきました。

コロナ前の2019年には年間1000万人の観光客が訪れていたハワイ。メジャーな観光スポットは観光客で常にあふれているため、地元の人はそのような場所へ出かけることは避けてきました。

筆者は、ロックダウンが終わり観光客がほとんどいなくなった時期に、普段は敬遠していたワイキキビーチやダイヤモンドヘッドに、ここぞとばかりに出かけて、ハワイを満喫しました。

ハワイの美しい自然は、地元の人だって楽しみたいもの。でも、観光客の数が増えれば増えるほど、地元住民のそんな楽しみに制限がかけられていたのかもしれません。

また、観光客数が増えすぎることは、環境にも影響を及ぼしかねません。例えば、シュノーケリングスポットとして人気のハナウマ湾は、パンデミックで閉鎖されていた間、水の透明度が大幅に向上したことがわかっています。

つまり、ハワイの自然を守るためには、観光業をセーブすることも考える必要があることに気づかされたのです。

ハワイで呼びかけられた「マラマ」とは?

これは地元住民にも共通する考えのようで、ハワイ州観光局による住民への調査でも、それが浮き彫りになっています。

「ハワイの観光業によって生じた問題は?」の質問に対して、「混雑(66%)」「渋滞(63%)」「物価上昇(55%)」「観光業に頼りすぎた構造(51%)」などの回答が挙げられました。

ハワイ州観光局では、美しい自然や文化を守るために、ハワイ語で「思いやりの心」を意味する「マラマ」を持つよう、観光客と地元住民に呼びかけています。そしてこの調査でも、「観光客にも地元住民にも、マラマを教えることが必要」と、88%にものぼる人々が賛同していました。

どうやら、世界の人気観光都市で問題となっている「オーバーツーリズム」が、ハワイでもあてはまるようです。

変わらぬハワイの自然に癒された

新型コロナの影響で、考え方に変化が生まれるなか、変わらなかったこともあります。それは、ハワイの美しい自然です。

ハワイの地元の人々にとって、定番のアクティビティが、家族や友だちとビーチに出かけて、そこでBBQをすること。週末はもちろん、母の日、父の日、夏休みなど、あらゆるイベントにビーチに繰り出します。

筆者も、週末はビーチパークでランニングしたり、日光浴したり。ハワイの自然は、週末のリフレッシュとここでの生活に欠かせない存在です。

だからこそ、ロックダウンでビーチや公園が閉鎖されたときは、海が恋しくなったもの。再び開放されて久しぶりにビーチを訪れた際は、「ハワイは、やっぱりこれだよね!」と実感しました。

それに、コロナ禍での今後の生活に不安を感じたときも、ハワイの海を訪れると不思議と心が休まったものです。どんなときも、ハワイの自然は人々を癒してくれる存在なのでしょうね。

 

ハワイが魅力的な場所なのは、素晴らしい自然があるから。だからそれを守るためには、観光のカタチが変わっていくことも考える必要があるのかもしれません。

これからは、観光客が地元の人々とともにハワイの自然を守る。そんな旅のスタイルが求められていくのではないでしょうか。

 

【参考】

・「ハワイ州知事、不要不急の旅行自粛を要請」- ハワイ州 新型コロナウイルス情報サイト
https://www.allhawaii.jp/covid19/news/20210825/

・「Hanauma Bay water clarity significantly improves without visitors」- University of Hawaiʻi
https://www.hawaii.edu/news/2020/07/20/hanauma-bay-water-clarity/

・「HTA Resident Sentiment Survey 2021 Highlights」- Hawaii Tourism Authority
https://www.hawaiitourismauthority.org/media/7436/hta-resident-sentiment-spring-2021-board-presentation-062421-final.pdf

・「Malama Hawai‘i」-ハワイ州 レスポンシブル・ツーリズム 情報サイト
https://www.allhawaii.jp/malamahawaii/


佐藤まきこ

雑誌・ウェブ編集者やファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、現在はフリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。

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