子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

昭和レトロにキュン!「タイガー魔法瓶」100周年記念レトロ柄復刻シリーズが可愛すぎた

昭和の時代、花柄や幾何学模様などがデザインされた家電がポピュラーだったのをご存じですか? 今年、100周年を迎えた『タイガー魔法瓶』が、昭和時代に販売していたレトロデザイン家電を復刻販売しています。

昭和40~50年代に一世を風靡した、オシャレ家電

null
発売当初のストライプ柄魔法瓶。
発売当初の花柄電子ジャー。

昭和の時代、花柄は女性たちに幅広く支持されていました。高度経済成長とも相まって、明るいムードの世相のもと、家庭に花を飾るように、家電にも花が彩られていたのです。『主婦の友』『主婦と生活』など、主婦向け雑誌が飛ぶように売れた時代、主婦層が台所や茶の間を素敵に見せようと、ちょっと洒落た家電を選んだのもわかるような気がします。

タイガー魔法瓶も流れに乗って、テキスタイルデザインの第一人者、関留辰雄(せきどめたつお)氏による花柄デザインを1967年(昭和42年)からポットのボディにあしらい、1970年(昭和45年)発売の電気ジャー第1号「電気ジャー<炊きたて>EL 型」にも花柄を採用しました。

ちなみにタイガー魔法瓶100年で、一番エポックメイキングだった家電は「電子ジャー」だったのだそう。

「100年間で一番ヒットといいますと、市場の変動や、ライフスタイルの変化もあり、一概には言えないのですが、歴史的にインパクトのあった商品でいうと、1971年より発売しました『電子ジャー<炊きたて>』であると考えてます。

それ以前は、当社は祖業の魔法瓶中心の商品展開でしたが、ご飯を保温する電子ジャーを販売し、あったかいごはんが時間が経っても食べられるとして、発売1年後には100万台を突破し、翌年には20社近くがしのぎを削る激しい電子ジャー市場でヒット商品となり、一躍トップブランドに。

1973年には電子ジャー市場でシェアの約50%を占め、発売から3年で首位の座につきました。ヒットの理由としては、

  1. 使い勝手と機能(コードリール式など)
  2. デザイン面で斬新な花柄を採用
  3. CMでの“タイガー電子ジャー炊きたてのメロディー

のためと考えております」(タイガー魔法瓶 広報宣伝チーム・林優紀さん)

昭和レトロブームに乗って、復刻!

null

復刻販売される「VE電気まほうびん」。

昭和レトロブームのいま、当時のデザインは注目を集めています。そんな流れに乗って、今回の復刻が決まったのだとか。なお、復刻デザインは人気の高かった「花柄(ポピー)」と「オレンジストライプ」の2つです。

実は花柄だけではなく、幾何学模様やストライプなどのパターン柄も人気がありました。ストライプ柄は1970年代後半にオレンジ・グリーン・レッドなどのカラー展開で登場。戦後世代、いわゆる昭和20年代生まれの人たちが 20~30代の時期に、核家族化の進展と相まって新しい家庭生活のスタイルを楽しむファミリー層が生まれました。こうした世代からは、台所や食卓が豊かで彩りのある魅力的なスペースになる調理器具が求められ、カラフルで幾何学的な模様が流行したそうです。そういえば、昭和を舞台にした朝ドラなどの家具で、見かけたような気がします。

他にも多数デザインがある中、どうしてこの2柄になったのでしょうか? レトロ柄復刻シリーズの商品企画担当・竹内知子さんとデザイン担当の長谷川千波さんにお話を伺いました。

「当社が今年で100周年というタイミングで、タイガーの歴史と今、未来をつなぐ商品『100周年記念モデル』を検討しました。当社の歴史を語るうえで避けては通れない、1970年代~80年代に様々な商品群に広く展開され人気をいただいた“花柄”と“ストライプ柄”をぜひ復刻したい、という思いで、この2柄を選定しました」(竹内さん)

「ポピー柄は、数ある花柄の中でも定番で、現代にも通じる柄を選びました。花柄全盛期の時代は、本体に大きくあしらった花柄が人気でしたが、今回のシリーズでは令和の時代にも受け入れられるよう、
当時よりも花柄をやや小さく配置するなど工夫をしております。

ストライプ柄は、昭和の時代に幾何学的な模様の調理家電としてシリーズ化され、中でも特に定番として人気のあったストライプ柄は、カプセルトイでも復活するなど現代にも受け入れられる柄として選びました。当時はグリーンやオレンジなどカラフルな展開がありましたが、今回はポピー柄に合わせ、明るく元気を与える暖色系のオレンジカラーを採用しました」(長谷川さん)

実際1975年(昭和50年)頃、小花模様からポピーをはじめとする大柄の花柄に流行がシフト。花柄のよしあしで売上が変わっていた時代に、明るく鮮やかなポピーは大変人気があったとか。赤く愛らしいデザインはユーザーの記憶に残る、昭和レトロの代表と言っても過言ではありません。

オレンジストライプ柄は1977年(昭和52年)に初めて登場し、1979年4月(昭和54年)にはストライプ柄を含む電気製品 7点をシリーズ化して一挙に発売。カラーコーディネートができて、台所に美しく調和するフレッシュな感覚のデザインとして人気があったそうです。

6月21日からオンラインで限定販売

null

今回、公式オンラインストアのみで数量限定で販売されるアイテムは、ジャー炊飯器、蒸気レス電気ケトル、VE 電気まほうびん、ホットプレート、真空断熱のステンレスポット、真空断熱ボトル2種、真空断熱フードジャーの全8種です。

すべて6月21日から販売、真空断熱ステンレスポット(オレンジストライプ柄)のみ8月21日からの販売となっています。

花柄(ポピー)とオレンジストライプの2種類で登場。

復刻を記念して、6月21日(水)から7月4日(火)まで、代官山・六本木・梅田の蔦屋書店にて「タイガー魔法瓶創立100周年記念 タイガーレトロコレクション」が開催されます。

「食卓にこころ踊る色を、柄を」をテーマに、昭和の時代を思い起こすレトロ雑貨や書籍と共に、新商品のレトロ柄復刻シリーズ全15点を展示しています。本を購入した方には、ポピー柄のブックカバーを数量限定で配布するとか。復刻シリーズが気になる方も、昭和レトロがお好きな方もぜひ会場に足を運んでみては?

レトロ柄復刻シリーズ特集ページ

蔦屋書店特集ページ

復刻シリーズは、今後もある?

null

昭和レトロの可愛いシリーズ、今後このようなデザインシリーズを新規で展開する予定はあるのでしょうか? 前出の竹内さんに質問してみたところ、

「復刻の“柄”のシリーズは現在のところ考えておりませんが、今後様々なライフスタイルに合わせた商品やデザインのシリーズ展開を検討していきたいと考えております。
製品の美しさは、ユーザーの方の高揚感や使う喜びに直結するものですので、美しいデザインにより、調理の時間を楽しいひとときに変えることや、愛着を持って使っていただければと考えております」

とのこと。

今後のデザインにも要注目ですね。

【取材協力】
タイガー魔法瓶

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載