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家事研究家・高橋ゆきさん流!「トイレの便器のお掃除方法」内側、ふち裏、外側をピカピカに

臭いや汚れが気になるトイレは、こまめに掃除をする場所の1つだと思いますが、きちんとお掃除をしているつもりでも、いろいろなところに尿が飛び散るなどして、汚れが溜まっていることも多いもの。トイレの汚れは、あっという間に落ちにくいガンコ汚れになってしまうので、早めに対処する必要があります。

連載【家事大学 学長 高橋ゆき的お掃除の基本】37回目のテーマは「トイレの便器のお掃除」。家事研究家で株式会社ベアーズ副社長・高橋ゆきさんが学長を努める「家事大学」のテキストなどを参考に、楽しく家がきれいになる“高橋ゆき流お掃除メソッド”をご紹介。便器の内側、ふち裏、外側の汚れを楽ラク取り除くための、上手なお掃除方法を見ていきましょう。

臭い対策をしっかりして気持ちのいいトイレに!

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トイレに入った瞬間、モワッと嫌な臭いを感じることがありますが、この悪臭は尿に含まれる成分が変化した尿石の臭いです。トイレの臭いをなくすためには、まずはこの尿石をためないようにするのがいちばん。

尿は便器に付着するだけでなく、壁や床にも飛び散っています。特に、壁の下から20cm以内のエリアは、尿がもっとも飛び散りやすいゾーン。壁はもちろん、便器の前部分やその下の床についても、特に念入りに拭き掃除をする必要があります。

また、トイレにある小物類に飛び散った尿も、悪臭の原因となります。臭いのもとを取り除くためにも、トイレのスリッパやマット、便座カバーなどは、こまめに洗濯するようにしましょう。便器に便座を温める機能がついている場合は、臭い対策の観点から、なるべく便座カバーを使わないようにしたほうが、お手入れも楽でいいですよ。

お掃除の前に6つのアイテムを準備しよう!

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トイレの便器をきれいにするために、まずは次の6つのアイテムを用意してください。

(1)トイレットペーパー

(2)トイレ用洗剤

(3)軍手ぞうきん

高橋ゆきさんおすすめのお掃除便利ツールの1つで、ゴム手袋の上から軍手をはめたもの。ぞうきんが入りにくいすき間や細かい部分も、軍手ぞうきんなら指1本1本が入り、きれいに掃除できます。また、手のひら感覚、指先感覚でお掃除できるのも嬉しいところ。洗剤の液だれを防止するために、ゴム手袋の裾部分は3cmほど折り返して使いましょう。

軍手ぞうきんは、『指先感覚で自在に使える!「軍手ぞうきん」家事研究家・高橋ゆきの魔法のお掃除道具DIY』で動画付きで解説しているので、あわせてご覧ください。

(4)トイレブラシ

(5)手鏡

(6)割り箸

実践!トイレの便器(内側、ふち裏、外側)の楽ラクお掃除方法

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では、早速トイレの便器の内側、ふち裏、外側のお掃除を始めていくことにしましょう。作業手順はそれぞれ以下のとおりです。

<便器の内側>

(1)便器の中に湿布の準備をする

トイレットペーパーを長めに切り、便器の内側のふちに沿わせるようにして敷き詰めていきます。

(2)トイレ用洗剤を上から吹き付ける

敷き詰めたトイレットペーパーの上から、トイレ用洗剤をスプレーします。量が多すぎると重みでトイレットペーパーが流れてしまうので、吹き付ける量に注意しましょう。

(3)10〜15分ほど放置しておく

汚れをゆるませるために、10〜15分ほどそのまま放置します。放置する時間は、洗剤の取扱説明書を必ず参照してください。

(4)汚れをこすり落とす

時間が来たらトイレットペーパーを水で流します。そのあとでトイレブラシを使って、便器内の汚れをこすり落とし、再度水を流せばお掃除は完了です。先ほどの湿布ですでに汚れがゆるんでいるので、軽くこするだけで汚れを落とすことができますよ。

<便器のふち裏>

(1)軍手ぞうきんに洗剤をつける

軍手ぞうきんを手にはめ、トイレ用洗剤を軍手ぞうきんにたっぷりつけて、指先をこすり合わせます。

(2)手鏡で確認しながら汚れを拭き取る

トイレ用洗剤をつけた軍手ぞうきんで便器のふちをしっかりつかみ、手と指を動かしながら汚れを拭き取ります。便器のふち裏は視線が届かないので、手鏡で汚れを確認しながら、こびりついた汚れをすべて落とすようにしましょう。

<便器の外側>

(1)全体を軍手ぞうきんで拭く

便器には意外にすき間がたくさんありますが、そこにホコリやゴミが溜まっています。まずは、乾いた軍手ぞうきんで便器の外側全体を拭いて、ホコリやゴミを取り除きましょう。

(2)細かいところのホコリや汚れも取り除く

指が入り込めない細かい部分のホコリや汚れについては、割り箸を使ってお掃除します。割り箸にトイレットペーパーを巻きつけたものを使い、便器のすき間を滑らせるようにすると、細かいところに溜まったホコリや汚れをきれいに取り除くことができますよ。

ため込まない!毎日できる小掃除テク

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便器内の水位線にできる黒い輪じみや、黄色や茶色のこびりつき汚れは、すべて尿の成分が変化してできた汚れ。また、ピンクっぽいヌメリはカビのもとになります。トイレの汚れは放置するとどんどん落ちにくくなってしまうので、早めの対処が肝心です。

便器内の汚れは、必ず毎日トイレブラシでこするなどしてため込まないようにすれば、ガンコ汚れになることもありません。1日1回、例えば朝いちばんや就寝前など時間を決めて、忘れずに便器内の汚れを落とすようにするといいでしょう。

いかがでしたか? 便器についた尿は、放っておくと尿石になり、汚れを落としにくくなるのはもちろん、嫌な臭いの原因にもなります。こまめに掃除をしてガンコ汚れになるのを防ぐとともに、こびりついた汚れはトイレットペーパーで作った湿布でゆるませてしっかり取り除いていきましょう。

構成・文/土田奈々子

【参考】

高橋ゆき(2014)『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)

高橋ゆき(2014)『可愛くなる家事』(サンマーク出版)

家事大学1級・2級 家事研究員資格講座テキスト』-日本講師支援機構

【取材協力】

ベアーズ

高橋ゆき
高橋ゆき

家事代行サービスの株式会社ベアーズ取締役副社長。 キッズからシニアまで暮らしの向上を研究し、家事のスペシャリストとしてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。おそうじは、”楽ラク(楽しく、楽に)キレイ”をテーマに、身近にあるもので様々なアイディアグッズを開発。2015年 には世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を務める。 書籍「楽ラク掃除の基本」(学研プラス)が好評発売中。

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