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レシピを見ないと料理が作れない私。「適量」ってどのくらい?味加減が分かりません 【平野レミの痛快!人生相談#10】

悩み多き人生に楽観と笑顔を! 料理愛好家で人生のエキスパート・平野レミさんが、あなたの「困った」「辛い」「どうしたらいいの?」に痛快&実用的アドバイスでお答えします。

「レシピを見ないと調味ができず、料理が作れません。ささっとおいしい料理を作れる人がうらやましい」(栃木県在住Tさん・38歳・主婦)

料理は嫌いではないのですが、レシピを見ないと調味ができず、料理が作れません。さらに「塩/適量」とあると、適量ってどのくらいなのかモヤッとします。「味つけはいつもテキトーよ」と言いつつ、ささっとおいしい料理を作っちゃうママ友がうらやましい……。どうすれば私も味加減がうまくできるようになりますか?(栃木県在住Tさん・38歳・主婦)

“適量”とは、自分の味覚に「適」した「量」のことです

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「適量」「少量」……これね、じつは料理の先生には格好の逃げ口上なんです(笑)。

いえ、「どうでもいい」ってことじゃないのよ。ただ、料理本にあるレシピの調味は、あくまでその料理家が「おいしい」としている基準。だって、誰がそのレシピで料理するかは分からないし、その人たちの味覚はわからないんだもの。塩とかしょうゆとか、あるいはみそなど味を決める調味料は大さじ・小さじで計れても、それだって“目安”でしかないわけで、メーカーが違えば味も変わってくるのよ。香味野菜や香辛料となると、もうそれは作る人の好み。つまりは、レシピにある分量を目安に「ご自分の味覚に合った味つけにしてくださいね」ということ。

だから、「レシピを見ないと料理が作れない」なんて、悩む必要はぜーんぜんありません。そのために私たちがいるんだから(笑)。レシピ通りに作っていくうちに、「私はもうちょっと砂糖を入れたいな」とか「このしょうゆの分量だと味が濃すぎるな」ってわかるようになって、レシピを見なくても味加減できたり、自分でアレンジできるようになるから。

うちのお嫁ちゃんも、レシピ本見ながら「これでいいの?」がスタートでした

あーちゃん(次男の妻で料理家の和田明日香さん)がそうだった。料理経験ゼロで結婚後、レシピ本見ながら一生懸命ごはん作って、そのうち家族の好みに合うようにアレンジするようになって、ついには自分のオリジナルレシピをまとめた料理本が大ヒットしちゃったんだもの。「味加減がうまくできるようになりたい」と、レシピ見ながら奮闘しているTさんも、心配しなくて大丈夫。

それでも、どうしても自分の味覚に自信がもてない…と不安なら、まず「だし」から始めてみてはいかがかしら?

削り節パックを使った即席だしで、味覚を鍛える!

私は、日本風の味つけの基本は「だし」にあると思っているの。だしさえちゃんと取っていれば、料理は半分できたも同然。昔はかつお節を削ってきちんとおだしを取っていたけれど、最近は便利な世の中になったから“削りぶしパック”を使うようになり、4〜5gぐらいの使い切りパックも愛用しています。

削りぶしをよ〜く揉んで粉末にして、熱湯の中に入れれば、それだけでおいしいだしが完成。そこに好きな具材を加えて、最後にしょうゆをちょっとたらせばおいしいスープができるし、みそを入れればおみそ汁になるのよね。

まず、だしだけのときに味をみて、次に具材を加えたあとの味、そして最初はちょっと控えめにしょうゆやみそを入れて、また味をみる。「しょうゆが足りないな」「塩を足してみようかな」「この具材だったらみそは足さなくていいかな」……って、ちゃんとTさんの舌が教えてくれますよ。“実験”だと思って、気楽に試行錯誤を楽しんでみてね。

 

構成・文/神史子 イラスト/やまなかゆうこ

平野レミ
平野レミ

料理愛好家・シャンソン歌手。1972年にイラストレーターの和田誠さんと結婚後、主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。数々のアイディア料理を発信中。また、「レミパン」やエプロン、調味料などの開発も手がける。エッセイ『おいしい子育て』(ポプラ社)は、第9回 料理レシピ本大賞のエッセイ賞を受賞。近著『エプロン手帖』(ポプラ社)『平野レミのオールスターレシピ』(主婦の友社)も好評発売中。https://remy.jp/

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