1:願い事別のお守りが頒布されていますが、お守りはたくさん持っていてもいいの?
null産泰神社でもご祭神のご神徳をいただく「このはな守」、出産後の母親の安泰と赤ちゃんの健やかな成長を願う「親子守」、子どもの健やかな成長を願う「子供守」、桃をあしらった「厄除守」、瓢箪をあしらった「子宝守」など、複数のお守りを頒布(はんぷ)しています。
複数のお守りがあるのは、出産だけでなく、女性の一生に、さらには次の世代にも寄り添い続けることを願っているためなのだそう。
「お守りは複数持っていて構いません。同じ神様をお祀(まつ)りした別々の神社のお守りを持っていても問題ありませんし、別々の神社の全く違う神様のお守りを一緒に持っていても大丈夫です。
神様同士は喧嘩をすることはありません。ただし、お守りは神様が宿っているものです。一つ一つ丁寧に扱い、粗末にならないように気を付けましょう」(以下「」内、鯉登さん)
2:お守りをプレゼントする際に、気をつけることは?
null安産のお守りなどは、それぞれの地域で信仰されている神社があります。またご利益があると噂の神社へ、わざわざ訪れた友人や親族が願いを込めて「妊婦さんだと行けないだろうから」といただいてきてくれることも。
実際のところ、自分でもらってきたお守りでなくてもご利益はあるのでしょうか? また、人にプレゼントする際に気をつけたほうがいいことは?
「代理の方が受け取る方を思って願いを込めてお参りし、拝受してきたお守りを受け取ったならば、神社に直接伺った場合と変わらず持っていただけます。ただ、場合によってはお守りを渡すタイミングは考えた方がいいでしょう。
例えば、親戚や友人、会社の同僚に安産お守りをプレゼントするのは、妊娠5カ月を過ぎてからにしましょう。妊娠初期は、つわりなどで体調がすぐれない妊婦さんも多くいらっしゃいます。この時期にお守りを渡すと、妊婦さんによってはプレッシャーを感じてしまうこともあるからです」
3:お守りはどのくらいの期間、持っていてもいいですか?
nullお守りをいただいて願いが叶うと、そのお守りにまた願いを叶えてもらえるんじゃないかな……なんて思いがち。実際、お守りはどのぐらいの期間持っていていいのでしょうか? 賞味期限のようなリミットはありますか?
「祈りを込めて拝受したお守りは、お願い事が叶っても記念として持っていたい人もいるかと思います。しかし、古いお守りをいつまでも持っているのはおすすめしません。
神道には『常若(とこわか)』という考え方があります。これは、いつまでも新しく若々しく生命力に満ち溢れている様子を示しています。神社本庁の本宗である伊勢神宮が20年に一度、社殿を立て替えるのはこの常若の考え方によるものです。1年はあくまで目安ではありますが、いつまでも古いお守りを持ち続けているのは避けたほうがよいでしょう」
4:お守りを手放す際には、どうすればいいのでしょうか?
null大切にしてきたお守りも、安産や受験など一定の目的のためにいただいたものは、実現した後は手放すことになります。そういったお守りを手放す際は、どうすればいいのでしょうか?
「お守りは、神様のご分霊を移したものであり、神様の力が宿ると言われています。粗末に扱わず、古いお守りはゴミとして処分せずに、拝受した神社に返納しましょう。お守りには期日はありませんが、1年を目安に返納し、いつまでも古いお守りを持っていることは避けたほうがいいです。
また、返納は基本的に拝受を受けた神社で行うものですが、旅先で拝受した場合など再訪が難しい場合、近所の神社の“古御札納所”などと書かれている返納場所に納めましょう。その際に気持ち程度でいいのでお納め料(お焚き上げ料)を添えましょう。神社のお守りは神社に、お寺のお守りはお寺にお納めしましょう」
また、一部の神社やお寺では郵送での返納も受け付けているところもあります。郵送にて返納を希望する場合は、一度その神社やお寺のホームページなどを確認するか、問い合わせするなどして遠隔地からの返納が可能かの確認を。
5:返納したお守りは、その後どうなるの?
null気になるのが、返納したお守りのその後。集められたあとはどんなことが行われるのでしょうか。
「産泰神社ではお納めいただいたお守りやお神札などは、毎日夕方にお祓いの儀を執り行います。この儀式は、大麻(おおぬさ)を使い、納められたお守りやお神札などをお祓いするものです。お祓いののち、お焚き上げをします」
神社に参拝し、願いとともに拝受してきたお守り。いただくだけでなく手放すところまできちんとして、新しいお守りをお迎えすることを心がけたいですね。
【取材協力】
産泰神社 https://www.santai-jinja.jp/
所在地:群馬県前橋市下大屋町569
電話番号:027-268-1161
受付時間:9:00〜16:30
大阪生まれ。IT系出版社に勤務後、「女性にもITをもっと分かりやすく伝えたい!」とIT系編集・ライターとして独立したはずが、生来の好奇心の強さとフットワークの軽さから、気が付けばトレンドライターとして幅広いジャンルを取材・執筆するように。商業施設や店舗の出店や話題の新商品など、時流にまつわるできごとをさまざまな切り口で伝えています。