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「文化系ママ」がカヤック、自転車、登山の大会に挑戦!モンベル「SEA TO SUMMIT」で北海道の湖から旭岳登頂へ

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こんにちは! 漫画家兼イラストレーターの新里碧(にっさとみどり)です。
今回は、北海道東川町で開催されたイベント「SEA TO SUMMIT(シー トゥ サミット)」へ初参加してきました!

「SEA TO SUMMIT」ってどんなイベント?

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「SEA TO SUMMIT」をざっくり説明すると、トライアスロンのようにカヤック、自転車、登山を1日で行う、アウトドア企業『モンベル』が日本各地で特別協賛するイベントです。

今回参加した「大雪旭岳」は北海道東川町で行われました。カヤック5キロ、自転車15キロ、登山2キロで、登山で登る大雪山の旭岳は北海道最高峰の2,291m

当初「ちょっと敷居が高いイベントなのかも?」と思っていた超文化系(美術系)の私でしたが、参加することでたくさんの発見や感動がありました。

忠別湖(ちゅうべつこ)でカヤックを漕ぎ、自転車で旭岳のロープウェイ乗り場へ行き、ロープウェイで登った先から大雪山の旭岳山頂を目指します。

開会式で『モンベル』会長の辰野さんも「競技ではない」というところを強調されていました。

SEA TO SUMMIT」の名前の通り、海から山頂へという内容。人力で海、川、湖(カヤック)から里(自転車)、そして山頂(登山)へと進む中で自然の循環に思いを巡らせ、かけがえのない自然について考える、環境スポーツイベントなのです。

今年は全国10カ所で開催されています。このイベントのポイントは“競技ではない”というところ。

また、参加者たちはそれぞれのスタイルで参加することができます。

シングルの部のほかに、家族や友人たちと参加できるチームの部、希望するステージのみ参加するパラチャレンジの部があります。

カヤックの他にカヌーやSUPでも参加できたり、自転車はeバイク(電動自転車)での参加も可能(カヤック、自転車、eバイクはレンタルもあり)。

今回私は夫と5歳の子どもと一緒に行きましたが、子どもの年齢が幼いこともあり、シングルの部で参加し、夫と子どもは応援隊としてサポートしてもらいつつ、最後の登山のところだけ一緒に登ることにしました。

(子どもの参加は中学生からですが、小学生以下のお子さんも相談できるそうで、実際小学生のお子さんや赤ちゃん連れで参加している方もいました)

山歩きは好きだけど、運動初心者

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「無理して、体を壊すことだけはしたくない……!」の一心でちょっとずつ筋トレ。

運動部に所属したこともなく、ほぼスポーツらしいことは未経験の私。

普段は電動自転車で移動することが多く、1日に10km以上走ることもしばしばなので、自転車は電動にすれば大丈夫そうと思っていましたが、問題はカヤックと登山。

カヤックは10年ほど前、友人に誘われて行った長瀞で転覆した経験が1度あるのみだったので、1カ月前に「モンベル横浜しんやました店」で練習をさせていただきました。

登山も10年ほど前に富士山8合目で下山して以来、最近は低い山に子どもとハイキングに行くくらいでした。

そんな私なので、5カ月後のイベントを目標に、ジムで筋トレをすることにしました。

自転車と登山を意識したスクワットや、カヤックで漕ぐことを意識した腕の筋トレをメインに1日ほんの30分ほどですが、元気な日はなるべく通いました。

そして、不安な気持ちとワクワクする気持ちを胸にイベントへ向かいました!

初日は北海道、大雪山の環境について知るシンポジウムに参加

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北海道の動物のプロと北海道の自然を知るプロおふたりによる講演

イベントは2日間。初日は「人と自然の共生」をテーマに自然環境や地域振興について考えるシンポジウムが開かれました。

「SEA TO SUMMIT」は、アクティビティだけではなく、地域の環境や自然を知るシンポジウムが必ず開催されます。その地域のことをより知ることで、翌日のアクティビティへの参加モチベーションや自然体験がより豊かなものになるのです。

今回の旭山動物園統括園長・坂東元さんによる「野生動物との共存・共生の未来を探る」という講演では、旭山動物園にいる動物の話から、なぜ最近クマが街に姿を現すようになったのか。というお話を伺いました。

山の開発で食べ物が無くなり、街に降りてきているのはニュースで知っていましたが、交通事故で亡くなった鹿や畑のネットに引っかかった鹿、罠にかかった鹿を食べに来ているという話は初めて知りました。

人の暮らしの変化が色々な面で野生動物に影響を与えていることを具体的なお話で聞き、衝撃を受けました。

東川町在住の写真家・大塚友記憲さんは「100年前と100年後の大雪山」というテーマで、大塚さん自身が撮影した100年前から変わらないと言われている大雪山の自然風景や、かつての登山家が辿ったルートや貴重な当時の写真資料などを見せてくださいました。

切り立った岩肌や沢など、「こんなところに登って撮影するの?」と思わずびっくりするような写真もあり、写真家と言っても自然相手となると身体能力も必要になるんだと思いました。

大雪山の様々な表情に、翌日のアクティビティへの期待が高まりました。

カヤック5キロ 初めはあたふた、後半は気持ちの余裕も

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漕ぎ出してすぐの私。折り返し地点はまだまだ遠く、見えません。
広い忠別湖に浮かぶ私の視線はこんな感じ。

朝6時集合で6時半にはカヤックスタートという、普段の生活よりもかなり早い時間から活動を始めました!

天候にも恵まれ、朝の忠別湖はしんと静まり波もほぼ無い穏やかな状態でした。

横浜での練習を思い出しながら……、と色々想いを巡らせている間もなく、すぐにスタート!

気がついたら、湖上に小舟で漕ぎ出していました。

他にもたくさんの参加者がカヤックやカヌーやSUPを漕いでいるのですが、1人でプカプカと広い湖に浮かんでいることの心細いことといったら……!

 

落ち着いてまわりを見回すと、他の参加者もなんだかみんな楽しそう。

練習ではほんの少しの距離を漕いだだけだったので、いざ長い距離を漕ぎ出すと、まっすぐに漕げず、右往左往。

1人で焦っていると、後ろから「きゃ〜」「まっすぐ漕げない〜!」と楽しそうな声が。今回初めて参加したという2人組の女性が、私と同じように右往左往していました。

右往左往しながらもとっても楽しそうな2人と言葉を交わすと、それまでの焦りは消えました。

ゴールの瞬間。

「競技ではない」という辰野さんの言葉を思い出し、私もこの時間を楽しもう!と決め、カヤックは右往左往しながらも楽しい気持ちで進むことができました。

ゴールで待ち構えていた子どもから「マンマ、船がんばってたから、半分残しておいたの。食べたら嬉しいかなって思って」と、食べかけの板チョコをもらい、ほっこりした気持ちで次の自転車へ向かいました。

自転車15キロは、eバイク(電動自転車)も選択可能!

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走行中の私(「SEA TO SUMMIT」スタッフさんによる撮影)。
走行中の視線(晴れたり降ったりの天気)。

無料冊子「大雪山 花ガイド」。

自転車の走行中は霧雨が降っていて、ほぼ登り坂続きだったので、電動自転車とはいえ、無理せず休憩を取りながら進みました。

途中、東京では見かけない野草や、宝石のような真っ赤な野苺も見かけました。

大雪山は国立公園なので植物の採取は禁止されているので、見たり写真を撮ったりして楽しみました。雨が降っていなかったら、スケッチもしたかった……!

ちなみに、大雪山で見られる植物が紹介された無料冊子もありますので、もし見かけたらゲットしてみてください! 私は道の駅でもらいました。

見つけた花と野苺。

そして、走行中は目に留まらなかったのですが、立ち止まってみると足元に落ちている空き缶やペットボトルが気になり、ついでに拾いながらゴールを目指しました。

前日のシンポジウムで伺った、環境のお話が頭をよぎり、無視できませんでした。

ゴールの旭岳温泉の看板が見えてきました。
濡れながらも、安全に走行し、ゴール!

子どもと夫は応援の合間に……?

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私がカヤックや自転車を漕いでいる間に、夫と子どもは何をしていたかというと……、湖畔や公園で虫探しをしてたようです。

北海道に行くまでは、「虫ちょっと苦手」と言っていた子どもが、私の知らないうちに大の虫好きになっていました!

自転車でゴールした後、嬉しそうに「バッタつかまえたよ! トンボも捕まえたいけど、頑張ってるところ」と話している娘がなんだか成長したように見えて眩しく感じました。

クワガタのメスを発見!
服にとまったトンボ。

登山は焦らずマイペースで

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自転車でゴールした後は、夫と子どもと合流し、旭岳ロープウェイで姿見駅へ移動。

旭岳は「日本の百名山」にも選ばれた、風光明媚な場所です。

ロープウェイを降り、木道などを歩いて行くと、姿見の池が見えました!

姿見の池、奥にはモクモクと硫黄の湯気が見えます。

姿見の池は、標高約1,600mなので、高い木は無く、天上の楽園のような雰囲気があります。

ちなみに旭岳は、アイヌ語で「カムイミンタラ」(=神々の遊ぶ庭)と言います。

低い木や笹、高山植物の草原にゴロゴロとした岩や白い山肌、旭岳の方を向くとモクモクと硫黄の吹き出す湯気が見え、どこを見ても見どころばかりで、とにかく目が楽しい!

ちなみに旭岳登山をしない方は、展望台を巡る周遊コースなどもあります。気軽に楽しめる人気スポットとして、国内外の観光客が足を運んでいました。

霧の中を歩く夫と子ども。
ゴロゴロとした自然の岩を使った階段。
リンドウの花がたくさん咲いていました。

6合目の標識と記念撮影。

姿見の池は旭岳の5合目にあたり、ここを過ぎると傾斜がある道が増え、旭岳の登山道が始まります。
濃い霧に包まれたと思ったら、5分後には晴れ渡るという、変わりやすい天気の中、子どもも楽しそうに歩いていました。

6合目に来ると、ゴロゴロとしたげんこつ大の石が増え、歩きにくさが増し、5歳児は早くも疲れた様子に……。6合目を最後に夫と子どもは、下りの体力も考え、無理せずに引き返す決断をしました。

家族みんなでの登頂は、子どもがもう少し大きくなってからチャレンジしたいです。

ここから1人の登山が始まりましたが、この先の距離が予想以上に長く感じました。

よろけたら転げ落ちそうな道だけど、景色は抜群!

山頂に近づくにつれて斜面の傾斜がさらに厳しくなります。

普段生活している街の道で2kmというと、あっという間な気がしていましたが、傾斜のある不安定な足場を登るとなると、牛歩という言葉がぴったりな進行……! 久々の登山だったので、無理せずに休み休みマイペースで登りました。

一人の登山と言いつつも、要所要所に「SEA TO SUMMIT」のスタッフさんやカメラマンさんがいて、「がんばってください」「あともうちょっとですよ〜」とお声がけいただけたので、孤独を感じずに楽しく登ることができました。これはイベントで登山するメリットだと感じました!

また、「SEA TO SUMMIT」参加者の方々と、途中休憩をしながら「もう頂上かなと思ったら、まだまだなんだって〜」「うそー!」と何気ない雑談をしたことで、参加者との一体感も得られたのもイベントならでは。

そして、とうとう……、ゴールの頂上(SUMMIT)へ!

ゴールの旗と一緒に記念撮影(「SEA TO SUMMIT」スタッフさんによる撮影)。

感無量のひと言です。

同じくらいのペースで登っていたおじさま2人組(※「SEA TO SUMMIT」参加者ではない)とも写真を撮り合い、「やっと頂上ですね! 思っていたよりも大変でした」と言うと、お2人は登山愛好家のようで「旭岳は初めて登ったのですが、思っていたよりも楽でした」とのこと……! 私と同じゆっくりペースだったので、てっきり私と同じく普段登山しない方々なのかと思い込んでおりました。

登山は早さではなく、自分のペースで楽しむことが大事なんだとあらためて気付かされました。

頂上から見える山々をスケッチ。
ゴロゴロとした山肌と、登山者の姿を描いたスケッチ。
姿見の池を上から眺めたスケッチ。

山頂の景色を休憩しながらスケッチしました。

描いているうちに、どんどん雲が流れ、景色が変わってしまうので、山でのスケッチの難しさと面白さを実感(山頂は結構寒く、じっとしていると寒さが身にしみました)。

下山中も休みながらスケッチをしました。

登山中は写真を撮るのが精一杯で、スケッチをする余裕はありませんでしたが、下山中は景色を楽しみながらスケッチをすることができ、登山中と下山中で違う楽しみ方ができました。

スケッチしていたら、一緒に登頂したおじさまたちに「今ここで描いたの? すごいね〜」とお声がけいただき、嬉しかったです。

下山後に食べた、草餅と唐揚げと登頂記念に購入した旭岳のバッチ。

下山後に食べた草餅と唐揚げがものすごく美味しく感じ、体のすみずみに栄養が染み渡っていく感じがしました。

その後、ロープウェイを降りたところで夫と子どもと合流。

頂上までたどり着けたことを伝えると「ママ、すごいね!」と、元気な声が聞けました。

そして、見つけた虫や草花の話を嬉しそうにしてくれました。

子連れや途中交代など自分たちのスタイルで楽しむチームも

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今回の「SEA TO SUMMIT」は、私の予想よりも子連れで参加されている方が多くいました。

家族でカヤックを漕ぐ一家や、子どもと一緒に漕げるタンデム型の自転車で走る親子や、赤ちゃんをベビーキャリアで背負って登るお父さんの姿も……!

カヤックと自転車は全員で参加して、登山は体力がある大人が代表で、というように分けて参加しているチームもあったようです。

他にも、大人だけのチームで自転車の部分をリレー形式で走っているチームもありました。

全て参加者全員でゴールしないと失格というような厳格なルールではないので、自分たちのスタイルに合わせて参加できるのも嬉しいポイントです。

ちなみに、シンポジウムで講演をした写真家の大塚さんもご家族で参加されていました。

最後は豪華景品が当たる抽選会!

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景品のワイン「Kitoushi(キトウシ)」。

アクティビティが終了した後は、抽選会と閉会式がありました。

抽選会は、航空券や『モンベル』の買い物券など各種さまざまな豪華景品がそろっていました。

私は東川町産100%のブドウで作られているワイン「Kitoushi(キトウシ)」が当たりました!

道の駅で売っているのを見て「おしゃれなワインがある」と、気になっていたものだったので、とても嬉しかったです。

参加してみて、家族みんなが変わった!?

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美しい自然を体感し、みんなで感動を分かち合うことも貴重な経験でした。

今回参加してみて、「SEA TO SUMMIT」に出るという目標意識を持って過ごすことができたのが、とても大きかったです。

日々のトレーニングも目標があるとコツコツ続けようという気持ちになりましたし、夏に北海道の旭岳に登ると思うと、うきうきした気持ちで過ごせました。

また、参加後は「私にもできた!」という、“大人になってなかなか得られない達成感”に包まれました。

イベントならではの、参加者との一体感や楽しさも味わえ、自然の中で活動することの気持ち良さを実感しました。

応援で同伴してもらった夫も、観光がメインになってしまいがちないつもの旅とは違う旅で、東川町、大雪山の自然にゆっくり触れることができ、大いに癒された様子でした。

今回の旅ですっかり虫好きになった娘は、翌日東川町の取材中に虫の観察道具を夫に買ってもらい、帰るぎりぎりまで、時間があれば虫探しを楽しんでいました。

東川町の「北の住まい設計社」のショップで購入したドイツ製の虫観察キット。

また、“親が頑張る姿を見せる機会”としても、とても良かったと感じています。

私が1人でカヤックを漕いでいる姿を見て興味を持ったようで、「私も乗りたい」と言っていました。もう少し大きくなったら家族みんなで参加してみたいです。

はじめは「敷居が高いかも?」と思ったアクティビティイベントでしたが、参加してみて、こんなにも楽しく気持ちよく大自然に触れられるイベントはなかなかないと感じました。

今年の開催は、1012日、13日の兵庫県しそう氷ノ山(初開催)と1026日、27日の長野県千曲川・高社山の残り2カ所。

現在エントリー受付中なので、気になった方はぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね!

フォトギャラリーのサイトでは過去の大会の様子が写真で見られます。子連れで参加している方もたくさんいるので、ぜひ参考にしてみてください。とっても楽しいイベントの雰囲気が伝わってくると思います。

取材協力/モンベル

SEA TO SUMMIT

-アウトドアスポーツを通じて自然の循環を体感する環境スポーツイベント

公式サイト:https://www.seatosummit.jp

フォトギャラリー:https://www.seatosummit.jp/menu122/

新里 碧
新里 碧
取材漫画家/イラストレーター/アーティスト
芸大を卒業後、広告業界を経て独立。2018年、自身の体験を元に描いた『アプリ婚 お見合いアプリで出会って1年で婚約→結婚しました』(小学館)発売。旅と工作が大好きな新米キャンパーです。
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