たちうおの基本情報
null旬の時期とおいしいたちうおの選び方
1年を通しておいしい魚ですが、旬である夏から秋にかけてはより脂がのっています。たちうおは切り身として売られているのがほとんど。切り身は皮の部分をチェックしましょう。銀色に輝いていてハリがあるものが新鮮です。皮に傷が多く、ハリのないものは避けましょう。
たちうお(生)100gあたりに含まれる主な栄養素
・エネルギー:238kcal
・たんぱく質:16.5g
・脂質:20.9g
・ビタミンA:52μg
・ビタミンD:14.0μg
・ビタミンE:1.2mg
・DHA:1,400mg
・EPA:970mg
オレイン酸など脂質は多め
たちうおはさっぱりとした白身の印象ですが、意外にもたんぱく質より脂質を多く含んでいるという珍しい魚です。たんぱく質より脂質を多く含んでいる魚はほかにはほとんどなく、さんまやマグロのトロなどごく一部のものに限られます。
たちうおは良質な脂質が豊富であり、オレイン酸やDHA・EPAなどの脂肪酸が多くなっています。オレイン酸はオリーブオイルでもおなじみのオメガ9系の脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らす働きがあるといわれています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(イコサペンタエン酸)は不飽和脂肪酸の中でもオメガ3系に分類される必須脂肪酸です。必須脂肪酸は人の体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。
ビタミンA・D・Eも
たちうおには脂溶性ビタミンである、ビタミンA・D・Eが多いのも特徴です。この脂溶性ビタミンは、脂質と一緒に摂ることで吸収率がアップするため、良質な脂質をふんだんに含んでいるたちうおは、健康に良いとされる脂肪酸とビタミンの両方の効果を効率よく得るのに最適な魚であるといえますね。
たちうおに期待できる効果効能は?
nullたちうおには、主にオレイン酸やDHA・EPAなどの良質な脂質が含まれています。
オレイン酸や、DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを減らし、増えすぎたコレステロールを回収して肝臓に戻す役割のあるHDLコレステロールを増やす働きがあるといわれています。
さらに、動脈硬化抑制や血栓の予防、血圧降下などの役割を果たしているとされており、これらの脂肪酸が豊富なたちうおは、生活習慣病予防に効果が期待できるといえるでしょう。
美容と健康を支えるビタミン類
たちうおには特にビタミンDが豊富ですが、ビタミンDが不足すると、たとえカルシウムの摂取量が十分であったとしてもカルシウムの吸収が悪くなってしまいます。成長期の子どもや骨粗しょう症予防のためにはカルシウムと一緒に摂りたい栄養素でもあります。
ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ役割があり、健康だけでなく美容分野でも用いられることの多いビタミンです。また、アンチエイジングにつながる効果があるといわれているビタミンEは、強い抗酸化作用があります。美容の面でも活躍するビタミンが豊富なのも嬉しい点ですね。
撮影/黒石 あみ(小学館)
【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・「食材図典Ⅲ」小学館
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」HDLコレステロール
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-071.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
・海と魚がもっと好きになるウェブマガジン umito.®たちうお
https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article79/
(最終参照日2022/9/21)
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。