「他人との距離感をつかむのが苦手です。レミさんは“この人とは合わない”と思ったときはどう対応していますか?」(香川県在住Hさん/44歳・会社員)
null他人とほどよくつき合うための距離が、歳をとるごとにわからなくなっている自分がいます。包容力や忍耐力がどんどんすり減っている感じで、世間話をしていても、適当にあしらうことが苦痛になってきました。職場でもイライラ、モヤモヤしてしまうことも……。 レミさんは、いろいろなタイプのかたとお仕事をし、お嫁さんなど家族も増え、みなさんから慕われてらっしゃって本当にうらやましいです。上手な人づき合いのコツはなんですか? また、「この人とは合わないな」と感じたときはどう対応しているのか、教えてほしいです。
Hさんはやさしい人ね。私は「イヤだな」と思ったら、二度とつきあわない!
包容力や忍耐力をすり減らしながらも、上手に人づきあいをするにはどうしたらいいのか。そうHさんが悩むのは、あなたがまず相手の立場を考える、やさしい人だからだと思います。でも、相手はどうだろう。Hさんの苦痛や我慢を感じとってくれているかしら。
私は、自慢する人が大っ嫌い。この服のブランドがどーの、夫の会社がどーの、息子の大学がどーの。はてには飼っている犬のことまで延々と自慢する人がいるでしょ。それから、口を開けば噂話や他人にダメ出しするタイプの人。そういう人の話には“実”がまったくないし、面白くもなんともない。
こっちの話も全然聞いてないしね。私もたまに、そういう人と仕事などでやむを得ず会うことがあるけれど、そのときは黙って話を聞き、もう二度と会わない。イヤなことはしない主義なのです。
おひとり様上等!無理して人とつきあうのは時間と心の無駄
「他人とほどよくつき合うための距離」に悩むくらいだから、Hさんはひとり時間が苦ではないのよね。そうだとしたら、無理して聞きたくもない話に相づち打って愛想笑いするのは、大切な人生時間の消耗でしかない。それに、そんなことに悶々としていると本当に人嫌いになっちゃって、心から気持ちを分かち合い、一緒に笑える人との出会いの機会まで失ってしまうかも。
「つき合いが悪い人」と思わせたら、こっちのもの。 向こうから放っておいてくれるからね。おひとり様上等!で、毎日を気持ちよく過ごすことに心を砕きましょ。
構成・文/神史子 イラスト/やまなかゆうこ
料理愛好家・シャンソン歌手。1972年にイラストレーターの和田誠さんと結婚後、主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。数々のアイディア料理を発信中。また、「レミパン」やエプロン、調味料などの開発も手がける。エッセイ『おいしい子育て』(ポプラ社)は、第9回 料理レシピ本大賞のエッセイ賞を受賞。近著『エプロン手帖』(ポプラ社)『平野レミのオールスターレシピ』(主婦の友社)も好評発売中。https://remy.jp/