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夫の赴任で、家族で竹富島へ。島生活で見つけた家族の変化とは【竹富島で暮らす人々#1前編】

はじめまして。沖縄県・竹富島在住のライター、片岡です。私は夫の赴任をきっかけに、3人の子どもたち(10歳、8歳の息子と、5歳の娘)と一緒に竹富島に移住してきました。これから、私がこの島で触れ合ってきた、竹富島の人々の暮らしをご紹介していこうと思います。

竹富島の人々の暮らしを、お届けしていきます!

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まずは、私の簡単な自己紹介を。

2019年4月。東京育ちの私は、家族とともに沖縄県の竹富島へ降り立ちました。石垣島から高速フェリーで15分ほどで着く小さな島は、人口およそ300人。国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されているため、集落は沖縄の原風景が残っています。

夫から「竹富島に異動希望を出そうと思うんだけど」と言われたときは、それはもう驚きました。でも、昔から新しいことや初めての場所にときめく性格で、すぐにワクワクした気持ちに。

また当時、小学2年生だった長男の学校生活に悩み「山村留学」や「離島留学」に興味を持っていた時期でもあったので「自然の中で子どもたちと過ごせたら良いのかも!」という思いもありました。

東京での私は、リゾート運営会社勤務を経て主婦だったのですが、竹富島へ来て、見るもの聞くものすべてが新鮮、発信を続けるうちにライターに(笑)。島での暮らしの中で出会った、素敵な人やモノを、この記事を通して皆さんにお届けできたらと思います。

伝統的な帆船「サバニ」に乗せてもらったときの写真です

現在育休中の小学校教師・聡美さん。夫は竹富島中学の社会の先生

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今回ご紹介するのは、2020年の春、沖縄本島から竹富島へやってきた船附聡美さん。

ご主人は島の中学校の先生で、社会科を教えながら、バトミントン部の顧問をしています。聡美さんは小学校の先生ですが、今は育休中。4歳の息子、と2歳の娘の育児・家事をこなしています。

聡美さんと私は「積み木が好き」という共通点から、親しくお話をするようになりました。

宮古島育ちで、とにかく「外」に出たかった

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聡美さんはこれまで計6回の引っ越しを経て、現在の竹富島住まいに。

出身は、沖縄県の宮古島。石垣島からは飛行機で約30分の場所で、子どもの頃はとにかく島外への憧れが強かったと話します。

「子どもが多かった時代で、中学受験で宮古島の外に出る子が増えていた時期でした。兄は鹿児島の中学校へ進学したので、私もかわいい制服にすごく憧れて外に出たかった。でも女の子だし……と、結局地元の中学校へ進みました」

その後、念願かなって沖縄本島の高校へ進学し、関西にある大学の教育学部へ入学。小学校の先生になったときに、関西や関東へ行くか、沖縄に戻るか、迷ったといいます。

「でも、いざ教員として“どこで過ごそう”と考えたときに、都会で一人暮らしをしながら働く自信がなくて。“島の外”で大学生活を送ったことで宮古島の良さも実感していました。そこで沖縄の採用試験を受けることにしたんです」

晴れて沖縄県の教員として採用され、沖縄本島の小学校で勤務を始めた聡美さん。沖縄県の教員は4年目に必ず離島へ行くという決まりがあり、この行き先が、聡美さんの人生を大きく変えました。

「発表された行き先は『北大東島(きただいとうじま)』でした。沖縄本島から飛行機で1時間、しかも1日に1~2便しかないという場所で。とにかく不安と驚きでいっぱいでしたね」

北大東島で、島の子育てを意識するように

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北大東島は沖縄の最東端にあり、人口は約700人の離島。
観光客も少なく、農業や製糖が主な産業です。行く前は不安だったけれど、2年間、島の方と一緒にスポーツをしたり、自宅へ食事に呼ばれたり、あたたかな交流に恵まれ、楽しく過ごせたと話します。ご主人ともこのときに出会いました。

「島の皆さんから教職員の歓迎会をしてもらったのですが、二次会のときに私大泣きしていたらしいんです。記憶がなくて……“さとみ先生は大変な思いで島に来たのか!”と驚きながらも、たくさん助けていただいた。みなさん優しくて楽しかったですね」

笑顔で当時を振り返ります。

「北大東島は小中学校が一つあるだけ。年上の子も年下の子も親戚のように関わり合っていたんです。島の子たちが、年齢を越えてのびのび過ごす様子を見て、いつか子どもが生まれたら離島に行くのもいいなと思ったんです」

当時は、望んだ異動ではなかったものの北大東島へ行って良かったと今は感じているそう。

2年間の勤務を終え、地元宮古島へ戻り、結婚。長男のりょうごくんが生まれ、実家や親戚が近くにいる穏やかな日が続く。しかしここでまた予想外の辞令が。ご主人が沖縄本島へ異動となったのです。

「私は育休中でしたが宮古島市の所属だったので、夫が沖縄本島へ異動と言われて戸惑いました。でもやっぱり家族は一緒にいたいという思いで、ついて行くことに」

沖縄本島から、まさかの次は竹富島に!?

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「沖縄本島では夫は忙しいし、私はワンオペ状態。余裕がなかったんだろうなと思います。時間はたくさんあるけど、ずっと何かに追われている感覚がありました。娘がお腹にいるときは、切迫早産っぽいと言われて、不安にもなりました」

長女のみさちゃんが生まれても、相変わらずご主人は仕事が忙しい。日中は、ひとりで2人のお子さんと過ごしていた聡美さんは、それでも毎日があっという間に過ぎていたそう。

そんな2020年、なんと、ご主人の亮太さんに“竹富島”への異動辞令が!
これは、夫婦にとってまったく予想外。

長男の保育園入園を控えた春のことでした。

<後編>に続く


片岡由衣

ライター。東京都出身、竹富島在住。朝日新聞社のメディアや企業サイトなどで取材記事やコラムを執筆。東京学芸大学卒業後、星野リゾートにて広報やイベント企画に携わる。

3人の子育てを発信を続けるうちに専業主婦からライターへ。
積み木オタクで、おもちゃや絵本に囲まれた、児童館のような家で暮らしています。Instagramアカウント@yuuuuui_mom

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