パッと見、定番アイテムに見えますが、実は…
null第6回は、「コーエン」の「パネルボーダーチュニック」です。はい、こちら!
いつもアイテムを選ぶときは、せっかくの4ケタプライスだからと、ベーシックというよりは、ちょっと挑戦してみたいものを意識しているのですが、今回はボーダーカットソー。それも王道のブルー(正式な商品名はコバルト)。ですが、実はこちら、かなりサイズ感が大きいんです。広げると笑っちゃうくらい。
写真の枠内に収まりませんでした(笑)。
身幅もたっぷりあるし、着丈も、身長156㎝の私が着てヒップが隠れるくらい。
ゆとりありまくりなんですが、このバランスがなんだか新鮮。ボーダーカットソーで有名なブランドからも、同じようなアイテムは出ているんですけど、それがこのプライスで試せるならいいですよね。
kufura読者の方もそうだと思いますが、ボーダーカットソーって、みんなにとっての定番ワードローブ。
世代、性別、体型、職業を問わず愛されています。時代もあまり問わない。
漫画家の楳図かずお先生なんて、スティーブ・ジョブズばりに制服化させていますし(あ、楳図先生のほうが年上か!)、思えば『ウォーリーをさがせ!』もそうでした。ボーダーカットソー、恐るべし。
だからこそ、なのですが、ボーダーカットソーを着ると、人とカブることが圧倒的に多いんです。私は仕事相手に、毎日ボーダーを着ている男性がいるのですが、彼と会うときは絶対に避けています。ご時世的に今はほとんどありませんが、一緒にランチに行くのとか恥ずかしくて(笑)。
とは言うものの、やっぱりボーダーってかわいいし、着たい思いはある。だったらシルエットで変化をつけてみるのも、ひとつの手ではないでしょうか。ここまでのビッグシルエットはあまり見かけませんし、定番でありながら、今っぽさも手に入るというのもうれしい。ボーダーカットソーにマンネリ化を感じている人はぜひ!
ビッグサイズを生かしたボーダースタイル×2
nullでは、ビッグサイズのボーダーカットソーはどう着たらいいの……?という疑問なのですが、実際にコーディネートしてみたところ、さほど難しくはありませんでした。
シルエットにゆとりがあるぶん、ラフにしすぎないのがポイントでしょうか。前回(【連載vol.5】脱「ほっこり」で洗練見え!「BEAMS BOY」のイエローカーディガン)のテーマと同じですね、脱ほっこり!
【Style01】デニムとの王道コンビは小物でクラスアップ
“ボーダー×デニム”という、「いったい何人の国民とカブるんだ」という禁断コーディネートを、あえてしてみました。だって避けることはできないし。
こだわったのは小物使いで、ラグジュアリー感のあるチェーンバッグという、私としてはMAXにトガッた選択。時計もレザーベルト、足元もローファーと、ボトムがデニムな分、小物はカジュアルな要素を徹底的になくして、ドヤ感を出しています。ちなみにデニムは前回のコラムでも使用した、すそを自分でカットしたものです。ここでもちょっとだけ“ドヤ”をプラス。
【Style02】ビッグシルエットを生かしてワンピースと重ねても
ちょっと変化球な着こなしなのですが、カットソーにかなりゆとりがあるので、インに何かを着てもいいのかなと。
で、思いついたのがシャツワンピース。色はオレンジを選びましたが、そこはあまり決め込まなくてよく、白でもブルーでも、黒でもかわいい。
カットソーが長いので、のっぺりした印象が気になったら、胸元にロングネックレス(今回はパール)をすると、間延びしないのではないでしょうか。足元はボーダーの雰囲気を拾ってスニーカーにしましたが、バッグはカジュアル感を抑えるためにレザーを。このあたりも好みなので、かごバッグなどで軽やかにコーディネートするのも、素敵だと思います。
ボーダーの着こなしってまだまだ可能性大!
nullコーディネートしてみて感じたのは、みんなが着るボーダーだからこそ、頭でっかちにならず、面白い組み合わせをしてみると、着こなしの幅が広がるということ。そしてそれを受け止める懐の深さが、ボーダーにはちゃんとあるんです。
シルエットも、「ビッグトップスにはスリムボトム」という黄金ルールから一度外れてみると、先程のシャツワンピースのように、新しい組み合わせが発見できるのではないでしょうか。
私はこのカットソー、冬まで着こなしの構想があるんです。黒のタートルネックのニットをインしたら、きっと可愛いはず! 定番アイテムであればあるほど、自由な気持ちで着こなしたいですね。
今回も、いいお買い物できました!
editor_kao
エディター。大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ウエブマガジン「みんなの暮らし日記ONLINE」でコラム『30〜40代、「いつもの服が似合わなくなった」と思う人の服選び』も連載中。