知っておきたいふぐの「毒」
nullまず気を付けなければいけないのがふぐの毒についてです。
ふぐにはテトロドトキシンという自然毒があり、一般的には肝臓、卵巣、皮に多く含まれています。テトロドトキシンによる中毒は命にかかわるため大変危険です。日本でふぐの調理・提供ができるのは都道府県知事等が認める専門のふぐ処理者のみ。素人がふぐを調理することは絶対にやめましょう。
ふぐ毒について、詳しくはこちらを参考にしてください。
・厚生労働省「安全なフグを提供しましょう」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000094363.html
・厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒」
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_01.html
ふぐにはどんな栄養が含まれる?
nullふぐ(とらふぐ・養殖・生)100gあたりに含まれる主な栄養素
・エネルギー:80kcal
・たんぱく質:19.3g
・脂質:0.3g
・ビタミンB6:0.45mg
・ビタミンB12:1.9μg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.9mg
チームで働くビタミンB群
チームワークよく働くビタミンB群は複数を組み合わせて摂ると働きが高まります。ふぐにはビタミンB6やビタミンB12が含まれています。ビタミンB6はたんぱく質の代謝で分解や合成をサポートする働きがあり、ビタミンB12は葉酸と力を合わせて働き、赤血球をつくり貧血予防に役立ちます。
鉄分&亜鉛も補給できる
ふぐは不足しがちなミネラル類である鉄分や亜鉛を含んでいます。鉄分は全身に酸素を運び、エネルギー産生にも関わる重要な栄養素です。ミネラル類のなかでも吸収されにくい鉄分はいろいろな食品から積極的に補給することが大切。
亜鉛は細胞をつくるための代謝をサポートするほか、正常な味覚を保つ、免疫力を維持するといった働きがあります。
亜鉛も不足しがちですが、サプリメントでは摂りすぎる可能性があるので、なるべくバランスのよい食事で補給するようにしましょう。
ふぐは低カロリーな魚です!
淡泊な味わいのふぐはそのイメージ通り、脂質が少なくたんぱく質が豊富です。100gあたり80kcalと魚類のなかでも低脂質&低カロリーだから、ダイエット中も安心して食べられます。魚類で比較すると、同じく白身魚で淡泊な味わいのたらと似た数値。さばと比較するとエネルギーは1/2以下であることが分かります。
【魚100gあたりのエネルギー/脂質量】
・ふぐ(とらふぐ/養殖):80kcal/0.3g
・たら(まだら):72kcal/0.2g
・さけ(しろさけ/皮付き/養殖):124kcal/4.1g
・さば(まさば):211kcal/16.8g
ふぐの効果・効能にはどんなものがある?
null亜鉛は美しい肌や髪にも欠かせない!
ふぐに含まれる亜鉛は美容に役立つ栄養素。亜鉛はケラチンという肌や髪、爪を作るたんぱく質を合成して、それらのターンオーバーをスムーズにしてくれます。逆に言えば、亜鉛が不足すると肌荒れや髪のトラブルの原因になることも。
亜鉛を取り入れるときのコツは、ビタミンCと合わせて吸収をよくすることです。そのコツを活かした美肌レシピとして、ビタミンCを含む野菜がたっぷり入ったふぐ鍋やスープがおすすめ。
煮込むと水溶性のビタミンCは溶け出てしまいやすいので、煮汁も一緒に食べるのがポイントです。おいしくて美容にもいい美肌レシピ、試してみてくださいね。
ふぐはおいしいだけでなくヘルシーな魚!
ふぐは先にお伝えした通り、低脂質&低カロリーでとってもヘルシーな魚です。脂質控えめで淡泊な味わいながらも、上品なうま味と高級感があり、物足りなさを感じさせないことも魅力です。
食べるときはふぐの上品な味を活かして酸味の効いたさっぱり味にすると、自然と塩分も控えることができます。贅沢な食事を罪悪感なくヘルシーに楽しみたいときには、ふぐ料理を味わってみてはいかがでしょうか。
【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高監修 高橋書店
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書籍
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい 監修
・「医師が教える すごい美肌循環」日比野佐和子 アンノーンブックス
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
(最終参照日:2022/10/12)
フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。