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自由研究のヒントを見つけよう!千葉の「国立歴史民俗博物館」へショートトリップ

こんにちは! 漫画家兼イラストレーターの新里碧(にっさとみどり)です。
夏休みシーズン真っただ中、暑い日が続いていますが、博物館で涼しく、自由研究のヒント探しはいかがでしょうか。
早速、千葉県佐倉市にある、「国立歴史民俗博物館」へ行ってまいりました。
上野にある東京国立博物館は行ったことがあっても、佐倉の「国立歴史民俗博物館(歴博)」は行ったことがないという方もまだまだ多いのではないでしょうか?
まずは、そんな「歴博」がどんなところなのかサクッとご紹介します。

「歴博」ってどんなところ?

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歴博の入口。まずそのスケール感にびっくり。

130,000平米(東京ドーム約2.7個分)の敷地に建つ、延べ床面積約38,000平米(東京ドーム約0.8個分)の博物館という、国内最大級の規模を誇る博物館です。

6つの展示室があり、先史・古代から現代までの日本の歴史や文化に触れることができます。

(※現在第5展示室(近代)はリニューアル工事中)

“教科書で見たことあるもの”がたくさん見られる展示。

“歴史”と言うと、少しとっつきにくい印象を受ける方も多いかもしれませんが、「歴博」は、食べ物や商いなど、“人々の暮らしの歴史”を取り扱っているので、歴史を身近に感じられ、親しみを感じられるような展示も多いのが特徴。

また、江戸の町や沖の島など、他では見られないたくさんの模型があるのも見どころのひとつです。

中に入れる原寸大の家屋の展示。上から尾形家住宅の盆飾り(※〜9/1まで)、囲炉裏(第4展示室)、左下旅籠屋(第3展示室)、団地(第6展示室)。

展示の中には、実際に触れたり、再現された居室にはいることができるものもあります。たとえば宮城県気仙沼市にあった尾形家住宅や三重県津市の旅籠屋、昭和30年代の団地といった、原寸大の再現展示。実際に中に入って写真を撮ったりすると、タイムスリップしたような気持ちになりますよ。

館内で無料配布している“こどもようマップ”。
子ども用の説明パネル。

見た展示をペコッと押し出してめぐる、“こどもようマップ”も館内で無料配布。

各展示には、黄色い子ども用の説明パネルもあります。子どもでも、広い館内を飽きずに楽しめる工夫があるのはありがたいですね。

そして、高校生以下の入館料が無料というのも子連れには嬉しいポイントです!

総合受付では、車いす、ベビーカー、サポートカーの貸し出しもあります。

続いて、広報課の大西さんに自由研究のテーマの探し方についてうかがいました。大西さんは長年、小学校の先生をされていたそう。じつは、今年の開催は残念ながら終わってしまったのですが、歴博では毎年「自由研究相談室」を無料開催しており、小中高校の先生方によるアドバイスが受けられるんです。

自由研究のテーマに悩むお子さんは、要チェック!

自由研究のテーマの探し方

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「本人が興味を持てるテーマを見つけるのが大事」と語る大西さん。

「例えば、好きなマンガに出てくる“刀”から、戦いに使った道具をテーマに調べてみるなど、自分の好きなものからきっかけを探すのが良いと思います」(以下「」内、大西さん)

お話を聞いて、なるほど!と思いました。勉強と思うとなかなかやる気がおきないですが、自分の好きなコンテンツに関連したものだと、興味がわきますよね。

歴史系のマンガやゲームから、登場する武器や食べ物、衣服などに注目してテーマを見つけられたら、自由研究も楽しんで取り組めそうです。

「たとえば“この絵の人は長い銃をもっているけど、なぜここに展示してある短い方の銃を使わないんだろう?”というように、子ども本人が“なぜ?”と思うことが大事で、“なぜ?”と思うことで自発的に調べ、学ぶようになるんですよ」

「自由研究=勉強」というイメージを払拭し、もともと興味のあることや日常生活の中からテーマを見つけるのがポイントとわかりました。

私自身は、お菓子やパンが好きなので、その辺りを各時代ごとに調べたら楽しいかも……と思いながら、展示室へ向かいました。

とにかく広い歴博なので、ざっくりでも良いのでこのように事前にテーマを考えてから、訪れるのがおすすめです。

とはいえ……、「事前にテーマ探しするのは難しいよ」というお子さんのために、歴博の館内をめぐりながら、自由研究のテーマにしたら面白そうなものを探してみましたので、訪れる前の参考にしていただければと思います。

歴博の館内で自由研究のテーマを探してみた

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館内の展示室は第1展示室(先史・古代)、第2展示室(中世)、第3展示室(近世)、第4展示室(民俗)、第5展示室(近代)、第6展示室(現代)となっています。

とても広いので、来館の際は見たい展示室から訪れるのもおすすめです。

それでは、いくつかの展示室をご紹介しましょう。自由研究のテーマになりそうなヒントがあちこちにありますよ。

自由研究テーマ例「絶滅した動物ってどんな動物?」(第1展示室)

ナウマンゾウ生体復元模型。

日本にかつていた、ナウマンゾウやオオカミなどの動物たち。

原寸大の像や牙のレプリカなどの展示を見て、想像が膨らみます。動物好きのお子さんにおすすめのテーマです。各時代の動物の展示に注目して見ていくのも良いかもしれません。

このように原寸大のレプリカや再現が多く展示してあるのも、歴博の特徴のひとつです。

 

自由研究テーマ例「土器の無い旧石器時代の料理はどうやって作っていたの?」(第1展示室)

石蒸し料理の準備をする親子の再現。
石蒸し料理を当時の方法で再現した映像。

コケモモやユリ根などを大きな葉で包んで、蒸し焼きにして食べていたという再現に注目!

「電気もガスもスーパーも無い時代にごはんを作るとしたら……、という視点で見てみると面白いですよ」

どんな味がするんでしょうか? 再現動画もあるので、それを参考に実際にキャンプなどで再現してみても面白そう。

自由研究テーマ例「キッチンの今昔を比較してみる」(第1展示室〜第6展示室)

各時代の調理場の再現。

1展示室でかまどの展示を見たのですが、各展示室にはそれぞれの時代のかまどや台所を再現した展示があるので、キッチンに焦点を絞るという研究も良さそうです。

ぜひ「どうやって使っていたのか?」「どんな料理を作っていたのか?」も合わせて調べてみてくださいね。

料理好きのお子さんにおすすめです!

自由研究テーマ例「縄文時代のパンってどんなもの?」(第1展示室)

縄文人のメジャーフードがずらり。

縄文人の食べ物のコーナーにパンのようなものが……!

日本人の主食はずっとお米だと思いこんでいましたが、稲作が始まる前は、パンのようなものを食べていたとは。

他にも、トチの実のアク抜きの方法も説明されており、想像よりも豊かな食事をしていたことがうかがえて驚きました。

自由研究テーマ例「猫っていつから飼われていたの?」(第1展示室)

日本最古のイエネコとされる、弥生時代の仔ネコと高床式倉庫の復元。

猫好きにおすすめ!

大事なお米をねずみから守るために飼われていたのではないか、とされる猫の展示を見つけました。

猫の種類も詳しくパネルで説明されていたので、今飼われている猫とどう違うのか比較してみるのも面白そうです。

1展示室以外にも、平安時代(第2展示室)や江戸時代(第3展示室)にある大きなジオラマの中にも、猫の姿が見つけられるかも!?

自由研究テーマ例「住んでいる場所は昔○○だった?」(第3展示室)

江戸図屏風(複製)展示風景。
江戸図屏風(複製)(部分)「板橋」。

江戸時代の江戸を描いた大きな屏風図を前に、自分たちの住んでいる場所を探す都内在住の小学生たちの姿もよく見られるそう。(板橋には、たくさんの鹿がくつろぐ姿が……!)

自分の住んでいる場所が、昔はどんな様子だったのか気になりますよね。

こちらの展示に興味を持ったお子さんは、歴博内の図書室で古地図や地域情報を調べてみてはいかがでしょうか。

「歴博」内の図書室。

「歴博」のなかには、子ども向け書籍のコーナーやコピー機もあります。気になったテーマを深掘りして調べることもできそうですね。

ほかにも、展示室内で流れている映像資料を座ってじっくり見られるメディアルームもあります。

自由研究テーマ例「日本各地のお祭り研究」(第4展示室)

石川県能登町宇出津のあばれ祭りで実際に使われた神輿。
広島県庄原市の比婆荒神神楽で使われる紙を切って作った御幣と藁の竜。

「歴博」には、日本各地の珍しいお祭りを紹介するコーナーもありました。

日本に生まれ育って40年の私ですが、まだまだ見たことも無いお祭りがたくさんあるんだと知り、未知のお祭りたちの個性に釘付けになりました。

夏休み中に地元や田舎のお祭りに行ったお子さんは、そのお祭りがなぜ始まったのか?どのようにしておこなわれるのか?など、調べてみるもの良いかもしれませんね。

自由研究テーマ例「河童はどんな姿?日本のどこで目撃されていた?」(第4展示室)

河童(カッパ)の模型。
河童の言い伝えをまとめたパネル。

日本各地に言い伝えが残り、マンガやキャラクターなどさまざまな作品に登場してきた妖怪、河童。そんな河童を様々な角度から研究した見応えのあるコーナーが!

河童の他にも妖怪を紹介する展示がありますので、妖怪好きのお子さんはぜひ足を運んでいただきたいコーナーです。

自由研究テーマ例「昔の給食と今の給食」(第6展示室)

左上から、終戦直後、1950年代、1960年代、1970年代の学校給食の複製。

子どもたちが普段食べている給食も、時代によって変化してきました。

その時代時代の食にまつわる事情や流行も見えてきます。

館内の休憩コーナーに、時代による給食の移り変わりを題材にした小学生の自由研究が館内に展示されていましたので、参考になるかもしれません。(展示は202491日まで)

自由研究テーマ例「江戸時代に流行った朝顔」(第3展示室、くらしの植物苑)

江戸時代に流行した朝顔の復元。
変化朝顔の説明パネル。

夏休みに朝顔を育てているお子さんは、興味を持ちそうな展示です。

江戸時代に流行った朝顔や、朝顔の流行の歴史がまとめられたコーナーがありました。

さらに、現在「歴博」から歩いて行ける「くらしの植物苑」では、98()まで特別企画「伝統の朝顔」を開催中。自分がいま育てている朝顔とどう違うのか、じっくり観察してみるのもおすすめです!

江戸時代に流行った本物の朝顔を実際に観察できるチャンスです!

「くらしの植物苑」 特別企画「伝統の朝顔」について詳しくは、下記公式サイトをご覧ください。

https://www.rekihaku.ac.jp/event/2024_plant_kikaku_asagao.html

くらしの植物苑 特別企画「伝統の朝顔」。

子どもと楽しめる体験コーナーも充実

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パズルやスタンプなど、遊びながら学べる「たいけんれきはく」

「たいけんれきはく」風景。
縄文土器パズル。

歩き疲れたら、座って遊べる「たいけんれきはく」に立ち寄るのもいいですよ。

江戸図屏風のパズルや約5000年前の縄文土器を模した立体パズル、中世の食事の食品サンプルや錦絵スタンプ、ぬりえなど、遊んで学べるものがたくさん!

小さなお子さんも楽しく遊べそうです。

寺子屋「れきはく」(第3展示室)

寺子屋「れきはく」風景。
新版御府内流行名物案内雙六。

地獄極楽。

寺子屋「れきはく」では、江戸時代の書き文字の練習「手習い」の体験(体験時間約10分)や、江戸時代の人気飲食店が並ぶすごろくなどを楽しめます。(※不定期開催)

また、寺子屋「れきはく」の前には、「地獄極楽」という、ヘッドホンをかけて、穴から覗くと大きな紙芝居のようなしかけで地獄と極楽を見ることができる“覗きカラクリ”もありました。

ちょっとおどろおどろしい浮世絵風の絵が光ったり……。ドキドキする演出が楽しいので、大人もぜひ体験していただきたい展示です。

休憩コーナーやレストランもあり、1日ゆっくり楽しめる

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館内に2か所ある休憩コーナー。

とにかく広い「歴博」、歩き疲れた人のために、ちゃんと休憩コーナーもあります。展示室と展示室の間に広々とした休憩コーナーが館内に2カ所あるので、広い館内を見てまわる際に一息つけて安心です。

レストラン「さくら」。

館内にあるレストランでは、古代米を使った人気の「古代カレー」1,000(税込)や「お子様カレーセット 」700(税込)をはじめ、パスタやおにぎりセット、蕎麦などメニューは種類豊富。苦手な食べ物のあるお子さんも安心して何かしら食べられそうな、充実のラインナップでした。

ミュージアムショップ。

広い「歴博」は、ミュージアムショップもかなりのボリューム!

江戸図屏風を使ったオリジナルグッズや季節に合わせたグッズ、千葉県のおみやげなど、お気に入りが見つかりそうです。

また、ミュージアムショップのほかに、歴博の出入り口総合案内付近には、日本国内の博物館の図録のアーカイブを販売するショップもあります。過去の企画展のレアな図録が手に入るかも。

なお「歴博」の周囲には、人々が暮らしの中で活用してきた植物を展示した「くらしの植物苑」、隣接している佐倉城址公園などまだまだ見どころがたくさん!

夏休みの自由研究のヒントを探しに、1日じっくりショートトリップを楽しんでみてはいかがでしょうか。

国立歴史民俗博物館

所在地:〒285-8502 千葉県佐倉市城内町 117 
受付電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
入館料(総合展示):一般600円、大学生250円、高校生以下無料(※企画展示の入館料は別料金)
交通機関でのアクセス:京成佐倉駅から徒歩約15分、もしくはバス約5分、JR佐倉駅からバス約15分、他にも東京駅と歴博をつなぐ高速バスもあります。詳しくは公式サイト内「アクセス」ページをご覧ください。

公式サイト:https://www.rekihaku.ac.jp

新里 碧
新里 碧
取材漫画家/イラストレーター/アーティスト
芸大を卒業後、広告業界を経て独立。2018年、自身の体験を元に描いた『アプリ婚 お見合いアプリで出会って1年で婚約→結婚しました』(小学館)発売。旅と工作が大好きな新米キャンパーです。
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