Netflix映画『シティーハンター』
いわずと知れた人気漫画を実写化した映画。「Netflix」の「週間グローバルTOP10(非英語映画)」で初登場1位を記録。
「Netflix」で世界独占配信中
『ゴジラ-1.0』
終戦直後の日本に、ゴジラが上陸!? 日本映画として初めてのアカデミー賞視覚効果賞受賞という快挙を成し遂げた。
「Prime Video」で独占配信中
【Netflix】【Prime Video】極上にロマンティックなミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』
nullまずは、「Netflix」「Prime Video」のどちらでも観られるこの作品から。
真夏のLA。渋滞にハマった車の運転席で、うんざりした女の子が歌い始める。外に出て、のびをして。気持ちよさそうな彼女の歌声に誘われ、あちこちの車から人が飛び出す。連なる車の屋根をステージに歌い踊る人、人、人。さあこれから、どんな物語が……?
6分ほどのシーンをワンカットで見せる冒頭から、観客は一気に映画の世界へ。『ラ・ラ・ランド』はそんな風に始まります。
主人公の男女がいたのは、渋滞にハマる別々の車の中。エマ・ストーン演じるミアは女優志望でオーディション用の台詞の練習に夢中。ライアン・ゴズリング演じるセブは駆け出しのジャズピアニストで、好みの曲を流すラジオ局がなく、イライラと選局ダイアルを回します。そんな2人が出会い、恋に落ちるのです。
ストーリーはまさに王道のボーイ・ミーツ・ガール。でも主演2人のみずみずしさもあって、すべてがフレッシュで気が利いていて、観る者のツボをつきます。
最悪の出会い、互いに心が惹かれ合う奇跡みたいな瞬間、彼を好きかも!とわかったときの周囲の世界が遠のくほどの衝撃……。恋ってステキ!みたいなキラキラした時間を、文字通りのきらめきとカラフルさの中に描く作品です。
何もかもが完璧で永遠を信じられた2人ですが、やがて、その前に現実が立ちはだかります。しかも夢を追う2人“だからこそ”の厳しさで。そのあたりのリアリティもひりひりする共感を伴い、2人の結末を思って最後までドキドキが止まらないのです。
この映画が描くのは、誰かにとっての特別な、でもありふれた恋の始まりと終わり? それとも、特別な恋は本当には終わらないというロマンティック? 結末は、観てのおたのしみ。
『ラ・ラ・ランド』
監督は、長編デビュー作『セッション』で世界中の映画好きをその才能で震え上がらせたデイミアン・チャゼル。彼が32歳にしてアカデミー賞監督賞を受賞した、クラシックでありながらポップな、そして極上にロマンティックなミュージカル映画です。
「Netflix」「Prime Video」他でデジタル配信中
(※「Netflix」での配信は8月9日まで)
【Netflix】ブラピの格好よさが炸裂するアクション映画『ブレット・トレイン』
nullウィットに富んだ会話と巧妙な伏線、ハリウッド映画を思わせる作風の伊坂幸太郎による小説「マリアビートル」を、まさにそのハリウッドで映画化した『ブレット・トレイン』。世界一運の悪い殺し屋、レディバグをブラッド・ピットが演じたアクションものです。
レディバグが指示されたミッションは、東京発の弾丸列車(=ブレット・トレイン)に乗り込んでブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。それだけ。
ところがそこには、「『きかんしゃトーマス』で人間を学んだ」と真顔で語る強面男・レモンをはじめ、キャラ立ちしたヤバい殺し屋がぞろぞろ。それぞれの目的を抱えて乗り合わせ、身に覚えのないレディバグに襲いかかります。降りたい、のに降りられない。列車は世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける京都駅へ……。
レディバグが携帯電話で依頼を受けるシーンに始まり、ラストに至るまで映画は文字通りに猛スピード。しかも全編に無数の伏線が散りばめられ、気の利いた会話、クールな音楽使いもあって一分の隙もなくエンタメ。極彩色の近未来SFのようにも見える日本の描写も新鮮です。
それでいてなんとも、ブラピが格好いい! 監督のデヴィッド・リーチはスタントマン出身で、『ファイト・クラブ』で他ならぬブラピのスタントダブル(代役)を務めた人物。それだけに彼の格好よさを際立たせるアクションを知りぬくよう。
「なんで俺がこんな目に?」とボヤキながらも切れ味鋭いアクションを炸裂させる姿よ。走る列車という密室空間で如何にバリエーションを見せるか? 知恵比べのようなアクションシーンは見もの。日本の裏社会を牛耳るエルダー役を演じた真田広之の、本物の殺陣にもしびれます。
『ブレット・トレイン』
張り巡らされた伏線、結末が読めない展開の妙……。アクション映画ってただ残虐で単調じゃない?と、苦手意識のある人にこそ観てほしい、スカッとすること請け合いの娯楽作。
「Netflix」他でデジタル配信中
【Netflix】宮藤官九郎&大石静がまさかのタッグ!ドラマ「離婚しようよ」
nullこちらは今回の5作のうち、唯一の国内作品であり、唯一のドラマ。
「不適切にもほどがある!」「季節のない街」「新宿野戦病院」といったドラマだけでなく、映画に舞台に歌舞伎に、脚本も演出もと只今、いやず~っと全方位的に脂のりのりな宮藤官九郎。
彼が、NHK大河ドラマ「光る君へ」も好評の大石静とまさかのダブル脚本家タッグを結成して制作されたのが、Netflixシリーズ「離婚しようよ」です。
内容はタイトル通り。愛の冷め切った夫婦が、離婚しよう!と画策するも、周囲の思惑が複雑に交差。夫婦それぞれ不倫したりダメになったりして七転八倒するコメディです。
主軸となる夫婦、やる気ゼロの新人世襲政治家の東海林大志に松坂桃李、人気女優の黒澤ゆいに仲里依紗。2人が、表向きは‟おしどり”ともてはやされるも中身は険悪、という夫婦を演じます。
その他、大志の秘書に尾美としのり、大志のお堅い母に竹下景子、劇中劇でゆいの相手役を演じてイケメン過ぎる顔をギャグに変換する神尾楓珠まで、キャラクターたちが細部に至るまで個性的で、つくり手の愛を感じさせます。
なんでそんなにクズ野郎が似合うんだ松坂桃李! 存在が派手な女優でありながら恋愛となると途端に乙女な役がなんてピッタリなんだ仲里依紗! ……と、心の中で喝采しながら観ることに。
なかでも強烈な印象を残すのは、正体不明な男・加納恭二。昼間からパチンコ屋に入りびたり、どんな仕事をして何を目指すのか? 最初はよくわからない。なのにいつでも泰然としていて、ひょっとして桁外れな大物!?と思わせなくもない佇まい。
それでいて「女優だから」という鎧をまとうゆいの懐にもするっと入り込みます。優しいかと思うと残酷で冷たく、女にとって、これはたまらん!と思わせるキャラで、演じる錦戸亮の色気が炸裂。いろいろな意味で奥の深い役柄をごくナチュラルに体現します。
見どころいっぱい。夏休みの息抜きにはうってつけです。
Netflixシリーズ「離婚しようよ」
オリジナル作品の数と質に定評がある「Netflix」ですが、なかでも今作は挑戦的な制作方法が話題に。「2人の脚本家(宮藤官九郎と大石静)がシーンごとに分担しながら1つの物語を書く」という独自のスタイルによって生み出された脚本に注目です。
「Netflix」で世界独占配信中
【Prime Video】アカデミー賞5部門ノミネート『アメリカン・フィクション』
null主人公はジェフリー・ライト演じる大学教授のセロニアス・エリソン、通称‟モンク”。パッとしない小説家でもありますが、新作はしばらく発表していません。
そんな彼はハリウッド映画ではある意味、珍しいキャラクター。海辺の別荘を持つ裕福な、「俺以外は全部医者」という家庭に育ったアフリカ系アメリカ人のインテリで、無意識に人を見下す態度を取り、姉から叱られるような人です。皮肉屋でもあって、いつもどこか不機嫌そう。なんとなく、ウディ・アレンの映画の登場人物を彷彿とさせます。
映画は、そこを笑いに換えます。アフリカ系アメリカ人だったら、荒んだ家庭に育ってドラッグのディーラーになって警察に殺されるとか、命をとして人種差別と戦う英雄とか、ラッパーみたいな口調のハングリーな男……じゃないの!?と。
ハリウッド映画にしばしば登場するステレオタイプな人物像を引き合いに出すのですが、そのひねりの利かせ方、構成の妙もハイレベル。モンクはなかばやけくそで、如何にも「黒人らしい」小説を執筆します。それがあれよあれよで大ヒット、モンクが審査員に名を連ねる文学賞にノミネートされるのです。
脚本と監督を手掛けたのはコード・ジェファーソン。長編映画デビュー作ですが、この完成度はただ事ではありません。
認知症の母親の介護をどうしよう?と右往左往するモンクを描く家族のドラマでもあり、弁護士の女性と知り合って大人の恋の始まりにときめく大人の恋愛ものでもあります。決して小難しくないので構えなくてOK。知的な笑いを楽しんで!
『アメリカン・フィクション』
本国アメリカでは劇場公開してアカデミー賞で5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。ですが、日本では劇場で公開されることなく、配信ストレートに。
「Prime Video」で独占配信中
【Prime Video】洗練されたブリティッシュ×ひねりの効いた笑い『キングスマン』
null仕立てのいいダブルのスーツに黒縁メガネ、スマートな傘を手にしたハリー・ハート(演じるのはコリン・ファース)。如何にも英国紳士然とした彼は、あらゆる権力から独立した諜報機関「キングスマン」の一員だった!
『キングスマン』は、そんなスパイ映画です。けれど、ストレートなそれとはちょっと違うのです。
ハリーはかつて訓練中にミスを犯し、同僚による咄嗟の判断で命びろいをします。時が経ち、ハリーはその同僚の息子エグジーの元へ。町の不良となってくすぶっていた彼を候補生にスカウト。エグジーはキングスマンとなるべく、厳しい訓練を受けます。
訓練は文字通りに命がけ。訓練生が就寝中、前触れなしに大量の水が押し寄せ、一瞬で部屋が水没します。どうするどうする? 早くしないと溺死だよ! それが最初の課題。生き残った者に次々課題が与えられ、犠牲者が続出。観客はハラハラしながらエグジーを応援することになります。
一方ハリーは、巨大な陰謀を探っていました。ターゲットはIT富豪のヴァレンタイン。野球帽を横に被ったラッパーみたいな企業家で、マックのハンバーガーが大好き! ですが実は過激な環境保護思想の持ち主で、「地球温暖化は発熱で、人類がウイルス。人口減少だけが望みだ」と、人類抹殺計画を進めるのです。
映画はテンポよくきびきびと進み、ハリーのスーツのように無駄がなく、洗練されています。でもよく考えるとその発想自体が下品だったり、敢えて偏った考え方を出発点にしていたり、笑えない悪意までもがギャグに昇華されているのがこの作品。
クライマックス、教会での大アクションシーンはあまりにブラックで、ぎゃはははは!と笑えること請け合いです。
『キングスマン』
本物の演技派であるコリン・ファースが「スーツは現代の鎧だ」と真顔でアクションをかます、それだけでしびれる! 洗練された映像表現と笑いが共存するスパイ映画です。
以上おすすめ5本でした。特に気になった作品はありましたか? 他にも数多くの名作が見放題なので、サブスクの会員になったことがないという人も、ぜひ1カ月試しに登録してみてくださいね。
では、よい夏休みを!
【文・構成】カラフル不思議くん
映画コラムニスト。デヴィッド・リンチと塚本晋也と笠智衆、エグいのも笑えるのもキラキラも、洋画も邦画もほしがる雑食系。