4人家族の食費。1カ月の平均額は約10万円
nullこの記事では、「家族4人暮らし」の場合の「1カ月あたり」の食費を例に、平均的な数値を見ていきます。
データは総務省統計局が公開している調査結果のうち、「世帯人員別」(家族の人数別)の統計から引用したもの。
家族4人暮らしの場合、2024年7~9月期の食費は、外食費を含めて1カ月あたり平均9万7,396円で、約10万円でした。内訳は以下の通りです。
(※他のデータが知りたい場合は、総務省統計局のデータベース「e-Start」内の「家計調査」の項目から、都道府県/世帯主の年齢/夫婦の就労状況など、カテゴリごとの食費を調べることができます。)
【4人家族の1カ月あたりの食費 2024年(7~9月期)】
- 穀類・・・8,632円
- 魚介類・・・5,010円
- 肉類・・・9,886円
- 乳卵類・・・4,735円
- 野菜・海藻・・・8,647円
- 果物・・・2,691円
- 油脂・調味料・・・4,176円
- 菓子類・・・9,088円
- 調理食品・・・1万3,747円
- 飲料・・・6,725円
- 酒類・・・3,230円
- 外食・・・2万829円
- 合計・・・9万7,396円
合計や内訳を見て、自分の家庭と比べて「高い」と感じた方も「安い」と感じた方もいらっしゃると思います。
参考までに、同時期の家族の人数別の食費は以下の通りでした。
【世帯人員別の1カ月あたりの食費 2024年(7~9月期)】
1人暮らし・・・4万4,108円(うち、外食費1万607円)
2人家族・・・7万5,716円(うち外食費1万679円)
3人家族・・・8万8,383円(うち外食費1万4,967円)
4人家族・・・9万7,396円(うち外食費2万829円)
5人家族・・・10万4,903円(うち外食費2万745円)
食費の平均額、2年間でどのくらい増えている?
null続いて、食費の変化に着目していきます。物価高が顕著になった2022年から、食費はどのくらい値上がりしているのでしょうか。
2022年、2023年、2024年の同時期の4人家族の食費を並べてみます。
【4人家族の1カ月あたりの食費 2022年~2024年(7~9月期)】
◆2022年7月~9月・・・8万9,853円/月(うち外食費1万6,640円)
◆2023年7月~9月・・・9万2,993円/月(うち外食費1万8,121円)
◆2024年7月~9月・・・9万7,396円/月(うち外食費2万829円)
2022年と2024年の同時期の食費の平均額を比較すると、2年間で7,543円増加しています。また、生活費に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」も2年間で増加しています。
この記事を読んでいる方も、食材の値上げを日常的に実感されていると思います。
岐阜大学の副学長で「家庭経済学」や「家庭経営学」の講義を担当する大藪千穂教授は、食材の値上がりが消費者の意識に与える影響について、以下のように指摘しています。
「食費は、物価高騰の負担感を特に実感しやすい費目です。他の費目と比べて支払い回数や購入品数が多く、支払い時にその都度金額を確認するので、“前より高くなった”と感じる頻度も多くなります。消費者は、食費の値上がりにとても敏感です」
食費は、物価高騰の負担を実感する機会が多いため、「もっともっと安くしなければならない」という意識が駆り立てられやすい側面もあるようです。
そのような食費の一面もふまえ、次回の記事では「食費を無理なく抑えるためのアプローチ」や「心を削られない食費管理の心得」について、大藪先生にお話をうかがいます。
※記事内の金額はすべて税込みです。
【参考】
総務省統計局「家計調査報告 四半期(2024年7~9月、2023年7~9月、2022年7~9月)」 最終参照日:2024/12/05
【取材協力・監修】
大藪 千穂(おおやぶ ちほ)
岐阜大学教育学部教授、副学長。兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科教授を兼任。
京都市生まれ。京都ノートルダム女子大学文学部卒業。大阪市立大学生活科学大学院博士課程単位取得修了(学術博士)。専門は生活経済学(家計分析、消費者教育)、環境とライフスタイル論(アーミッシュ研究)。
自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作な