お財布にも「もしも」の備え
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『ほぼ日』の「ひきだしポーチ・ポケット」をお財布として、ここ6年ほど愛用してきました。
筆者がお財布に「絆創膏・洗浄綿・飴」を忍ばせるようになったのは、子どもが小学校へ入学した2025年4月から。
というのも、入学して間もなくのある朝。登校に付き添っていたら、目の前で走っていた1年生が盛大に転びました。膝から流れる血にパニックを起こした1年生は大号泣。筆者は絆創膏など何も持っておらず、通りがかりの人に助けてもらうことに……。
以来「いつ何時、何が起こるかわからない」と、つねに携帯しているお財布でも「もしも」の備えをすることに。
おりしも、長年愛用したお財布がくたびれてきて、新しくしたいと思っていたタイミング。ただこのことが、お財布の買い替えをいっそう難しくしました。
筆者がお財布に求めるのは、次の条件です。
- ポケットにも入るコンパクトサイズ
- 最小限のカード類と現金が入る
- もしもの備え「絆創膏・洗浄綿・飴」も入れるので仕切りがほしい
- 上質な素材感
コンパクトなだけでよければいろいろあるのですが、そこに「もしも」の備えも入れるとなると、案外難しい。また、上質な素材感を求めていたことも、さらに条件を厳しくしました。
「無印良品」にあった!
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財布探しという大海原へ漕ぎ出した筆者。
サイズ感、仕様、素材、価格……さまざまな要素をクリアしたのが『無印良品』の「ベジタブルタンニンレザー マルチパーパス ケース」(6,990円・税込)です。カラーはグレイッシュブラウンと黒の2色ありましたが、筆者は黒を購入しました。

左が旧お財布、右が新お財布。大きさは、やや小さくなりました。
大きさは、縦7.7×横11.5×マチ1.8cm。以前使っていた『ほぼ日』の「ひきだしポーチ・ポケット」は、縦約8.5×横約13×マチ約1.7cmですから、全体的にやや小さくなりました。
また、「ひきだしポーチ・ポケット」はストラップ状の引き手がついていましたが、短い引き手に。
使いはじめて2週間ほど。買い替えてよかった点と惜しい点、両方見えてきたので、筆者が求める条件とともにご紹介します。
条件1:「ポケットにも入るコンパクトサイズ」

ワンピースのポケットにもスッとおさまります。
サイズ感は、余裕でクリア!
ワンピースのハンドポケットやデニムのヒップポケットにもスッとおさまります。また、鞄の内ポケットによくある名刺入れサイズくらいのポケットも、場合によってはOK。手がさほど大きくない筆者もストレスなく持てます。
条件2:「最小限のカード類と現金が入る」& 条件3:「仕切りがほしい」

『無印良品』の商品ページによると、「ベジタブルタンニンレザー マルチパーパス ケース」は“鍵や小銭など仕分できます”とのこと。ジッパーを開けると内側は、2つの部屋と、その間にカードが1〜2枚入るポケットで仕切られています。
購入後さっそく、旧お財布「ひきだしポーチ・ポケット」に入れていた
- カード類 4枚(クレジットカード2枚、運転免許証、頻繁に使うポイントカード1枚)
- 現金(お札3枚)
- もしもの備え(絆創膏3枚、洗浄綿2枚、飴)
を入れてみました。購入前には「これなら入りそう」と思っていたのですが……うーん、お札が2つ折りではギリギリすぎて、ジッパーをしめるときに引っかかります。やむなく3つ折りにすることに。

レザーだから、飴など立体的なものを入れると変形してしまいそう。
もう一つ、残念だったのは飴が入らないこと。いや、無理をすれば入るのですが、レザー製なので、入れ続けているうちに変形しそう……。
飴は夏場の塩分補給のために入れていたので、しばらくはナシで様子を見てみることにしました。絆創膏と洗浄綿はばっちり入ったので、「もしも」の備えはとりあえずOK。

背面にもポケット付き。
また、旧お財布と同じく新お財布も、外側の背面にポケット付き。ここにはすぐに出したいカード類や領収書を入れています。
条件4:「上質な素材感」

今回「上質な素材感」が、いちばん悩んだポイントです。
コンパクトかつ軽量なものなら、アウトドアブランドのお財布も捨てがたい。けれどその素材の多くは化学繊維で、開け閉めするときに「ベリッ」というタイプも。40すぎた筆者が“いつでも、どこでも”持つには、ちとカジュアルすぎるような気がしました。
そこで、きちんと感のあるレザー製品で探すことにしましたが、名だたるブランドの多くはロゴの主張が強い……。せっかくお金を払うのなら、なぜ選んだのか、きちんと理由が言えるものがいいなと思いました。
そんなときに見つけたのが、愛してやまない『無印良品』の「ベジタブルタンニンレザー マルチパーパス ケース」だったのです。

ロゴも何もついていない。でも、それがいい。
使われているのは、イタリアンレザーといわれるイタリア製の牛ヌメ革。「ベジタブルタンニン」加工が施されています。これは植物の樹皮や果実など、天然の成分から抽出したタンニン(渋)で皮をなめす方法で、紀元前から続く最も古い製法なのだとか。お店の方に聞くと、「使い込むほどに柔らかくなり、美しいつやが表れてくる」とのこと。
しかも、イタリアンレザーのヌメ革は、ブライドルレザー(牛革に蜜蝋などを施したもの)、コードバン(馬革)と並び、世界3大レザーともいわれるそう。

引き手の「コバ(革の裁断面)」も、きちんと加工が施されて、すみずみまで美しいのも購入に至ったポイントでした。
上質なレザーが使われていること。また、見た目のシンプルさに加え、引き手などの細部まで美しいことにも惹かれました。
これは、すみずみまできちんと誠実につくられているよいものだ! しかもお値段は、大納得の6,990円。
無事、お財布迷子にピリオドを打つことになりました。
お財布は、毎日使うものですから、これだ!というものに出会うのは難しいもの。筆者も「ひきだしポーチ・ポケット」から買い替えたのは、実に6年ぶりです。ドキドキしながら新しくしましたが、今は新たなお財布と軽やかに出かける毎日。レザー製品ならではの、使い込んでから増す魅力もたのしみです。

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote