ドラマ化にみんな大興奮
null『王様に捧ぐ薬指』は、『プチコミック』(小学館)で2014年から2017年にかけて連載された人気作品。資産家の息子である王様キャラの東郷と、美人だけどそれが足かせになっていた綾華の偽装結婚から生まれた、全8巻におよぶラブストーリーです。連載終了後のドラマ化に、作者のわたなべ志穂さん含め周りのご家族、友人までもが嬉しさと驚きに包まれたようです。
「家族、友人、皆さん“やったね!おめでとう!!”です。もうそれ1択です。私も浮かれていますが周りの方が浮かれています。良かったです」(以下「」内、わたなべ志穂さん)
ヒロイン・綾華役を橋本環奈さん、王様こと東郷役を山田涼介さんが演じています。
実際にお二人と対面したわたなべさんいわく「当たり前ですが輝くばかりのお二人です。気さくな感じも受けましたがしっかりしてるな……という印象です」。
結婚式場でのアルバイト経験がストーリーに役立った
nullこの『王様に捧ぐ薬指』は東郷が代表を務めるウェディング会社「ラ・ブランシュ」が舞台になっています。実は、わたなべさんがウェディング会社でアルバイトされていた経験が、この漫画につながっているとか。実際に漫画のネタになるような式やエピソードがあったのでしょうか?
「沢山ありますが、一番ネタになりそうだったのは花嫁の親族が数人、花婿は誰も参加者おらず一人のお式です。漫画家的にいろいろな物語が浮かびました」
第3巻にはお一人様婚のエピソードがありました。これも、そんな体験から来ているのかもしれません。
既に4話が放送されましたが、わたなべさんは実写で物語を表現することの広がりを感じているそうです。
「印象に残っているのは、東郷と小夜(小林涼子)が結婚式前のパーティーで語る場面でしょうか。
音楽が入る事により、東郷の切なさが漫画より増すなと思いました」
原作、ドラマ共に、東郷は小夜のことを片思いしていたのですが、綾華の後押しを経て、気持ちを昇華させることができたのです。そして、東郷と綾華はますますお互いを思いあうようになっていきます。
そしてドラマはこれから、東郷の母・静(松嶋菜々子)と東郷、綾香の対立が後半にかけてフォーカスされていきます。
漫画家として、母として
nullわたなべさんのキャリアは、1999年『少女コミック』にてデビュー、以後『Sho-comi』『Cheese!』『プチコミック』など、小学館の少女漫画雑誌で活躍しています。
漫画家を目指したのは、ピアノ教室で出会った漫画がきっかけだそう。
「ピアノ教室の隣部屋に漫画がありました。少コミ(『Sho-comi』)作品が多く、今も活躍されているレジェンドの先生方の作品を網羅しました。違う世界に連れていってくれるのが幸せで、私も漫画家になってしまいました(笑)」
わたなべさんはこの漫画を描いている時期に出産をし、母になりました。出産前後でラブストーリーを描くことに変化はあったのでしょうか?
「産後はやはりラブストーリーが浮かばず苦労しました。が、逆に静の気持ちがより鮮明になりました。
子育てに関して気をつけている事は、横目で育児です(笑)」
子育てをするうえで、母子のコミュニケーションで意識していること、心がけていることは「意思なのか、強制なのか」という点だそう。
「何をするにもこれは私の意思なのか強制なのか、は毎回考えます。子どもの人生は私の物ではないので、尊重したいなとは毎回思います」
同じく子育て世代であるkufura読者に向けて共有できる良い情報を尋ねたところ、こんなコメントも。
「とにかく手を抜ける所は全力で抜くです。私は漫画と子どもに集中すると決めているので、それ以外は3割出来ればよいという気持ちでいます」
参考になりますね!
ドラマの終盤に向けて、注目ポイントは?
nullこれからドラマは終盤に向けて進みますが、作者による見どころポイントはどこなのでしょうか?
「やはり東郷と静の対決になってきますが、その時の綾華がどう東郷に寄り添うか、です」
漫画の中では、綾華はひたむきに東郷を守っていきます。映像でどのように表現されるか楽しみですね。ちなみに漫画で一番見てほしい、おすすめのシーンは「綾華が東郷の過去を抱き締め二人の想いが本物になっていく所」なのだそう。
ドラマで気になった方は、ぜひ漫画もチェックしてみてくださいね。
『王様に捧ぐ薬指』(全8巻)
作:わたなべ志穂
刊行:小学館