子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

食費が月に8万→2万に!30代2児のママのシンプル節約術は「1週間ごとの予算振り分け」と「千円札」で【連載・節約のくふう】

物価高の今。「家計を見直さなきゃとは感じているけれど、家計簿をきっちりつけようと思ってもなかなか続かなくて……。」そんなあなたと一緒に、一般の人からファイナンシャルプランナーまでさまざまな人の「家計管理テクニック」を学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。

元“汚部屋の住人”だったという海老原さん。それが今や、「整理収納アドバイザー」や「3COINSマニア」「カインズマニア」としてTV出演するまでに!

第1回は、家族の月の食費を2万円~2万3,000円におさえているという、「kufuraメンバーズ・プロ」(=kufura公式アンバサダー)の海老原葉月さんにインタビュー。もともとご自身も「お金があったらあった分だけ使っちゃうタイプ」で、以前の食費は月8万円だったとか……?

8万円→2万円へと劇的に減らした秘訣は、ゲーム感覚で「続けやすいやり方」を見つけることだと言います。

食費などの「予算振り分け」を決めて、無理せず節約する仕組みづくりを!

null

「私はもともと、お金があればある分だけ洋服や娯楽に使ってしまうタイプで、結婚時の貯金は3万円しかありませんでした。当時は部屋も汚くて、夫と2人、机に積まれた物をかき分けて食事をしていた思い出があります……。

当時は夫が家計全体を管理していて、食事や日用品の予算を私が受け取って使うというシステム。1カ月分の予算を月の前半で早々に使い切ってしまい、でも夫に“追加予算をください”とも言いづらくて、少ない貯金に手をつけながら自転車操業のようになっていました。

さらにそんななか、夫の収入が半減。この状況はさすがにマズい!と、ようやく本腰を入れて、家計管理に取り組み始めたんです。

最初にやったのは“キッチンの片づけ”。まずは買った食材をちゃんと使い切るというところから始めて、少しずつ家計を改善していきました」(以下「」内、海老原さん)

こちらが予算振り分け表。実際に使った分をメモしていくのもこの紙なんだそう。

「それまでは、家計簿をつけるのも苦手でした。いざつけ始めても、10円単位できっちりやろうとして、細かいところが合わないのが嫌になってしまったり……。

そんな私が、今やっているメインの家計管理は“月の頭の予算振り分け”。1カ月を土曜始まりで1週間ごとに分け、家族のイベント事もメモしながら、週ごとの“食費”の予算配分を決めるんです。

あとから1カ月分まとめて記録するのに比べて、先に週ごとに分けておくこの方法は、スパンが短い分、断然続きやすいと感じます。

予算配分では、“食費”とそれ以外の“日用品費”や“子ども費”、“娯楽費”は別でとっておくのがおすすめ。あらかじめ区別して考えることで“日用品を買いすぎてごはん代が足りない”といった失敗を防げます。ちなみに、“食費”以外は月単位で管理しています。

そしてもう1つ、大事なポイントが“ちょっと余裕のある予算組み”にすること。私の場合、“日用品費”と“子ども費”として、ちょっと多めに毎月各1万円を確保しています。予算にゆとりを作っておくことで、たとえ食費がちょっと予算オーバーになっても、月全体としてはちょっとプラスで、翌月に繰り越せるような金額設定を目指します」

使っているアイテムを拝見!家計関連は、すべて1つのボックスへ

null
家計管理で使うものを収納するボックス。
予算はすべて1,000円札にすると管理しやすい!

「すぐ取り出せるように、家計関連のものはすべて1つのボックスにしまっています。週ごとの振り分けには、『ダイソー』のセクションファイルを活用し、テプラでラベルをつけています。

月の予算は毎月、全部1,000円札にしておろしています。1万円札や5,000円札だと、週ごとの金額で分けるのが大変な上、くずすために無駄な買い物をしてしまう危険も。私が使っているゆうちょ銀行のATMでは、おろす際に“2万円”を“20千円”のように入力すると、1,000円札で引き出すことができますよ。

“食費”は管理しやすいように、クレジットカードや電子マネーを使わず、全て現金払い。“日用品費”や“子ども費”も、オンラインで購入する一部のものを除いて、基本的には現金払いにしています」

その週の食費を入れるのに使っている、持ち歩き用のお財布。

「その週の分の食費を小さめのお財布に入れ、普段持ち歩くのはこれ1つに。“日用品費”や“子ども費”は別のクリアケースに1カ月分まとめて入れておいて、必要な時だけ持っていく形にしています。

“今日は日用品・子ども費のお財布がないから、買うのは今度にしよう”というように、意図的に、自分自身を誘惑から遠ざける仕組みをつくるイメージですね。

週のはじめの買い物はスーパーですが、それ以外の買い足しはドラッグストアで。商品数が少ないためムダ買いせずに済みますし、スーパーより安い商品もたくさん。

食材の宅配サービスは、何を買ったか忘れてダブってしまうことが多かったので、今はビールを箱で頼む時くらいしか使っていません。チラシ類も、誘惑が勝ってしまうのであえて見ないようにしています」

海老原家の、毎月のお金の流れをまとめたものがこちら。残った分はすべて、繰り越し用のケースへ。

海老原家では、月の頭に“食費”と“日用品費・子ども費”をそれぞれのファイルやクリアケースに振り分け。そして、月の最後に残った分は、すべて繰り越し用のケースに移すんだそう。

「私にとって、食費のやりくりはずっと実験の繰り返し。食材の値上げや子どもの成長にあわせて、いつも“予算オーバーを防ぐための作戦会議”をしている感覚です。

例えば以前は家族4人で2万2,000円だった食費を、子どもが食べる量が増えたのにあわせて2万3,000円にしたり、夫が単身赴任になって1万8,000円に下げたり……。紆余曲折を経て、今は3人で2万円~2万3,000円で管理しています。

クリスマスやお正月などで予算が足りなくなったら、前月までの繰り越し分を活用。“最終的に、銀行のお金に手をつけなければOK!”くらいの気持ちで、臨機応変にやっています。余計なものを買わなくなったことで、食生活もむしろ以前より健康的になったんですよ」

「しんどい家計管理」から「思いっきり楽しむための家計管理」に意識をチェンジ!

null
職場見学を兼ね、子どもたちに仕事先に同行してもらったときの写真。上の子はごはんLOVEで、下の子はパンLOVEなんだそう。

「家計管理って、きっと思っているほどしんどいものではなくて。私がまさにそうなのですが、絶対できない!とあきらめていた人でも、自分の性格に合うやりかたさえ見つかれば、ゲームのように楽しみながら続けられるんじゃないかと思います。

私にとっての家計のゴールは、自分自身が高校の時にニュージーランドに留学させてもらったように、子どもが何かを“やりたい!”と思ったときに“いいじゃんそれ!”と言ってあげられるような準備を整えておくこと」

普段、頑張って節約しているからこそ、趣味のディズニーランドも思いっきり楽しめる!

「普段しっかり節約しているからこそ、大好きなディズニーにもよく親子で行ったりなど、節制する部分と楽しむ部分のメリハリを大事にしています。

子どもにも、なるべくお金のことは隠さず、“学校で必要なものとか、いきなりは買えないから事前に言ってね”というようにオープンに話をしています。我慢して節約するのではなく、むしろ親子で楽しみながら、これからも無理のない家計管理をしていけたらと思います」

海老原さんの【節約のくふう】をおさらい!

1:月の頭に“食費” “日用品費” “子ども費”に予算を振り分ける

2:“食費”は1週間ごとに分け、専用の財布で週の分だけ持ち歩く

3:月の予算はすべて1,000円札で管理。クレカや電子マネーは極力避ける

4:残った予算は繰り越し用ケースに入れ、必要な時のためにとっておく

5:臨機応変に予算を見直しながら、無理のない家計管理を

節約を極めている人って、てっきりとても自分に厳しいのかと思いきや……海老原さんは、インタビュー中も終始、楽しそうに節約の話をしていて驚かされました。もしかしたら私たちは無意識に、“節約=無理をしてでも我慢すること”という固定概念に縛られてしまっているのかもしれませんね。

連載【私でもできる!節約のくふう】では、今後もさまざまな家計管理術を学んでいきます。次回もどうぞお楽しみに!

 

構成・文/kufura編集部
撮影/田中 麻以(小学館)


 

【教えてくれた人】

海老原 葉月(えびはら はづき)さん

整理収納アドバイザー/3COINSマニア、カインズマニア/kufuraメンバーズ・プロ。

元“汚部屋の住人”から整理収納アドバイザーへ転身し、仕組みを整える節約術を発信。「ヒルナンデス!」「ラヴィット!」など、多数のテレビにも出演している。現在10歳と7歳、2人の男の子の子育て真っ最中。

→Instagram (@hazuki39home

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載