プロが教える!冷蔵庫の内側の上手なお掃除方法
null食品を保存するための冷蔵庫は、清潔さを保つために、大掃除では庫内を隅々まできれいにする必要があります。まずは、冷蔵庫の内側の正しいお掃除方法をご紹介していきます。
<事前にお掃除の日を決めて庫内の食材を減らす>
冷蔵庫内を隅々まで清潔にするためにも、お掃除をする際は、まず最初に庫内の食材等を一度すべて取り出して、空にする必要があります。そのため、事前に庫内を大掃除する日を決めておき、それに合わせて要冷蔵の食材を減らしておくのがおすすめです。自宅にクーラーボックスなどがある場合は、食材をそこに入れてからお掃除してもいいでしょう。
清潔さを保つためにも、庫内を空にして行うお掃除は、半年に1度は必ず行いたいもの。スケジュールがきちんと決まっていると、「あわてず」「あせらず」「やさしい気持ち」でお掃除に取り組むことができるので、冷蔵庫内を楽ラクきれいにすることができますよ。
<お掃除に必要なアイテムはこの5つ!>
(1)ゴム手袋
(2)ふきん
(3)空き箱やプラスチックのカゴ、トレイ
(4)消毒用エタノール・・・冷蔵庫は食べ物を保存する場所のため、お掃除に洗剤を用いることができません。必ず消毒用エタノールを使うようにしてください。消臭効果があり、冷蔵庫内のお掃除にはベストなアイテムですが、揮発性が高いので火気に注意が必要です。
(5)布巻きスプーン・・・高橋ゆきさんおすすめのお掃除便利ツールの一つ。古いTシャツなど、毛羽立たない布を10cm四方くらいの大きさにカットし、スプーンのさじ部分に巻き付ければ完成です。布が取れないように、巻いた部分を手で押さえながら使いましょう。
布巻きスプーンは、ヘラのようにして細かい部分までお掃除できるうえ、巻いた布がクッションになるので、素材を傷つけずにお掃除することができます。ぜひ、こちらの動画記事『布巻きスプーンでごっそりかき出す!“冷蔵庫の隙間汚れのお掃除術”家事研究家・高橋ゆきの魔法のテク』も参考にしてみてください。
<実践!冷蔵庫の内側のお掃除方法>
(1)まずは冷蔵庫を空にする
お掃除をする前に、必ず冷蔵庫を空にしておきます。その際、空箱やトレイなどを使って、「ドアポケットのいちばん上に入っているもの」「チルドルームに入っているもの」など、グループごとに分けて出しておくと、元に戻しやすくてお掃除の時短にもつながります。
(2)消毒用エタノールをふきんに吹きつける
ゴム手袋をはめ、液だれ防止のために裾部分を3cmほど折り返します。次に、水で濡らして固く絞ったふきんに、消毒用エタノールをスプレーします。冷蔵庫内に直接スプレーすると素材を傷めてしまう場合もあるので、必ずふきんにスプレーして使うようにしてください。
(3)隅々までしっかり拭く
消毒用エタノールをスプレーしたふきんで庫内を拭いていきます。取り外したほうが拭きやすいトレイなどは、きちんと取り外し、細かい部分や隅々もしっかり拭いていきましょう。
(4)布巻きスプーンで汚れを落とす
こびりついた汚れを落とす際は、“布巻きスプーン”が大活躍。消毒用エタノールをふきんにスプレーし、そこに布巻きスプーンをあてて消毒用エタノールをしみこませ、こびりついた汚れをやさしくこそげ落としていきます。
(5)ゴムパッキンのすき間もきれいに
冷蔵庫の扉についているゴムパッキンも、手垢や細かい食べ物カスなどで汚れがち。こちらも、消毒用エタノールをしみこませた布巻きスプーンでお掃除していきます。ゴムパッキンのすき間にスプーンを差しこんで滑らせれば、きれいに汚れを取り除くことができますよ。
プロが教える!冷蔵庫の外側の上手なお掃除方法
null冷蔵庫の内側に続き、今度は冷蔵庫の外側のお掃除方法を見ていくことにしましょう。
<家族が頻繁にさわる場所を把握する>
冷蔵庫のドアにはさまざまな汚れが付着していますが、主な汚れは家族みんなの手垢。ドアを開け閉めするときや中の食品を取り出すとき、手や指が大体いつも冷蔵庫の同じ位置をさわっているからです。
手や指には皮脂があるため、フィンガースタンプと呼ばれる手垢や指紋汚れは、水拭きだけではなかなかきれいに落とすことができません。家族それぞれがよくさわる場所をしっかり把握したうえで、その部分を重点的に適切なアイテムを使ってお掃除するのが、冷蔵庫の外側をきれいにするためのコツです。
このフィンガースタンプを取り除くのに効果的なのが、消しゴム。消しゴムと重曹のダブル使いで、冷蔵庫の外側が驚くほどピカピカになりますよ。
<お掃除に必要なアイテムはこの5つ!>
(1)消しゴム
(2)ゴム手袋
(3)重曹水・・・重曹と水を1:9の割合で混ぜたもの。重曹が溶けにくい場合は、ぬるま湯を使います。重曹水は、スプレーボトルに入れて常備しておくと便利。重曹は乾くと白浮きするので、水で洗い流すか水拭きでしっかりふき取る必要があります。
(4)ふきん
(5)古Tシャツ(古いフリースなどでも可)
<実践!冷蔵庫の外側のお掃除方法>
(1)フィンガースタンプを消しゴムで消す
拭き掃除をする前に、まずは冷蔵庫のドアや取っ手などについた手垢や指紋を、消しゴムでこすって落としていきます。消しゴムでこする前に、必ず目立たない場所に使ってみて、冷蔵庫の素材が色落ちしないかどうかをチェックするようにしましょう。
(2)重曹水をふきんにスプレーする
手を保護するためにゴム手袋をはめたら、固く絞ったふきんに重曹水をスプレーします。重曹水を冷蔵庫に直接スプレーすると液だれしてしまうので、必ずふきんにスプレーして使うようにしてください。
(3)一定方向に拭いていく
重曹水をスプレーした(2)のふきんで、冷蔵庫の外側を拭いていきます。ワイパーのように左右に拭くのではなく、一定方向に拭くのがムラなくきれいに拭くためのコツです。
(4)水拭きで重曹による白浮きを防ぐ
次に、水洗いして固く絞ったふきんで、冷蔵庫を水拭きしていきます。重曹は乾くと白浮きするので、しっかり水拭きしてください。この場合も一定方向に拭いていきます。
(5)乾拭きでピカピカに
水拭きだけだと拭きムラが出やすいので、最後に必ず乾拭きをします。毛羽立たない古Tシャツや古いフリースなどを使って、一定方向に拭いていきましょう。乾拭きをしっかりすることでホコリがつきにくくなるため、汚れの予防にもつながります。
プロが教える!電子レンジの上手なお掃除方法
nullでは最後に、電子レンジの上手なお掃除方法を見ていきましょう。
<お掃除に必要なアイテムはこの7つ!>
(1)重曹ペースト・・・重曹と水を6:4の割合で混ぜ合わせ、ボタッとたれるくらいの硬さのペーストにします。
(2)スポンジ
(3)布巻きスプーン
(4)重曹水
(5)ふきん
(6)ゴム手袋
(7)中性洗剤
<実践!電子レンジのお掃除方法>
(1)布巻きスプーンで汚れをこそげ取る
まずは、重曹ペーストをスポンジに少量取って、布巻きスプーンに移し取ります。庫内についた固形の汚れや、スープやソースなどの飛び散った汚れをこそげ取りましょう。
(2)水蒸気と熱で庫内の汚れをゆるめる
次に、電子レンジの庫内に水を注いだ耐熱性マグカップを入れ、600Wで1分ほど加熱します。これによって出る水蒸気と熱で汚れがゆるむため、汚れを落としやすくなります。
(3)庫内が温まっているうちに拭き掃除をする
蒸気で庫内が温まっているうちに、重曹水を使って拭き掃除をします。重曹水は必ずふきんにスプレーして使うようにしましょう。そのあとは水拭き・乾拭きを忘れずに行い、重曹の白浮きを防ぎます。庫内が熱くなっているので、必ずゴム手袋を着用し、やけどには十分注意してください。
(4)回転皿を水洗いする
回転皿は、重曹水や家にある中性洗剤を使って、スポンジで軽く水洗いをします。庫内に戻す前に、しっかりと乾かしておきましょう。
(5)外側を水拭き・乾拭きする
電子レンジの外側や操作パネルのお掃除は、必ず電源を抜いた状態で水拭き・乾拭きをします。汚れがひどい場合には、重曹水または薄めた中性洗剤を含ませたスポンジやふきんで拭いてから、水で洗って硬く絞ったふきんで水拭き・乾拭きをして仕上げます。
いかがでしたか? キッチン家電の中でも、毎日頻繁に使う冷蔵庫や電子レンジは、特に汚れがたまりがち。プロおすすめの上手なお掃除方法で、今年の汚れは今年のうちにしっかり取り除いて、美しく輝くキッチンで気持ち良く新年を迎えましょう。
構成・文/土田奈々子
【参考】
高橋ゆき(2014)『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)
高橋ゆき(2014)『可愛くなる家事』(サンマーク出版)
『家事大学1級・2級 家事研究員資格講座テキスト』-日本講師支援機構
【取材協力】
家事代行サービスの株式会社ベアーズ取締役副社長。 キッズからシニアまで暮らしの向上を研究し、家事のスペシャリストとしてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。おそうじは、”楽ラク(楽しく、楽に)キレイ”をテーマに、身近にあるもので様々なアイディアグッズを開発。2015年 には世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を務める。 書籍「楽ラク掃除の基本」(学研プラス)が好評発売中。