たらの栄養情報
nullまだら(生)100gあたりに含まれる主な栄養素
・エネルギー:72kcal
・たんぱく質:17.6g
・脂質:0.2g
・ビタミンA:10μg
・ビタミンD:1.0μg
・ビタミンE:0.8mg
・ビタミンB1:0.10mg
・ビタミンB2:0.10mg
・ビタミンB6:0.07mg
・ビタミンB12:1.3μg
・カルシウム:32mg
・カリウム:350mg
なんといっても低脂質・低カロリー
たらは低脂肪・低カロリーの魚介類の代表ともいえ、他の白身魚と比較してもその違いが分かるほど。同じ白身魚であるたいやたちうおと比べてみましょう。たいは脂質・たんぱく質ともに多め、たちうおは脂質が多いという特徴があります。
■魚100gあたりに含まれるエネルギー量の比較
・たら:72kcal
・たい:160kcal
・たちうお:238kcal
■魚100gあたりに含まれるたんぱく質量の比較
・たら:17.6g
・たい:20.9g
・たちうお:16.5g
■魚100gあたりに含まれる脂質
・たら:0.2g
・たい:9.4g
・たちうお:20.9g
このように、たんぱく質の量はそれほど変わらないのに、たらのエネルギーは1/2から1/3程度、脂質はなんとおよそ1/5~1/100と大きく異なります。ほかの白身魚と比べてもその違いは明白です。
ビタミン類
たらの栄養的特徴の一つは、ビタミン・ミネラルをまんべんなく含んでいること。なかでも注目したいのがビタミンB群やビタミンDです。
ビタミンB群は、それぞれにも役割を持ちますが、エネルギー代謝をはじめとして、お互いに助け合って効果が出るという、チームとしての働きでも知られています。
そのため、それぞれの含有量は突出していなくても、ビタミンB群をまんべんなく含むたらは、その効果をより期待できるんです。
また、ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫にする働きをもち、カルシウムと一緒に摂りたい栄養素です。たらは、どんな料理でも合わせやすいので、カルシウムを含む食品と調理したり、献立に加えたりすることもおすすめです。
たらに期待できる効果効能は?
nullたらの栄養を効率的に摂るためには?
たらは、日本だけではなく、フランス・イギリス・スペインなどのヨーロッパをはじめ世界中で好まれ、様々な種類の料理で好まれています。
たらの身は水分が多いため鮮度も落ちやすいのが特徴。調理面では、火が通りやすいのですが、加熱しすぎると身が崩れやすいうえ、パサパサになってしまうので、さっと加熱する程度がおすすめです。
栄養的には、水溶性ビタミンであるビタミンB群を比較的多く含みます。水溶性ビタミンも余すことなく摂るには、煮汁も一緒に食べられる鍋物や汁物がおすすめ。煮汁には、たらの濃厚なうまみが染み出ています。
また、カルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫にする働きをもつビタミンDも含んでいるので、成長期や骨粗しょう症が気になる方には、カルシウムを含む食品といっしょに食卓へ。ビタミンDは脂質と合わせると吸収率がアップします。
もちろんダイエット中の人にも!
たらがダイエットにおすすめの食材として知られているのは、低脂肪・低カロリーに加え、たんぱく質もしっかりと含まれているから。高たんぱく低脂質で、エネルギー代謝にかかわるビタミンB群も含んでいます。
ビタミンB群の中でも、皮膚や粘膜を保護する働きをもち、脂質代謝に関係するビタミンB2は、肌荒れが気になりやすいダイエット期には欠かせない栄養素。頼もしい味方となってくれます。
そして、消化吸収の際に胃腸に負担がかかりにくいため、離乳食や病院食にも利用されるほど。食べ過ぎてしまった日の翌日などに、胃腸にやさしい食事を摂りたいときにもぴったりです。
たらの味は淡白ながらうま味成分を含んでおり、どんな料理にも合わせやすいため、ダイエット中に摂りたい栄養素との組み合わせも抜群。ぜひいろいろな食べ方で楽しんでくださいね。
撮影:黒石 あみ(小学館)
【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「日本全国お魚事典」山田吉彦著 海竜社
・「旬を味わう魚の事典」坂本一男監修 ナツメ社
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高著 高橋書店
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子監修 X-Knowledge
・「食材図典Ⅲ」小学館
(最終参照日 2022/10/24)
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。