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意外と知らない!「リエット」と「パテ」なにが違う?【食べ物の違い豆知識】

知らなくても困らない……でも、知ってると誰かに話したくなるような【食べ物の違い豆知識】を紹介するこのシリーズ。26回目は、フランス料理の前菜に出てくることが多いこちら。料理研究家・時吉真由美さんからのプチ知識も合わせて読めば、さらに詳しく!

「リエット」と「パテ」の違いって…

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どちらもバゲットやクラッカーに塗っていただくものというイメージですが、違いは?と思い、改めて調べてみました。

豚肉などをラードで煮込んだペースト状のものが「リエット」

細かくカットした豚肉を塩とラードで煮込んだ後、ペースト状にした食べ物です。パンやクラッカーなどに塗っていただきます。

豚やガチョウなどの肉をラードで煮込み、ペースト状にしたもの。パンやクラッカーに塗って食べる。

【出典】デジタル大辞泉 小学館

本来の「パテ」は肉入りパイ包み焼きのこと。現在は、ペースト状の練り物全般を指します

辞書では2つの意味が出てきました。ひとつは肉入りのパイ。じつはこちらが「パテ」本来の料理。そしてもうひとつが、肉をすりつぶして味を調えたものを、蒸し焼きにした料理

現在は、パイで包まず、ペースト状の練り物に用いられる言葉という認識が一般的となっています。

1 肉入りのパイ。 2 肉をすりつぶして調味し、蒸し焼きにした料理。

【出典】デジタル大辞泉 小学館

で、つまり「リエット」と「パテ」の違いは…

「リエット」は豚肉を主原料としたペースト状の保存食「パテ」は本来、肉入りのパイ包み焼きという料理でしたが、今はペースト状のもの全般を指す言葉という認識が一般的に

そもそも2つは別々の料理でしたが、現在その違いはとても曖昧になっているようです。

本来の違いをもう少し詳しく!

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ペースト状のもので出てきたら、リエットかパテか見極めるのって難しそうですね。

料理研究家・時吉さんによると、
リエットの直訳は、『豚肉のかたまり』という意味。基本は豚肉を使い、ラードなどを加えてホロホロになるまで煮込み、塩で調節したものを壺などの容器に入れて固めたものです。塩加減によって、数日から数カ月もつ保存食なんですよ」(以下「」内、時吉さん)

リエットって、場合によっては数カ月も持つんですね!

「リエットは豚肉を使うのが主流ですが、鶏肉や魚などを原料としたものもあります。レバーがメインのものもよく見かけますね。

パテは本来、すりつぶした肉入りの小形のパイ包み焼きにした料理のことです。でも、パイで包まずに背脂でミンチにした肉を巻いて焼いたものや、中の具そのものをパテと呼んだりもしますね。そして今では、ペースト状にしたもの全般の呼び名という認識がメジャーになっています」

うーん、やっぱりペースト状になった途端、違いがわかりづらい……。

本来の調理法から見れば、リエットは煮る、パテは蒸し焼きにする、と違いがあります。リエットが保存食という点もパテとは異なり、パンなどに塗って食べるか、切り分けて食べるかといったスタイルも違う物でした。
でも、バゲットなどに塗るようなペースト状のパテが広く食べられるようになってからは、両者の違いは非常に曖昧なんですよ」

では、お店がリエットといったらリエット、パテといったらパテですね(笑)。
調理方法の変化などで、もともと別だった料理の線引きが曖昧になるのは興味深いです。


【取材協力】

料理研究家 時吉真由美

(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIPMOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネルClocca Cooking Channelにて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!

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