ピザの箱やCD・DVDは可燃に
nullみんなが意外と間違えて出しているゴミには、どのような物がありますか?
「ピザのダンボールを『古紙の日』に出す人は多いのですが、ピザの箱は可燃ゴミです。油やチーズが付いていたりするので、リサイクルに支障が出るからです。ピザのダンボールはかさばりますが、お皿洗いのついでなんかに、さっと水に濡らしてギュッと握れば、ソフトボールくらいの大きさにまとまって捨てやすくなりますよ」(以下「」内、滝沢さん)
CDやDVDは燃えなさそうなイメージですが……、これも間違いやすいゴミのひとつだそう。
「CDやCDケース、DVDや歯ブラシは、昔は燃えないゴミだったんですが、今では多くの地域で可燃ゴミとされています。ただ、まれに不燃ゴミに分類される自治体もあるので、念のためチェックしてみてください」
「リチウムイオン電池」には気をつけて!
nullDVDやカセットテープなど、燃えにくそうだけれども可燃ゴミに分類される物もある中で、一見燃えそうだけれど、可燃ゴミに出してはいけないゴミがあるといいます。
「気をつけて欲しいのがリチウムイオン電池です。最近よく出回っている、携帯できる小型扇風機とか、電子タバコ、ワイヤレスイヤホンなどの小型家電には、リチウム電池が使われていることが多いのですが、それらはお住まいの市町村の分別ルールに従ってください。
燃えそうだと思うのか、可燃ゴミに混ざっていることが多いんですが、これが原因でゴミ清掃車が火事になってしまうこともあるんです、圧縮されて火が出るので。自分も、何回も可燃ゴミから取り出したことがあります。実際に知人の清掃車が燃えたこともあったりと本当に危ないので、ぜひ気をつけてもらいたいです」
充電して使用するタイプのものは、内部にリチウムイオン電池が入っている場合が多いとのこと。間違えて可燃ゴミに出さないよう、気をつけましょう。
植木鉢や化粧品…分かりにくいゴミはどうしたらいい?
nullコロナ禍でブームになったベランダ菜園やガーデニング。育てている間はいいのですが、枯れてしまっていらなくなった植木鉢などは、どうやって捨てたらいいのでしょう?
「植木鉢は大きければ粗大ゴミです。そうでなければ、陶器は不燃ゴミの地域が多いですね。素材がプラスチックなら可燃に出せたりしますので、一度確認してください。ただ、土はゴミとして回収できないんです。土は気軽に買えるけど、捨てにくいもののひとつですね。あとレンガとか漬物石などもそうですね。
最近は、ホームセンターなどで土の回収をしているところもありますので、お近くの店で確認を。ただ、新しいものを買うのが条件だったりもしますので、そうすると、“手元から土がなくなる”わけではないというジレンマですよね……。公園に捨てたりするのは不法投棄になりますし。集積所に出されたら、置いていきますね」
買う時に、不要になった時にどうするかまで考えて購入することが大切、ということですね。最終的には、専門の回収業者などを頼むことになりそうです。
使い終わった化粧品容器なども、捨て方を迷ってしまいますが……ルールはありますか?
「化粧品も難しいところですよね……。化粧品の類は、容器のほとんどがプラスチックでできていたら、プラごみになります。“9割ルール”というのがあるので、そのゴミの9割が燃えるゴミなら可燃ゴミ、9割がプラならプラゴミとして出すことができます」
まずは容器の素材の確認を、ということですね。
ペットボトルの出し方を間違えている人も
nullペットボトルの出し方に関しても、いろいろと間違いが多いようです。
「ペットボトルは、ラベルをはがして、キャップも取って出してください。取っていない人が、まだ多いんです。素材が似ているからか、取らなくても大丈夫と解釈してしまう人も世の中にはいるんですよね……。
リサイクルするためには“同じ素材だけ”を集めなきゃいけません。ラベルやキャップは、本体とは素材が違うので、別々にしないとリサイクルできないんです。ただ、キャップの残りの輪っかまでは取らなくても大丈夫。リサイクルには問題ありません」
他にも、シャンプーの容器やキッチン用洗剤の空ボトルなどを、ペットボトルと一緒に出している方も多いそうですが、これは間違いなので注意して欲しいとのこと。シャンプー容器などは、プラスチックゴミとして出す地域もあります。プラスチックが可燃か不燃か、資源ゴミかなど、お住まいの自治体での区分を今いちど確認してみましょう。
収集してくれる清掃員さんが、スムーズに安全に作業ができるよう、ゴミ出しのルールはしっかり確認しておきたいですね。
取材・文/まなたろう 撮影/五十嵐美弥(小学館)
※初出の記事の内容に誤りがありました。訂正の上、お詫び申し上げます。
【取材協力】
滝沢秀一(たきざわしゅういち)
1976年生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ『マシンガンズ』を結成。
『THE MANZAI』 2012,2014年認定漫才師。
2012年より定収入を得るため、ゴミ収集会社に清掃員として勤務を始める。
現在、SNSや執筆、講演会等にて、ゴミ清掃中に気がついたことを発信している。
著書に『このゴミは収集できません』(白夜書房)、『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』(太田出版)などがある。
「滝沢ごみクラブ」というゴミを減らすためのオンラインサロンを開催中