今年で第98回!あの「いだてん」が原型を作った大会
null毎年1月2日、3日の朝8時にスタートする箱根駅伝、正式名称は『東京箱根間往復大学駅伝競走』。前年の大会でシード権を獲得した上位10校と、昨年10月の予選会を通過した10校、そして関東学生連合を加えた合計21チームが出場します。
歴史のあるこの大会は、今回がなんと第98回、箱根駅伝が誕生したのは、1920年(大正9)のこと。NHK大河ドラマ『いだてん』の主人公で、マラソンの父として知られる金栗四三さんたちの「世界に通用するランナーを育成したい」との思いから、スタートしたと言われてます。
今回は、イラストレーターで駅伝観戦歴30年は超えるという、大の“駅伝マニア”進藤やす子さんに、初心者でも楽しく観戦できるポイントを4つ、教えてもらいました!
1:スタートが無理なら朝9時から。12時(5区)からでも楽しい!
null箱根駅伝は、往路5区間(107.5km)、復路5区間(109.6km)の合計10区間(217.1km)という、学生駅伝の中でも、最も長距離を走る駅伝です。
ということもあり、スタートは午前8時とかなり早い。
「わたしはもちろん、スタートの30分くらい前からは、正座で準備態勢です(笑)。でも、1月2日の朝8時はちょっと早くて……という方には、2区からの観戦をおすすめしたい! 2区がスタートするのは、だいたい9時頃になります。
学生駅伝では“花の2区”と呼ばれていて、各校のエースが走る区間。現在の大学長距離界を代表するトップランナーたちが、抜きつ抜かれつを展開する様子が楽しめます。
そして外せないのが山登りの5区。スタートは大体12時頃になります。朝からはちょっと無理……という方、ここからでも箱根駅伝ならではの醍醐味は味わえます!
山登り区間の面白さは、これまでの選手の持ちタイムや実績通りにはいかないところ。かつて“山の神”と呼ばれた、柏原竜二さん(東洋大学)は、1年生の時になんと8人抜いて、首位に躍り出たんですよ。
そのくらい順位の変動が起こる、見どころの多い区間です」(進藤さん。以下「」同)
2:タスキ渡しでは、「監督車からの声」も聞き逃さないで!
null箱駅駅伝は選手はもちろん、各校の監督さんにとっても必死の2日間。それぞれの監督が、運営管理車に乗り込み、選手に伴走します。
「駅伝といえば“タスキ渡し”ですよね。走ってきた選手が、これから走る選手に声をかけるところももちろん注目なのですが、さらに見逃せないのが、伴走している運営管理車に乗る“監督”からの声かけなんです。
20キロという長距離を走り終わった選手に、監督それぞれの性格や指導方針がよくわかる“声かけ”があるんです。『4年間ありがとう!』とか『よくやった〇〇(苗字)!』とか、選手と監督の関係性がそのひとことに凝縮されいて、それを聞くだけで、ちょっとグっときてしまいます。
私の贔屓の大八木監督(駒澤大学)も毎回“ならでは”の声かけ(もちろん『男だろ!』です)をしてくれますし、酒井監督(東洋大学)はドSで有名男ですが(笑)、過去にはスピードを上げた選手に「もう1回だ、もう1回!」と言ったり、いずれにしても辛いところで選手たちを鼓舞するのに監督の“檄(ゲキ)”は欠かせないものなんですよね。
この日のために必死で練習し、走りきった選手たちにかけられる声、ぜひ聞き逃がさないでください。
ちなみに、箱根駅伝の1週間後くらいに毎年放送される『もうひとつの箱根駅伝』という、ドキュメンタリー番組が、監督やサポート選手などの裏側を追っているので、そちらも合わせて観ると、より楽しみが深まります」
2022年の『もうひとつの箱根駅伝』は、1月15日(土)16~17時、日本テレビ系で放送予定です。
3:実力が抜きん出てる3選手。圧倒的な走りを堪能して!
null各チーム鍛え抜かれた選手が走る中でも、実力が飛び抜けている選手たちが!
「何と言っても注目なのは、田澤廉選手(駒沢大学)。現在の大学ランナーの中でも、トップの実力を持っています。その力強い走りは、見る価値ありです! ワタシ的には、ぜひエース区間の2区で走って、他校のエースたちにその実力を見せつけて欲しいと思っています。
そして2人目は、三浦龍司選手(順天堂)。昨年夏の東京オリンピックでは、学生オリンピアンとして3000m障害に出場、7位入賞を果たすなど、すでに世界で活躍してる実力者。昨年の箱根では1区で10位と結果を出せてないだけに『今年は』という気持ちも強いのではないでしょうか。
3人目は、近藤幸太郎選手(青山学院大学)。青学はこれまでもスター選手が多く、それに比べると少しだけ地味な印象があるかも?なのですが、記録は実はすごいんです。2021年には、5000m、10000mの青学の大学記録も更新していて好調を維持、青山学院の優勝の鍵を握っているエースです」
TV観戦の際には、ぜひこの3選手の活躍に注目を!
4:美しいって素晴らしい!イケメンといえば、この3選手
nullこれだけたくさんの選手が走る駅伝。その中にはもちろん“タイプ”な人も、見つかっちゃうわけで……。
「駅伝なので、選手はもちろん強い・速いことが大前提ですけど、そこに、さらに“見た目がタイプ”だと、なお楽しいですよね。
箱根駅伝は、大学1年生(18歳くらい)〜4年生、ちょうど少年期から青年期に成長していくような時期に当たるので、毎年観戦していると、成長していく選手を見守ってる気持ちになるんです(笑)。
ということで、実力に加え、ルックスも素敵なワタシの個人的な“推し”3選手をご紹介。ぜひ画像検索などで顔を確かめて、勝敗だけじゃない観戦の楽しみも増やしていただけたら嬉しいです。
まず、石田洸介選手(東洋大)。とにかくキラッキラに光ってます。華がある! 適度に日に焼けた精悍な容姿で、風を切って颯爽と走る姿は、たまりません! まだ1年生なので、この大会で観ておくと、その後きっと4年間、成長を楽しめますよ。
そして吉居大和選手(中央大学)。彼は、渋谷すばるくん似でジャニーズ系のかっこよさ。高校時代から注目されていた選手で、高校3年生の時にはインターハイ5000mで日本人トップ(3位)。全国高校駅伝では日本一に輝いた実績も。
最後に、丹所健選手(東京国際大学)。彼は母親がコロンビア人ということもあって、かなりハッキリとした、でも優しいお顔立ち。大学の日本人エースとして引っ張る立場でもあり、東京国際大学の勝敗の鍵を握る選手の一人でもあります」
まだまだ語り尽くせないほどの魅力が詰まっている「箱根駅伝」。
1月2日と3日、朝8時〜スタートです。
この試合のために練習を積んできた若者たちの激走を、ぜひ一緒に楽しみましょう!
進藤やす子
武蔵野美術大学を卒業後、メーカーのパッケージデザイナーを経て、フリーのイラストレーターに。雑誌の連載多数、ファッションに関する著書も人気。
駅伝好きの両親の影響で幼少の頃から駅伝を観戦、高校では、陸上部に所属し長距離を走る生活を。駅伝好き、マラソン好きが高じて、第95回の箱根駅伝では、女子のための観戦ガイド『WE ラブ 箱根駅伝』の取材や制作にも携わるほどの、コアな駅伝ファン。
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