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大掃除前にやっておくべき準備は「どこを・誰が」など見える化が大事!計画的に進める手順公開

12月は大掃除の季節。新年を気持ちよく迎えるためにも、今年のうちに家中をしっかりきれいにしておきたいところですよね。ただ、年末ギリギリに大掃除をしようとすると、やることが多すぎてどこから手をつけたらいいのかわからず、なかなか上手く進まないことも。大掃除を効率よく進めるためには、事前にきちんと計画を立てて、早め早めに大掃除を始めることが大切です。そこで『kufura』では、家事研究家で株式会社ベアーズ副社長・高橋ゆきさんに「大掃除を始める前にやっておくべき準備」を教えてもらいました。

3つの心がけでだれもがお掃除上手になれる!

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大掃除に限らず、お掃除をするにあたってもっとも大切なことは、「あわてず」「あせらず」「やさしい気持ち」で取り組むことです。

中でも特に大切なのが、あわてずに計画性を持ってお掃除をすること。特に大掃除は普段よりも大掛かりなお掃除になるので、前もって余裕を持たせたスケジュールで計画を立てて、それに沿って進めていく必要があります。

次に心がけたいのが、あせらずにお掃除をすること。あせるといろいろなところにムダな力が入ってしまうため、お掃除の際に家具や家にキズをつけてしまうこともあります。大掃除だからとあせることなく、ゆったりとした気持ちでお掃除をするようにしてください。

また、お掃除の際はやさしい気持ちも忘れてはいけません。やさしい気持ちでお掃除をすることで、大切な家族と住む家に、居心地の良い空間エネルギーを漂わせることができます。

この3つを心がけてお掃除をするだけで、家の中が楽ラクきれいになって、だれもがお掃除上手になることができるのです。大掃除の際も、この3つをしっかりと心がけてお掃除を進めていきましょう。

大掃除を始める前に準備しておきたい5つのこと

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大掃除をできるだけムダなく、効率的に進めるためには、事前に次の5つの準備をしておくことが大切です。

(1)お掃除する場所をリストアップする

まず最初に、大掃除で家のどの部分をお掃除するのかを、しっかりリストアップしておきます。紙にかき出すなどして「見える化」しておくと、全体のボリュームや必要な時間、取りかかる順番などが明確になって、お掃除がやりやすくなります。

リストアップする際は、「家全体」「家具や家電」「水回り」の3つに分けて、それぞれの気になる部分をお掃除のメインにするのがコツです。また、事前に「必ずお掃除したいところ」と、「時間があったらお掃除したいところ」を分けておくと、優先順位をつけながら効率良くお掃除することができます。

(2)お掃除の担当と期日を決める

だれが、どこをいつまでにお掃除するのか、担当と期日を先に決めておくことも大切。担当を決める場合は、キッチン担当、トイレ担当というように、場所ごとに担当を分けてしまいがちですが、場所よりも役割で決めていくほうが実は効率的です。

例えば、キッチンなら換気扇やガス台の掃除はパパ、シンクの掃除はママ、冷蔵庫など家電を拭くのは子どもの担当というようにすると、家族いっしょに同じ空間で大掃除を進めることができます。また、短時間でその場所全体がきれいになるので、お掃除の達成感をしっかり味わうこともできます。

(3)プロの業者に頼むことも検討する

大掃除は何もかもを自分たちでやろうとすると、ストレスがたまって逆に上手く進まなくなってしまう場合もあります。特に、共働き夫婦や子育て中の夫婦の場合は、大掃除の一部を家事代行サービスやハウスクリーニングなどのプロに依頼するのもおすすめです。

プロに頼めば、専用の洗剤や道具を使って、効率よく汚れを落としてくれるので、自分でお掃除するよりきれいになること間違いなし。また、大掃除の一部をプロにお願いすることで、お掃除の時短につながるだけでなく、気力や体力面での負担もかなり軽減することができますよ。

(4)完璧を目指さないようにする

年に一度の大掃除は、「家中をしっかりきれいにしなくては!」という気持ちが強くなるため、逆にやることが多くなりすぎて、お掃除を始める前から憂うつな気分になってしまうこともあります。また、大掃除の途中で疲れてしまったり、無理のしすぎで腰を痛めてしまったりして、計画通りに進まなくなってしまうなんてことも。

そのような場合は、無理せず適度なところで大掃除を切り上げることも大切です。完璧を目指すとキリがなくなるため、いつまで経っても大掃除が終わらないなんてことにもなりかねません。大掃除は完璧を目指すのではなく、「家全体が一通りきれいになればいい」くらいの気持ちでやったほうが、気持ちよく進めることができてストレスもたまりません。

(5)チェックリストを作成する

ここまで見てきた(1)~(4)のポイントを踏まえたうえで、大掃除を始める前に必ずチェックリストを作成しておきましょう。お掃除する場所、気になるところ、担当者、期日などをまとめて表にすることで、計画的かつ効率よく大掃除を進めることができます。

ポイントを押さえて大掃除を効率的に進めよう!

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大掃除をする際は、次の4つのポイントを意識するようにすると、より効率よく大掃除を進めることができます。

(1)ごみの収集日や家族の予定に合わせて日程を組む

大掃除では、燃えるごみだけでなく、大型ごみや不燃ごみ、不要品などのさまざまなごみが出ます。大量のごみを家に置いたまま年を越すのは避けたいので、必ず各ごみの収集日をチェックしたうえで、それに合わせてお掃除の計画を立てるようにしましょう。

また、大掃除には人手が必要です。特に、休日などに家族そろっていっしょに大掃除を進める場合は、家族全員が参加できる日を事前に確認しておく必要があります。前もって大掃除の日を決めて家族に伝えておけば、みんなで集中的に大掃除を進めることができますね。

(2)お掃除は「上から下へ」「奥から手前へ」が鉄則

お掃除の手順は、「上から下へ」「奥から手前へ」が基本です。これをしっかり徹底することで、すでにお掃除した箇所に再びホコリがたまったり、再度汚れが付着することがなくなるので、効率よくきれいにすることができます。

(3)時間のかかる作業をまず最初に始める

大掃除では、1日の時間を効率的に使うことも重要なポイントになります。例えば、大掃除の際には汚れを浮かせるために、洗剤につけ置きするなどの作業があります。その場合は、1日のまず最初にその作業を行い、待っている時間を有効活用して、他の部分のお掃除を進めるようにするのがおすすめです。

(4)汚れによって洗剤を使い分ける

汚れの種類に合わせて、掃除用洗剤を選ぶことも、効率よく大掃除を進めるためには重要です。油汚れなどの酸性汚れにはアルカリ性の洗剤を、また水垢などアルカリ性の汚れには酸性の洗剤を使うことで、簡単に汚れを落とすことができます。

また、人体や環境に優しいエコ洗剤として、重曹とクエン酸、セスキ炭酸ソーダなどを使うのもおすすめ。これらのエコ洗剤は、油汚れやコゲ付きなど、主に酸性の汚れに効果があります。ただ、頑固な汚れは十分に落としきれないこともあるので、その場合は業務用洗剤や専用洗剤を使ったほうが汚れをラクに落とせて、効率的にお掃除することができます。なお、業務用洗剤や専用洗剤を使う際は、取り扱いには十分にご注意ください。

必要なお掃除道具もモレなく準備しておこう

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大掃除には、さまざまな掃除道具が必要になります。実際に掃除を始める段階で、「あれがない」「これがない」とあわてずにすむように、事前にしっかり準備しておきましょう。

・洗剤

どこでも使えるマルチな洗剤が便利。なければ台所用、浴室用、トイレ用など、場所別の洗剤を用意しておきましょう。

・フローリングワイパー

これがあると、無理のない姿勢で床のホコリやゴミをからめ取ることができるので、床掃除がグンとラクになります。

・ぞうきん

水拭き用と乾拭き用をそれぞれ数枚ずつ用意します。

・古い歯ブラシ

換気扇のフィルターや便器のフチ裏汚れなど、細かい部分の汚れ落としにすごく便利なので、数本用意しておきましょう。

・重曹

キッチンの換気扇などのしつこい油汚れや、コンロの五徳などについたコゲ落としに便利。また、お風呂の皮脂汚れや水垢を落とすこともできるので、浴室グッズのお掃除やカビ取りにも使えます。

おすすめの使い方は、重曹水と重曹ペースト。重曹水はぬるま湯100mlに対して重曹小さじ1を混ぜ、スプレーボトルに入れておくと便利です。また、重曹ペーストは水大さじ1に対して重曹大さじ3を混ぜて作ります。重曹ペーストは、重曹水では落としきれない頑固な汚れに塗布して使いましょう。

・セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムから作られたアルカリ性洗剤です。重曹と似ていますが、アルカリ度が高く水に溶けやすいのがセスキ炭酸ソーダで、研磨の働きがあるのが重曹です。なので、ぬるま湯に溶かしてスプレーのように吹きかけて使うときはセスキ炭酸ソーダが、またこすり洗いに使うときは重曹が適しています。

セスキ炭酸ソーダは、キッチンのコンロ周りの掃除におすすめ。ぬるま湯500mlに対し小さじ1〜2のセスキ炭酸ソーダを混ぜ、スプレーボトルに入れてコンロに吹きかけましょう。そのあとで布巾で拭き取れば、きれいに汚れを取り除くことができます。

・メラミンスポンジ

シャワーや蛇口の水垢汚れ、コンロの油汚れを落とすのに大活躍。使いやすい大きさにカットしてから、水をつけて汚れた部分をこすりましょう。ただし、メラミンスポンジはフローリングや鏡などのコーティングされたものには使えないので注意が必要です。コーティングされたものに使うと、コーティングがはがれてしまうので気をつけましょう。

・マスク

ホコリや洗剤成分を鼻や口から吸い込まないようにするためにも、お掃除の際には必ずマスクを着用するようにしてください。

・ゴム手袋

洗剤や冷たい水から手肌を守るためにも、お掃除の際は忘れずに着用してください。洗剤などが液だれしないように、ゴム手袋のすそは折り返して使いましょう。

・軍手

外回りの掃除のときなど、軍手があれば手を汚さずに掃除することができて便利です。

・エプロン

着ている洋服を水や汚れ、洗剤などから守るために必要です。

いかがでしたか? 大掃除を効率よく進めるためには、実際にお掃除を始める前にいろいろな準備が必要です。大掃除は普段の掃除に比べてやることが多くて大変なので、きちんと計画を立てたうえで、家族みんなで協力し合いながら、無理のない範囲で進めていくようにしましょう。

構成・文/土田奈々子

【参考】

高橋ゆき(2014)『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)

家事大学1級・2級 家事研究員資格講座テキスト』-日本講師支援機構

【取材協力】

ベアーズ

高橋ゆき
高橋ゆき

家事代行サービスの株式会社ベアーズ取締役副社長。 キッズからシニアまで暮らしの向上を研究し、家事のスペシャリストとしてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。おそうじは、”楽ラク(楽しく、楽に)キレイ”をテーマに、身近にあるもので様々なアイディアグッズを開発。2015年 には世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を務める。 書籍「楽ラク掃除の基本」(学研プラス)が好評発売中。

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