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【ポチパパ流】「犬のトイレのお悩み解決」教えたのに失敗する、ちょっとはみ出す…

犬を迎えた初日から始まるのがトイレの問題です。トイレトレーニングをしてもなかなか覚えてくれなかったり、あと一歩のところでつまずいたりすることは珍しくありません。どうすれば成功に導けるのでしょうか?

トイレはちょっとしたコツで犬にちゃんと教えられます! 『犬のしつけ大全 お困り行動解決編』(KADOKAWA)の著者・“ポチパパ”こと北村紋義さんに聞いた“トイレ問題”の対処法を紹介しましょう。

トイレトレーニングのコツは成功の積み重ね

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「犬は人間のように決まった場所で排泄する動物ではありませんが、トイレトレーニングをすればちゃんと覚えてくれます。子どもと同じで成功を積み重ねるのがコツ。子犬のころに集中して教えると、早い犬では1週間ほどで成功率80%くらいまでになります。

ただし、トイレトレーニングがうまくいかずに失敗を積み重ねていると、成功が遠くなってしまいます。あちらこちらでの排泄やトイレシートからのはみ出しが習慣として定着し、2歳をすぎた成犬になってもトイレの問題に悩む家庭は少なくありません。

犬もきれいで落ち着いたトイレを好むので、場所や環境を見直すだけでも成功率がアップします。また、トイレトレーニングが終わるまでは、トイレシートに似ている玄関マットを片付けておくと失敗を減らせるのでおすすめ。あきらめずにトイレトレーニングの教え直しを始めましょう」(以下「」内、北村さん)

犬のトイレの悩み1:教えたのに失敗する

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「飼い主さんがトイレを教えたと思っていても、犬は覚えていない場合があります。まぐれで数回成功しただけなのに、『もう覚えたから大丈夫』と早々にトイレトレーニングをやめてしまうケースが意外と多いのです。

しっかり教えたという飼い主さんでも、よくよく話を聞いたら成功率は60〜70%……なんていうことも。残りの30〜40%が失敗している状態なら、完全に覚えたとは言えないですよね。中途半端なところでやめてしまったトイレトレーニングを教え直して、成功率100%を目指しましょう!」

ポチパパ流のトイレトレーニングは、留守番が多い家庭でも成功へと導けます。トイレの問題に悩んでいる方はぜひ試してみてください。

【教えたのに失敗するときの対処法】

(1)成功したらどんちゃん騒ぎ作戦で印象付ける

犬がトイレを成功したら、一緒に部屋中を走り回って「やったぞー!」とどんちゃん騒ぎを。ほめるだけの場合より成功を印象付けられます。トイレの成功率が70%くらいなら、これだけで100%に近づけられます。

(2)失敗したところにトイレシートを敷いて、数を徐々に減らしていく

犬が粗相するすべての場所にトイレシートを敷いてマスキングテープでとめます(トイレトレーは不要)。まずは「トイレシートの上」での排泄を成功させます。

トイレシートで排泄できたら思いきりほめます。

よく排泄する場所のトイレシートを残してそのほかを片付けていきます。

2、3箇所まで絞れたら、そこをトイレにします。トイレトレーを置いてもOKです。

トイレの場所に不都合があって移動したい場合は、1日につき5cmずつ希望の場所へ動かしましょう。

犬のトイレの悩み2:トイレシートからはみ出す

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「トイレを覚えているのにはみ出してしまうお悩みもよく聞きます。前足はトイレシートの上に乗っているのに、おしりがはみ出しているケースです。単純にトイレのサイズが小さい場合が多いので、小型犬でもワイドサイズ(約45×60cm)以上に変えるだけで失敗が減らせますよ。

犬のトイレはスペースをとるので小さくしたい気持ちもわかりますが、まずは広くて快適なトイレ環境を整えましょう」

【トイレシートからはみ出すときの対処法】

(1)へりが高いトイレトレーを使う

トイレシートを大きくしてもはみ出す場合、「前足が乗っていれば成功」と勘違いしている可能性大。トイレと床の境目がわかりやすいように、へりが高いトイレトレーを使ってみましょう。トイレシートのうえで排泄できたときにほめて、「前足も後ろ足も乗っていれば成功」と教え直して。

(2)トイレをワイヤーネットで囲う

トイレトレーを変えても成功率が上がらなければ、トイレのスペースがわかりやすいように周りをサークルや100円ショップのワイヤーネットなどで囲います。

犬のトイレの悩み3:同じ場所で失敗する

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「トイレトレーニングをしたのにいつも同じ場所で粗相する場合、犬が排泄したくなる理由があるはずです。たとえば、におい、外の音や気配、環境が好み……など、犬に聞かなければわからないこともあるので、考えられる理由を消去法でひとつずつ除いていくのが対処法になります」

【同じ場所で失敗するときの対処法】

(1)においを消す

徹底的に掃除しているのに、特定の場所で粗相を繰り返している場合、掃除をしてもにおいが残っていて、また排泄したくなってしまっている場合もあります。まずは消臭剤でにおいをなるべく消してみて。

(2)失敗する場所をトイレにする解決法もある

飼い主さんが困らなければ、失敗する場所にトイレを移動するか、新しくトイレを設置するのが一番手っ取り早い方法です。

いかがでしたか?

「トイレトレーニングの途中で犬が粗相しても、叱ったりしないで素早く片付けるのも成功のポイント。叱られた犬が“トイレで排泄しなかったからだ”と理解できればいいのですが、“家族の見ているところで排泄したからだ”と勘違いして、ずっとトイレを我慢して病気になったり、目立たない場所でこっそり排泄したりするようになることも。

トイレトレーニングはもちろん、犬のしつけは、飼い主さんは自信を持って大らかな気持ちで教えることが大切ですよ」

子どものトイレトレーニングと同じように、犬が自主的にトイレに行って排泄できたら成功です。覚えるまでに時間がかかる犬もいますが、トイレの習慣は一度身につければそう簡単には忘れません。100%の成功を目指して繰り返し教えてくださいね。


 

北村紋義 “ポチパパ”

ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)、ドッグスクールポチパパ代表。初めて迎えた犬の名前が「ポチ」だったことから“ポチパパ”という愛称で親しまれている。2012年から犬の保護活動をはじめ、多くの問題行動改善にも取り組む。犬と向き合う様子を配信するYouTubeポチパパちゃんねる【保護犬達の楽園】」は、登録者数25万人を超える人気チャンネルになっている。

202361日に『ポチパパ流 犬のしつけ大全 お困り行動解決編』を発売。

金子志緒
金子志緒

ライター/編集者。レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作を行う。得意分野はペット、防災、医療、PRなど。甲斐犬のサウザーとおもしろおかしく暮らす。愛玩動物飼養管理士1級/防災士/いけばな草月流師範。

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