ママは機能性重視でいい
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龍淵絵美さん。
動きやすい、汚れても気にならないなど、子育て中のファッションは機能性重視になりがち。おしゃれとの両立は難しい……と悩む筆者に、開口いちばん「機能性重視でいいんですよ!」と、エイミーさん。
お子さんが生まれる37歳まで、モード誌の編集部で働いていたエイミーさん。絶対にハイヒールしか履かず、お洋服も華奢なレースや総スパンコールのスカートなど、つねに最先端のものを身につけていたといいます。
「もともとは2週間ごとに毎日ちがう組み合わせを描いたコーディネート帳をつけて、迷ったり、無駄なお買い物をしないようにしていたくらいファッションが大好き。でも子どもが生まれたら、コーディネートを考えている時間がなくなって! 下の子が小学校に入るくらいまでは、生活に根ざした服を買い、パターンを決めて、その中でおしゃれを決めていた時期がありましたね」(以下「」内、すべて龍淵絵美さん)
「1着でおしゃれに見えるアイテム」と「シンプルで応用が効くスタイル」
nullエイミーさんがたどり着いたのは、組み合わせを考えなくてもおしゃれに見える3パターン。
「仕事にも、子どものお迎えや行事でも、シーンを問わず万能と分かりました」
1:ワンピース
「1着で決まるワンピースは、グレー、ネイビー、黒など、定番の色が、シーンを問わず、いろいろな靴や小物と合わせやすいです。私はワンピースで仕事に行く日は、子どもの送迎のときはスニーカーを履き、仕事用のハイヒールは別で用意したりもしていました。あとは、ワークブーツやエンジニアブーツを合わせてカジュアルダウンするのも可愛いです。ブーツなら雨の日もあまり気にならないですよ」
2:コンビネゾン

「ラグ&ボーン」のコンビネゾンとTシャツには、「イザベル マラン」のジャケットと「ボッテガ・ヴェネタ」のハイヒールを合わせて仕事モードに。バッグは「シャネル」。
「コンビネゾンも、あれこれスタイリングせずともおしゃれに見えます。中でも、デニム素材のものが重宝しました。
上に上質なジャケットを羽織れば、仕事にも行ける。中にTシャツやランニングを着て、上半身は腰で巻いて着たりもしていましたね。1着でいろいろ応用が効きますよ」
3:白いトップス×黒パンツかデニム

写真中央がエイミーさん。「ボッテガ・ヴェネタ」のポロシャツに「トーテム」の黒パンツ、オフホワイトのジャケットを羽織って。
「定番同士のシンプルな組み合わせに、私は上質なジャケットやトレンド感のある小物を合わせていました。ただし、シンプルだからこそ気をつけたいポイントがあります。
トップスは、手頃なものでいいので、毎年アップデートしましょう。『ユニクロ』『無印良品』『しまむら』もアリです。なぜならとくに白いトップスは、清潔感が重要だから。襟元がくたくただったり、汚れていたり、不潔だと疲れているように見えるんですよね。私は、去年のものはセーターの下に着たり部屋着にしたりします」

「ヴィクトリア ベッカム」のTシャツに「メゾン マルジェラ」のデニム。こちらも足元は「ロエベ」のハイヒール。小物使いもポイント。バッグは「エルメス」。
「あとは、トレンドを知ることと、自分の体型に合っていることも大事。ひと口にTシャツといっても、肩の位置や丈など、毎年微妙にシルエットが変わります。デニムもウエストの位置や丈の長さが変わって、毎年いろいろな形が出ますね。ただ、トレンドだからといって、それを選べばOKではありません。着た姿がキレイに見えるのなら、『リーバイス』501のような定番でも十分すてきですよ」
目指すは70点
null「そうそう、靴の汚れやすり減りも、不潔に見えるので気をつけましょうね」とエイミーさん。子育てて自分にかける時間が少なくても、美は細部に宿る! エイミーさんが実践されていたリアルな子育てファッションは、今日から真似できそうです。
「対外的にも子どもにも、“そこはかとなく漂ういい香りのママ”でいることは記憶に残るはずです。目指すは70点。でも、子ども育てて仕事して70点が取れたら、もう完璧だと思いますよ」
先輩ママのエイミーさんに、次回は“おしゃれに見えるコツ”を伺います。
龍淵絵美(たつぶちえみ)さん
ファッション・ディレクター。モード誌のエディターとして出版社勤務を経てフリーランスに。2025年3月現在はブランド・ディレクション業でも活躍。15歳、12歳の女の子のママ。『VERY NaVY』にて「1970年代以降生まれの新・Beautiful Aging 50代のロールモデルがいない!?」を連載中。
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朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote