子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

35冊が6,940円に!本を詰めて玄関で渡すだけで寄付になる「チャリボン」で、本棚も気持ちもスッキリ

出版社に勤めているくらいなので、本は紙で読むのが好き。……とはいえ、本棚の収納力には限界があり、常に本があふれている、のが悩みです。

本を手放す手段は色々だけど

null

で、年に何度か「もう読まないな」という本を手放すことにしています。今の世の中、本(に限らず)リサイクルのために「売る」という手段は色々。ただ、私自身も本を作っているので、自分が手放す本も、できるかぎり役に立ってほしい、と思うわけです。

最近私が利用しているのは『charibon(チャリボン)』というサービス。本を売ったお金を、自分が寄付したい団体を選んで寄付できる、というもの。

サイトによると、なんとこれまでで累計6億円を超える寄付を行なってきた、という取り組みです。

このサービスの母体となっているのは、長野県にある『バリューブックス』というオンライン書店。会員制(登録制)で本の買取や販売を行なっていて「本を通して、世の中をよくする」という考えのもと、さまざまな活動をしています。

この考え、私も本を作っている一人としてめちゃくちゃ同意するところで。なんと会員数が25万人、というのも、本好きの人からの信頼が伺えます。

そして長野県の上田市には「NABO」というブックカフェも!

 

本の送り方はとてもとても簡単!

null

手配の方法はごくごく簡単! まず、サイトの中から、自分が寄付したい団体を選択。今回私が選んだのは、「こども食堂」を支援する団体「全国こども食堂支援センター・むすびえ」です。

友人親子が、子ども食堂でのボランティアをやっている、ということもあり、最近とても身近に感じている問題なので、この選択を。

他にも、日本、海外を含め多数の団体から寄付先を選べます。カテゴリーだけでも、ウクライナ・健康福祉・貧困・教育・不平等……とさまざま。自分の興味関心のあるNGOやNPO、大学や自治体などに寄付することが可能です。

あとは、ピックアップしてほしい日時(申し込んだ翌日から可能でした!)をサイトで指定し、本の量(何箱送りたいか)を選ぶだけ。

宅配業者(クロネコヤマトさんでした)の予約も不要だし、もちろん送料もかかりません(商品5点から送料無料。5点未満の場合は査定金額から差し引かれる仕組み)。本を送って数日で、買い取り金額がどのくらいになったか、査定の結果がメールで送られてくるだけ、という仕組み。

ちなみに今回私は、年末の大掃除として、本棚からあふれていた35冊を送りました。1週間くらいで送られてきた査定の結果は5,783円。ここにシーズンサービスの金額などが加わって、6,940円が寄付されました!

「チャリボン」のいいところ

null

1:寄付した金額が、具体的にどう使われるのか、わかりやすい
いいな、と思ったのは、私が寄付した金額がどういう役に立てるのか、具体的に書いてあること。私が選んだ「むすびえ」さんだと、5,000円で子ども食堂1回分の食材費に、という目安が書いてありました。

2:webサイトのシステムが使いやすい、わかりやすい!
こういうサービスって、サイトが使いやすいかどうか、とても大事ですよね。

その点、チャリボンはものすごく優秀。迷うことなく、どんどん進むことができて、申し込みがあっという間に終わります。

3:とにかく手間いらず!
たとえば不要な衣類をリサイクル専門店に売る場合。服の枚数を数えて紙に書いて入れる、ピックアップの宅配便を手配する、などは自分でやる必要がありました。でも、チャリボンはそういう面倒な作業がすべていらない! 私のような面倒くさがりでも利用する気持ちになるのは、こういうところ!

今年だけでおよそ1万件、5千万円弱の寄付が!

null

どんな本でも、作家さんや編集者が知恵を絞って作った1冊。自分にとっては不要になっても、誰かの役に立ってほしいもの。……と願う気持ちから、私が売った本がその後どうなっていくか?が知りたくて、チャリボンの中の人に色々教えていただきました。

お答えいただいたのは、チャリンボンを運営している(株)バリューブックス 寄付事業責任者の西山卓郎さんです。


―私たちが送った本は、どのように寄付(お金)に変わるのでしょう。今年1年でどのくらいの寄付が集まっていますか。

「チャリボンには、今年だけで申込件数が約1万件、金額にすると5千万円弱の寄付をいただいています。

サイトからお申し込みいただくと、まず指定の日時や場所にヤマト運輸さまが集荷にお伺いいたします。届いた本は、会社の倉庫で査定作業を行い、金額を算定。その後、翌月にはご指定いただいた団体へ寄付金としてお渡しいたします」(「」内、西山さん。以下同)

―ここ最近増えている寄付先や、寄付が増える時期などがあったら教えてください。

「最近では、子どもの支援活動をおこなっている団体への寄付が増えている印象です。また、ウクライナ支援など、グローバルで活動している方々への寄付も増加傾向にありますね。やはり年末や年度末など、何かを整理するタイミングで寄付をいただく方が多いようです」

―そうなんですね! 私も今回、子ども食堂の支援団体を寄付先に選んだのですが、やはり多くの人が心を寄せているんだなぁと思います。そもそも、チャリボンはどういうきっかけで始まったのでしょう。そして、このサービスを通して、伝えたいことなどがあれば。

「“チャリボン”という仕組みは、もともと弊社(バリューブックス)の創業者とNPO団体の理事長との会話の中で生まれたものなんです。

バリューブックスとしては、もっと仕入れ(=不要になった本を売ってくれる人)を増やせて、かつ社会に良いことを何かできないか、という思いがありました。NPOの理事長は、現金の寄付のお願いばかりだと心苦しいけれど『読み終わった本をご寄付ください』というお願いができると良いのではないか、という考えが。その両者の思いを結びつけた仕組みが“チャリボン”です。

私たちは、このサービスを通じて、手元にある本を売る、捨てるだけではなく、寄付になるということをぜひ知ってほしいと思っています。また、チャリボンのサイトを見ていただく中で、今、日本にはどのような団体があり、その背景にはどのような社会課題があるのか、さまざまな課題やその解決に向けて日々活動をしている団体のことを知っていただくきっかけになれば、とても嬉しく思います。

また、すでにそのような団体の支援を行っている方々には、現金の寄付やボランティアでの関わり方に加えて、本での寄付という選択肢もご検討いただければ嬉しいです」


自分の財布から「5,000円」を寄付する、と思うとなかなかハードルが高くても、自宅の本棚を整理するついでの寄付なら、ずっと気軽に(そもそも本棚に眠っていた5,000円なので)、踏み出せますよね。

今年こそ「スッキリ暮らしたい」と願っている皆さんのお役立ちリストのひとつに、ぜひ加えてみてはいかがでしょうか。

編集長・佐藤明美
編集長・佐藤明美

趣味は料理、スポーツ観戦と旅に出ること。食いしん坊。『Oggi』や『美的』で美容やファッション担当として20年ほど女性誌を編集、2018年からkufura編集長に。2021年4月〜2022年10月にはラジオJ-WAVEで毎朝の生番組のナビゲーターも。インスタグラム@sizukuishii

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載