IHクッキングヒーターは火力アップ&グリル庫内のフラット化でさらに使いやすく進化
IHクッキングヒーターは火力アップ&グリル庫内のフラット化でさらに使いやすく進化一般社団法人日本電機工業会の発表によると、2023年8月までに累計約1,660万台普及。普及の理由はIHクッキングヒーターの火を使わないことによる安全性や使い勝手の向上が挙げられます。
調理中の火によるやけどなどの事故が減ること、火をつけたまま忘れてしまうなどのうっかりミスからのトラブルを予防することにもつながっています。
使い勝手の面では、IHクッキングヒーターの登場当初に言われていた火力不足が実は解消されていること。例えば2008年のモデルでは3.0kWだった左右IHの最大火力が、2023年のモデルでは3.2kWに向上。これは、夜にちょっとカップラーメン食べたい、温かい飲み物が飲みたいとなったときにお湯を沸かすときに要する時間がぐっと短くなっています。内蔵グリルでは、庫内に段差があって掃除しにくかったものが、ユーザーの声を受けて各社フラットな庫内を現在は採用。
そしてメーカーごとにさらにユーザーにとって使いやすいものという機能を加えて販売されています。ここからは、パナソニック・日立・三菱電機の3社のビルトイン型IHクッキングヒーターの最新機能をチェックしてみましょう。
【パナソニック】お鍋が入るグリルでテーブル直行メニューもIHで簡単調理
【パナソニック】お鍋が入るグリルでテーブル直行メニューもIHで簡単調理パナソニックのIHクッキングヒーターは市場参入は早く、1990年。そこから様々な機能を搭載し、進化させてきましたが代表的な機能としてトッププレートの「光火力センサー」とグリルの「ラクッキングリル」の2つをご紹介します。
「光火力センサー」は鍋やフライパンでの調理の際の操作パネルが火力の調整から温度の調整へ、さらにメニューで選択に変化するなかで重要となっている機能です。調理温度や時間をおまかせにできるのは光火力センサーが鍋底の温度を直接センシング。鍋の温度変化を細かくチェックしなくても、自動で強弱つけてくれるのです。
「ラクッキングリル」は、その名の通り、グリル調理の面倒な点を省いたもの。天井面もフラットで、庫内をまるごと拭き掃除OKでお手入れも簡単。庫内の高さ最大101㎜で、高さのある食材やグリルで使用できるものであればお鍋もそのまま入れられます。調理も温度帯が広いので、ローストビーフなどの80℃から280℃までの高温調理まで簡単に焼き上げられます。
同梱の焼き網のないグリル皿以外にも、グリルにぴったりサイズの「ビタクラフト ダブルグリル」などの専用鍋も販売されています。
【三菱電機】電子レンジとしても使えるグリルで料理の幅アップ&時短調理
【三菱電機】電子レンジとしても使えるグリルで料理の幅アップ&時短調理三菱電機のIHクッキングヒーターの大きな特徴は、加熱しながら自動でかき混ぜてくれる「びっくリングIH」とグリル部分に業界初の電子レンジを搭載したIHクッキングヒーター「レンジグリルIH」。
「びっくリングIH」は、その名の通り、大きなリング状のコイルを搭載したトッププレート。そもそもIH調理とは、磁力発生コイルによって鍋やフライパンそのものを発熱させる仕組み。三菱電機の通常のタイプのリングコイルが直径20cmなのに対し、びっくリングコイルは直径26cm。自動で加熱と停止を繰り返し、最適なかきまぜ効果のある交互対流を起こすことで煮崩れや焦げつきを防いでくれます。
「レンジグリルIH」はグリル機能に加えて、電子レンジとしても使えるグリル。2つの使い分けだけでなく、両方組み合わせで使えるメニューもあるのが特徴です。レンジ&グリルの同時調理で、例えば冷凍の鮭を解凍せずにグリルあみに並べて焼き上げることができます。また、「リレー調理」ではIH加熱とグリル加熱をメニューを選ぶだけでそれぞれの適切な時間で調理。難しい食材内部までの火加減も自動で調整、さらに組み合わせることで時短調理にもつながっています。
【日立】グリルカメラ&カラータッチ液晶で安心おまかせ調理
【日立】グリルカメラ&カラータッチ液晶で安心おまかせ調理日立のIHクッキングヒーターでは、楽においしく調理ができる「ラク旨クッキング」を提唱。食材、調味料と水を入れた鍋・フライパンを用意してメニュー・時間を選ぶだけで料理ができるIH調理の「おまかせIH」や、肉・魚と野菜を並べて、あとはおまかせで焼き上げるグリル調理の「おまかせワンプレ調理」「旨美焼き」など多彩な調理メニューを採用しています。さらに、グリル調理では、内蔵カメラ「グリルカメラ」が調理中の様子を動画で撮影し、天面の画面で確認できます。
特に「グリルカメラ」は、庫内の様子をトッププレートの「カラータッチ液晶」でリアルタイムでチェックできるというもの。オート調理中でも、自分好みの仕上がりにしたいときに火力を調節したり、早めに出すなどのチェックができます。また、パンがふくらむ様子など、焼きあがる過程は見ているとワクワクしてきます。また、画面はトッププレートについているので、庫内の様子をかがんでのぞいたり、ドアを開けることなくチェックできるのも楽。取っ手がとれる直径26cmまでのフライパンを使ってIHヒーターで下準備したらフライパンごとグリルに入れて焼きあげる「連携調理」では、グリルでじっくり中まで火を通すので、ハンバーグをふっくら焼き上げるのにおすすめです。
トッププレートの操作パネルには、2023年10月発売の最新モデルからカラータッチ液晶を採用。火力や調理メニュー、タイマー設定などを大きなカラー画面で直感的に操作できてより使いやすくなっています。
IHクッキングヒーターをすでに使っている人も、その進化にはびっくりしたのではないでしょうか。自宅キッチンのIHクッキングヒーターへのアップデートを検討している人は、日々の料理のなかでどんなことに困っているかをまず整理。それから、各メーカーが取り入れている機能で自分のスタイルに合うものを選んでみるのがよさそうですね。
大阪生まれ。IT系出版社に勤務後、「女性にもITをもっと分かりやすく伝えたい!」とIT系編集・ライターとして独立したはずが、生来の好奇心の強さとフットワークの軽さから、気が付けばトレンドライターとして幅広いジャンルを取材・執筆するように。商業施設や店舗の出店や話題の新商品など、時流にまつわるできごとをさまざまな切り口で伝えています。