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【犬連れ帰省:第1回 出発編】車の安全な乗せ方、乗り物酔い対策、休憩時間の過ごし方

年末年始の帰省に犬を連れて行く家庭もありますよね。犬が慣れない車で移動する際のストレスや体調が心配になりませんか? 犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の校長を務める鹿野正顕(かのまさあき)さんに、車で犬と一緒に帰省するときの注意点を3回に分けて解説していただきました。第1回目は「車内での過ごし方・休憩のとり方」をテーマにお伝えします。

家族も犬も安全な乗せ方は?

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当たり前のようですが、車でお出かけするときは安全が第一です。犬が運転の妨げにならないようにしましょう。

その乗せ方、道路交通法違反かも!

犬を膝に乗せて運転したり顔を出させたりする行為は道路交通法違反です。ほかにも運転の妨げになると判断された行為は違反になるケースも。また、急ブレーキをかけたときに犬がけがをする可能性もあります。車内の全員の安全が確保できる乗せ方をしましょう。

写真提供:鹿野正顕

犬をクレートやキャリーバッグに入れて後部座席へ

理想の移動方法は、犬をクレート(プラスチック製のハウス)やキャリーバッグに入れ、家族が様子を見られる後部座席にシートベルトで固定すること。後部座席は斜めになっているため、タオルなどでフラットになるよう調整します。保護者や中学生以上の子どもが後部座席に座り、犬に付き添ったほうが安心。犬の居場所は荷台でもOKですが、様子を見られないトランクはNGです。

クレートがない、犬を入れられない場合は…

犬の動きを安全に管理できるドライブボックスやドライブシートを利用してみましょう。

犬が落ち着きやすくなる出発前の対策は?

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犬も人間と同じように乗り物酔いをしたり、お出かけの慌ただしさに興奮したりします。移動中に快適に過ごせるように出発前に対策を!

乗り物酔いが心配なら動物病院に相談する

乗り物酔いをしやすい犬や長距離移動が初めての犬には、事前に動物病院の獣医師に相談して酔い止め薬を用意しておきましょう。当日の朝ごはんを通常の3分の1程度にすると酔いやすさを軽減できます。念のためビニール袋を被せた桶を用意しておき、犬が吐きそうになったらすばやく受け止めて処理します。

出発前に散歩や遊びでクールダウン

慌ただしい雰囲気を察して犬も興奮ぎみになり、そのまま出発すると車内で吠えたり動き回ったりすることがあります。出発前に散歩や遊びで気力体力を発散させると、心身が満たされて車内で落ち着きやすくなります。

移動中はときどき犬の様子を確認&不安そう、吠えてしまう時は…

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移動中はクレートなどの中で休ませるのがベスト。出発前の対策をしておけば車内では落ち着いていられる犬が多いのですが、ときどき様子を見ましょう。

不安そうなときはキャリーごと膝に乗せる

慣れない場所や状況に不安になり、抱っこをせがむことがあるかもしれません。車内で自由にさせると運転の妨げになる可能性があるので、キャリーバッグに入れたまま運転手以外の人の膝に乗せたり、隣に付き添ったりして落ち着かせてください。

犬に周りの景色を見せると吠えてしまう

犬に周りの景色が見えたり物音が聞こえたりする状況は、警戒心を煽って吠えさせることに。窓を開けるときには空気の入れ替え程度にとどめるのがポイントです。

車内で粗相の心配は少ない

健康な成犬の排泄の回数は、マーキングを除いて123回といわれています。出かける前にトイレを済ませておけば、車内で粗相する心配は少ないでしょう。粗相の可能性がある子犬は頻繁に休憩をとって排泄を促し、老犬にはオムツを使う方法もあります。

休憩のタイミングと過ごし方

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運転手の疲労がたまる2時間おきを目安に休憩します。犬を連れて出かけることに慣れていない場合は、なるべく空いているサービスエリアやパーキングの端に停めましょう。同じ姿勢を続けると犬も体が痛くなってくるため、休憩の際に少しでも動いておくと次の休憩まで落ち着くはずです。

犬を車から降ろしたら行動を管理する

犬の安全を守るためには動きを制限することも大切です。小型犬はすぐキャリーバッグやペットカートに入れましょう。ペットバギー(ベビーカータイプ)は荷物も乗せられるので便利です。中・大型犬は保護者がリードを持ち、力が強い犬はあらかじめ引っ張り防止ハーネスをつけておきましょう。犬の安全管理をしておけば子連れの場合、子どもの対応に集中できます。

犬を留守番させるときは家族が交代で付き添う

もし犬を車内で留守番させる場合は家族が交代で付き添ってください。目を離したときに車のパーツをかじってしまうかもしれません。また、思いがけない誤飲の事故や暖冬の場合は熱中症のリスクも考えられます。実は車内に犬だけが残されていると周りの人も心配します。

犬を連れているときには思いがけないトラブルが起きることもあるため、飼い主さんはいつも以上に安全管理を心がけることが大切です。

さて、目的地へ到着したら、次は帰省先での過ごし方。帰省先では、知らない人に会ったり、子どもと接する機会が増えます。その際の注意点などは、第2回目でご紹介します。お楽しみに。


 

【取材協力】

鹿野正顕(かのまさあき)

学術博士(人と犬の関係学)。株式会社Animal Life Solutions代表取締役社長。日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長。世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得し、犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の校長も務める。NHKをはじめテレビ出演多数、雑誌やWebの記事監修多数。

金子志緒
金子志緒

ライター/編集者。レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作を行う。得意分野はペット、防災、医療、PRなど。甲斐犬のサウザーとおもしろおかしく暮らす。愛玩動物飼養管理士1級/防災士/いけばな草月流師範。

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