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子犬の性格が分かる【性格チェックリスト付き】タイプごとのしつけ&しつけの基本の「き」とは

子犬はみ〜んな元気いっぱいに見えますよね。しかしよく見ればちゃんと性格がわかります。『犬のしつけ大全』(KADOKAWA)の著者・北村紋義さんこと“ポチパパ”に子犬の性格の見分け方を聞いてみました!
子犬を迎えたら、家庭のルールとマナーを教えるしつけも始めますよね。まずは「おすわり」から……と思っていませんか? もっと大切なしつけの基本の「き」から始めてくださいね。

子犬の行動を見れば本来の性格がわかる

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子犬と初めて会ったときの様子をチェックすれば生まれもった性格がある程度わかります。すでに犬と暮らしている方も、子犬との初対面の様子を思い出してみてください。飼い主さんが本来の性格を知っておいたほうが犬に適したしつけや暮らしができます。「子犬を迎えるにあたって、どんな犬がうちの家族に合う?【相性チェックリスト】をみてみよう!」に続き、子犬の性格がわかるチェックリストを紹介します。

「犬は経験や学習によって行動を変えることもありますが、『三つ子の魂百まで』ということわざのとおり、生まれもった性格はほとんど変わらないのです。『氏より育ち』とも言うように飼い主さんの育て方や生活環境も多少影響しますが、根底にある本来の性格を知っておいてくださいね」(以下「」内、北村さん) 

[子犬の性格チェックリスト]

1)〜(3)の中で子犬の当てはまる行動や近い行動を選びましょう。チェックするときは子犬を怖がらせないように気をつけて!

 

子犬に呼びかけたときの反応は?

1)喜んではしゃいでいた

2)興味津々で見つめてきた

3)身動きしないで固まっていた

 

子犬に手を差し出したときの反応は?

1)突進してきて指や手をかじった

2)寄ってきてにおいを嗅いだ

3)なかなか近寄ってこない

 

子犬を触ったときの反応は?

1)興奮してジタバタしていた

2)気持ちよさそうにリラックスしていた

3)体に力を入れて緊張していた

 

子犬の近くで手を叩いたときの反応は?

1)気にしないでゴキゲンな様子

2)動きを止めたがすぐ動き始めた

3)固まってなかなか動かない

 

子犬が初めて見たものへの反応は?

※犬がかんでも安全な大きいおもちゃなどを見せましょう。

1)走り寄ってなめたりかじったりしていた

2)ゆっくり近づいてきてにおいを嗅いでいた

3)距離を置いて近寄ってこなかった

 

子犬同士の過ごし方は?

1)積極的に遊びに誘うが、空回りしていることもあった

2)遊びに誘うこともあれば誘われることもあった

3)他の子犬を避けたり、追い払ったりしていた

気になる子犬の性格は?3つのタイプを確認しよう

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上記6つの質問の答えを選んで、最もチェックがつく項目が多かった番号が子犬の本来に近い性格です。それぞれのタイプに合わせたしつけのアドバイスも紹介しましょう。

(1)のチェックが多かった子犬は「やんちゃ」タイプ

はしゃいで興奮しやすく活発なタイプなので、日常的に落ち着く練習を取り入れましょう。たとえば家でくつろいでいるときにほめたり、遊びの途中で休憩を取り入れたりすると、クールダウンが習慣になります。飼い主さんが興奮する犬に釣られないように、低い声でゆっくり話すこともポイントです。

子犬がなかなか落ち着かない場合、ジョギングなどの運動で有り余るパワーを発散させる機会をつくったほうが落ち着きやすいかもしれません。

(2)のチェックが多かった子犬は「穏やか」タイプ

気持ちのアップダウンが比較的少なく、過剰に興奮しないタイプ。マイペースな一面もあるので、家族と一緒に散歩や外出を楽しむ時間をつくりましょう。思いがけない時間に散歩に行ったり、新しいおもちゃをプレゼントしたりする小さなサプライズを取り入れると、日常生活にメリハリが出てマンネリを防げます。

飼い主さんが興奮を煽るように接していると「やんちゃ」タイプに、心配して過保護に接していると「繊細」タイプに変わることも。長所の穏やかな性格を伸ばすように育ててください。

(3)のチェックが多かった子犬は「繊細」タイプ

警戒心が強くて慎重なタイプです。人見知りをするので家族に慣れるまで時間がかかることもありますが、心を開いてくれたあとは強い絆ができるでしょう。ただし、飼い主さんがぐいぐい距離を縮めると怖がられることもあるので、子犬のほうから近寄ってくるのを待ったほうが仲良くなれます。

子犬の社会化期(生後1216週齢ころまで)にいろいろな人、犬、物事などに慣れる社会化の練習をすると、警戒心が多少やわらぐことがあります。

最初に教えるのは!「名前」と「ほめ言葉」と「NOの言葉」の3点セット

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日常生活のなかで「○○ちゃん」と呼んで「いい子」とほめたり「ダメ」と言ったりするシーンはありますよね。自然に覚えると思うかもしれませんが、じつは家族の声に反応しているだけというケースも少なくありません。子犬を迎えたら意識して「名前」と「ほめ言葉」と「NOの言葉」を意識して教えましょう。

名前の教え方

犬にとって名前は「自分が呼ばれた」と認識するための大切な言葉です。子犬に声をかけるとき、最初に名前を呼んだほうが早く覚えます。「○○ちゃん、ごはんだよ」「○○ちゃん、散歩に行こう」「○○ちゃん、いい子!」など、積極的に名前を呼びましょう。最初は室内で呼びかけてしっかり名前をインプットし、それから庭や散歩のときに呼んだほうがスムーズです。

ほめ言葉の教え方

まずは家族でほめ言葉を統一しましょう。「よしよし」「いい子」「お利口」など、短い単語なら何でもかまいません。犬をほめる目的は「その行動は正解」と教えること。クイズ番組の「ピンポーン」という音と同じ意味があるので、正解の言葉がコロコロ変わったら犬は混乱してしまうからです。

ほめ言葉を口にするときは明るい気持ちや口調を心がけ、犬に笑顔を向けるとより伝わりやすくなります。

NOの言葉の教え方

ほめ言葉と同じようにNOの言葉も家族で統一しましょう。「NO」「ダメ」「コラ」などの短い単語がおすすめ。飼い主さんが勘違いしやすいのですが、NOの言葉は「叱る言葉」ではなく、「その行動は不正解」と伝えるために使います。クイズ番組の「ブッブー」という音と同じですね。

NOの言葉を言うときは、大げさに「全然違う!」という気持ちを込めて低い声を出し、喜んでいないことを表情で伝えましょう。

ただし、犬に不正解を伝えたあとは、必ず正しい行動もセットで教えてください。犬は何が正しいのかわからないので混乱してしまいます。

子犬に家庭や社会のルールを教えよう!

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子犬を迎えたばかりのころは「かわいい」で頭がいっぱいになって、なかなかしつけのことまで考えられないものです。しかし「まだ子犬だから」と甘やかしていると、犬は「飼い主さんは何でも言うことを聞いてくれる」と勘違いして主張や要求が強くなっていきます。

「最初はかわいいワガママだったとしても、成長とともに問題行動に発展することも少なくありません。“1歳まではいい子だったのに……”と困っている飼い主さんの声を聞くと、やはり初めが肝心だと思います。

犬は社会性のある動物で、野犬の群れでさえルールがあるのです。子犬に家庭や社会のルールを飼い主さんが教えてあげましょう!」


 

北村紋義“ポチパパ”

ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)、ドッグスクールポチパパ代表。初めて迎えた犬の名前が「ポチ」だったことから“ポチパパ”という愛称で親しまれている。2012年から犬の保護活動をはじめ、多くの問題行動改善にも取り組む。犬と向き合う様子を配信するYouTube「ポチパパちゃんねる【保護犬達の楽園】」は、登録者数25万人を超える人気チャンネルになっている。

202271日に『ポチパパ流 犬のしつけ大全』を発売。

金子志緒
金子志緒

ライター/編集者。レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作を行う。得意分野はペット、防災、医療、PRなど。甲斐犬のサウザーとおもしろおかしく暮らす。愛玩動物飼養管理士1級/防災士/いけばな草月流師範。

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