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お酒が飲めない人ほど「BAR(バー)」がオススメな理由は…フォロワー11万人超の人気ツイッタラーが教えてくれたお店の選び方

独身で子どもがいないときはお酒を結構飲んでいたけれど、子どもができたらめっきりお酒が飲めなくなって……という人、多いですよね。でもたまの外食のときくらい、BARの雰囲気も味わいたい、という人もいるのではないでしょうか。

ツイッターの大人気アカウント「きょうの140字ごはん」で約10年に渡ってレシピを発信、元・グルメ情報誌の編集者でもある寿木けいさんに、お酒が弱い、飲めなくても愉しめるお店の選び方を教えていただきました。

お酒に弱い人が、BARに行ってもいいんでしょうか…

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寿木けいさんはツイッターの『きょうの140字ごはん(@140words_recipe)』というアカウントで、ほぼ10年に渡ってレシピを発信しています。その中には、家飲みのお酒や、おつまみにもなるようなレシピもたびたび登場、とても人気があるそうです。そんな投稿をまとめたレシピ&エッセイ『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』という書籍も発売したばかり。

「小さい子どもがいる今は、外食の機会は減ったのですが、日本酒やワイン、ウイスキーなど、お気に入りを家に取り揃えていて、家飲みを楽しんでいます」と。

先日、そんな寿木さんがゲストで出演、渋谷でワインバーを営む店主・林伸次さんとの美味しいもの対談が行われました。

その中で話題に上ったのが「お酒に弱い人、飲めない人って、BARに行ってもいいんでしょうか」問題。

バーは、飲み物の相談ができるプロがいるところ

対談が行われた、渋谷にあるブックカフェ『BAG ONE』。お酒もコーヒーも美味しい、居心地のいいお店。

林さんの営む『BAR BOSSA』は、渋谷から代々木公園に抜ける「奥渋谷」と言われるエリアにある、女性にも優しい雰囲気のワインバー、20年以上も続く老舗です。寿木さんと林さんはお店の店主と客として知り合って、もう長いおつきあい。

寿木さんは、お酒に弱い友達を、林さんのお店に連れて行ったことがあるそうです。

「お酒を飲めない人、弱い人って一緒に食事に行った時に飲み物を選ぶのが難しいみたいなんですよね。アルコールの選択肢が少ないレストランに行ってしまうと、飲み物がジンジャーエールと、オレンジジュース、お茶しかない、みたいなことも。

その点、バーはとても使い勝手がいいと思います。例えば季節のフルーツを使って、お酒をほんの少しだけ入れてください、とか、シュワっと炭酸を入れた柑橘系で爽やかな味をノンアルコールで、など飲み物のプロであるバーテンさんと相談しながら決められるので

たしかに。

お酒の濃さも相談できるし、味の傾向や炭酸を入れるか入れないか、など幅広く相談しながら飲み物を選べるのは、BARの嬉しいところですよね。

ただ、実際には、ノンアルコールのお客さまはお断りというバーも、まだまだあります。そのあたりの理由を、BARの店主である林さんが教えてくれました。

「変な飲み方をして酔っ払うお客さまより、ノンアルコールの方はむしろ有難かったりする面もあるんです。ただ、お酒を飲む人はワインをボトルで開ける方もいるし、飲んでるうちに何杯か飲んでくれる人が多いものです。それに比べると、ノンアルコールの方は1杯でおしまい、という方が多い印象。それだと、商売としてはなかなか厳しい……ということで、お断りすることがあるのではないでしょうか」

たしかに、お酒は杯を重ねるうちに愉しくなってきて、ついつい「おかわり、お願いします」と言いがち。その点ノンアルコールだと1杯で満足してしまうのかもしれませんね。

今日はノンアルコールという日は「おかわり」をする気持ちでBARを訪れよう! と、林さんのお話を聞いて思いました。

「私は海外旅行の時にもBARに行きますが、日本のBARは女性にとても優しいなぁと思います。女性が一人で安心して入ってお酒を飲める、というお店は海外にはあまりないかもしれない。帰り道も変な人に尾けられたりすることもないですし……」

と寿木さん。

そうですね。海外ではやはり、女性ひとりでのBARはハードルが高い! ここ日本で、もっとBARという場所を楽しむ人が増えるといいですね。

「行く価値がありそうなお店」を探すためには……

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『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(林伸次 / 著 旭屋出版)1,800円(税別)

林さんは、バーの店主としてだけでなく執筆業でも幅広くご活躍中。このたび『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』という本も発売されました。

林さんがお客として来店し「このお店はすごい」と感じた飲食店のオーナーの方々に同業者ならではの視点でインタビュー、それをまとめた一冊です。

登場するのは、西荻窪「organ」や渋谷「COFFEEHOUSE NISHIYA」など、多くのファンがいるお店。読んでいると「こういうお店ならぜひ行ってみたい、お金を使ってもいい!」と思えてきます。

では、そんなお店にはどうやったら出会えるのでしょう。「食に関してはちょっと病気(笑)」と言われるくらい、食べることが好きという寿木さんに、お店選びのコツを聞くと……。

『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』(寿木けい / 著 小学館)1,400円(税別)
名もなき20秒卵、ほったらかし野菜炒め、など、帰宅して30分以内で完成する、シンプルレシピが200個以上掲載!

「インスタやツイッターで、“この人は”と思う人をチェックしていて、彼らの行っている新しいお店を調べたりしますね。前職が編集者だったこともあって、周りに食に詳しい友人が多く、誘ってもらうことも。

いいなあと思うお店は、料理が美味しいのはあたり前として、店の人が素晴らしい、やりたいことがはっきりしている、そして”その店ならでは”の食べ物があること。

私が日々発信しているレシピも、そういうお店からヒントを貰うことも多いんです。まず、”とても美味しかったです”という、お料理の感想を伝えた上で作り方を聞くと、たいていのお店では教えてくれますよ

寿木さんのレシピは、作り方はシンプルなのだけれど、自分では決して思いつかないような、新鮮な素材の組み合わせが度々登場します。その秘密はこういうところにもあったんですね。

最後に、寿木さんの最近のオススメの店を教えていただきました。

上野にある”Cise(チセ)”というお店。ここは、ワインとお料理とパンで、トリプルマリアージュという提案をしてくれるんです。お料理にワインを合わせてくれるお店はありますが、そこにパンまで合わせるのが新鮮。若いスタッフのお店なのですが、どの料理も美味しく、また行こうと思いました。ワインがウリのお店なので、お酒を飲める人向けではあるけれど、オススメです」

毎日の家ごはんを美味しく作るためにも、外でのインプットは大切。今の自分の環境や時間、お財布と相談しながら、プロの作ってくれる「美味しい時間」を楽しみたいものですね。


 

寿木けい

富山県出身。2010年からスタートしたTwitter「きょうの140字ごはん」の中のひと。フォロワーは11万5000人以上。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。編集者としてのスタートはグルメ情報誌で、多くの飲食店を取材する。

2019年10月には『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』(小学館)を出版。食、子育て、暮らしにまつわる執筆活動を続けている。2020年2月に書き下ろしエッセイを上梓予定。好きなお酒はシャンパン、純米酒、ピノ・ノワール、マティーニ。

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