具体的な回答結果をご紹介する前に、レジ袋が“減ってよかったこと”よりも“悪かったこと”のほうが回答の理由が多岐にわたっていたことを踏まえつつ、皆さんの回答をご紹介していきます。
レジ袋が減ってよかったことは?
nullそれでは、まず最初にレジ袋が減って“よかったこと”について寄せられた回答ご紹介します。
(1)レジ袋ストックの収納・管理がラクになった
「捨てられなかったたくさんのレジ袋を使うようになってなくなってすっきりした」(59歳・総務・人事・事務)
「ゴミ袋用にレジ袋は必要ではあるのですが、以前はストックが多すぎて保管場所にこまってたけど、最近は適度な量におさまってよかったです」(53歳・主婦)
(2) マイバッグを持ち歩く習慣ができた
「マイバッグを欠かさず持ち歩くようになり、活用できています」(49歳・金融関係)
「ちょっとしたものだと袋を使わずエコバッグを使う習慣ができた」(25歳・営業・販売)
(3) ゴミの量を減らすように意識するようになった
「ゴミを減らす努力をしています」(48歳・主婦)
「ゴミの量が全体的に減ったような気がする」(48歳・営業・販売)
(4) 路上に捨てられるレジ袋が減った
「道端のレジ袋ゴミが格段に減った」(33歳・企画・マーケティング)
「道に袋のゴミが落ちているのを見かけなくなった(34歳・その他)
(5)レジ袋をこれまで以上に大事に使うようになった
「レジ袋を大切に使うという意識が高まった。前はゴミ袋という観点でとらえていたので、使い捨て感覚でどんどん捨ててしまっていた」(34歳・主婦)
不要なレジ袋をもらう機会が減り、必要な分だけストックしておくようになった、エコバッグを持つ習慣がついたといった声が寄せられました。
管轄省庁の特設サイト「レジ袋チャレンジ」を参照すると、レジ袋有料化の目的はプラスチック廃棄量の削減。まずは身近なレジ袋をきっかけに環境意識を高め、他のプラスチックごみの削減に広げていくことを狙いとしています。
その点では、レジ袋を減らすことでプラスチックごみや家庭ごみの削減につながっている家庭も見受けられましたが、これからご紹介する批判的な声を見ると、必ずしもプラスチック廃棄量の削減につながっていないケースも見受けられました。
日常生活の中からレジ袋が減って「悪かったこと」は?
nullそれでは続いて、日常生活においてレジ袋が減って“悪かったこと”についてお届けします。多く集まった8つの理由をご紹介します。
(1)ゴミ箱にかける袋を購入するようになった
「家庭のゴミ箱にセットする袋がなくて、結局買っている」(41歳・総務・人事・事務)
「ゴミ箱にかける袋がないので、そのために購入する」(55歳・主婦)
「部屋のゴミ箱にかぶせるのに必要なので、わざわざ『レジ袋100枚入り』を購入しました」(53歳・主婦)
(2)生ごみ処理の際に不便
「毎日の生ごみ用の袋を、100円均一で自分で購入しなくてはならなくなった。外のゴミ箱にいろんな人がお弁当や割りばし等をそのまま捨てるので、ニオイや虫等も発生している」(27歳・総務・人事・事務)
「小さめのレジ袋は生ごみの処理に使っているので、ストックがなくなってくると買わなくてはならない」(52歳・主婦)
「生ゴミなどを捨てる袋がなくなり結局新品の袋を買わないとならない」(45歳・主婦)
(3)空き缶・ペットボトル・生ごみなど「ゴミ出し」の際に不便
「ゴミ出しのためにビニール袋を購入するようになった」(40歳・その他)
「やはりゴミ出しがあると何かと使う場面があるので少し不便だ」(38歳・営業・販売)
(4) マイバッグに荷物が入りきらない
「持っているマイバックの大きさに合わせた量しか買えなくなった」(53歳・営業・販売)
「ショルダーバッグに常備しているマイバッグの容量が足りなくて困ったことがある」(57歳・その他)
(5) マイバッグの汚れが気になる
「汁もれなどにより、エコバッグを清潔に保つ必要があること」(44歳・その他)
「汁ものが買いづらい」(58歳・主婦)
(6)サッカー台の無料ポリ袋の使用量が増えた
「マイバッグを洗うのが面倒で、マイバッグをできるだけ汚さないように、ついサッカー台のビニール袋に入れてしまう」(52歳・その他)
「食品から汁が漏れたときの予防に透明のビニール袋を使う頻度が増えたように思います」(46歳・その他)
(7)学校・園の持ち物でレジ袋が必要なことがある
「学校で持ち物の中に書かれていると、買わないといけない」(40歳・主婦)
「子どもの持ち物や濡れた物の持ち帰り、ごみ捨ての小分けの際には、やはりレジ袋があるととても便利です」(40歳・その他)
(8) マイバッグを忘れたときに凹む
「マイバッグを忘れたときに袋代がかかって来て少し損した気分になる」(30歳・ 金融関係)
「マイバッグを忘れて出かけるとプチショックを受けること」(29歳・その他)
レジ袋って、ムダに捨てられていた物もあったのでしょうが、生活・家事のあらゆる場面で活躍していたんですね……。家事を担う人にとっては、1度使って捨てる物ではなく、“お役立ちグッズ”の一面もあったようです。
レジ袋が有料になった一方で、発泡スチロールの容器に入った肉を包むためにサッカー台のポリ袋を好きなだけ使い、以前と変わらずプラスチック容器の飲料や調味料を買い、雨の日にはスーパーの入り口で傘袋のゴミの山を見かけると、レジ袋が有料になっていることに矛盾を感じることもあるのかもしれません。
また、識者からは、マイバッグを使っているだけで環境対策をしている“つもり”なってしまうことへの警鐘の声も聞かれます。
いずれにせよ、プラスチックの廃棄量は、深刻な問題。レジ袋の有料化が、1人1人の環境意識にどれほどの影響を与えたのかは、まだ未知数であるようです。