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すべてを食べつくし、散らかし放題の息子たちにうんざり…レミさんは息子さんとどう闘っていましたか?【平野レミの痛快!人生相談#11】

悩み多き人生に楽観と笑顔を! 料理愛好家で人生のエキスパート・平野レミさんが、あなたの「困った」「辛い」「どうしたらいいの?」に痛快&実用的アドバイスでお答えします。

「怪物くんたち(息子)の底なしの食欲と、荒れ放題の部屋に、もううんざりです…」(神奈川県在住Sさん・43歳・会社員)

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フルタイムで仕事をしている高校2年生と中学3年生の男子の母です。長男はサッカー部、次男は剣道部というゴリゴリの体育会系です。長男は高校に進学した頃から食欲が大幅にアップし、ご飯は毎食どんぶり二杯は当たり前。そして、負けず嫌いなのか次男までガツガツ食べるようになりました。おかずを大皿にどんと出しても、私がテーブルに着く前に半分消えます。米一升も3日ともちません(夫もよく食べます)。冷蔵庫の漬けものですら「ポテトチップスと一緒に食べたらおいしかった」と瞬殺。 泥と汗にまみれた臭いユニフォームは脱ぎっぱなしで、部屋はもちろん荒れ放題。仕事から疲れて帰った私を待っているのは「腹減ったー!」の大合唱。息子さんふたりを育てたレミさん、どうやったら怪物くんたちを制圧できるのか、コツを教えてください!

我が家の炊飯器は一升炊き。お弁当も2〜3食分を持たせていました

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うちも息子たちが独立するまでは、毎朝一升のお米を炊き、それが夜にはきれ〜いになくなるという毎日でした。そしておかずは、大皿を食卓に並べてもあっという間に消えるのでした、マジックのように(笑)。

高校時代の3年間に至っては、お弁当も毎朝2〜3食分持たせて送り出していたの。1限目と2限目の間に一食、お昼に一食、放課後にも一食必要だから……って。それでも、帰宅時には「お腹空いたー!」って、玄関からダイニングに飛び込んでくるのが日常でした。

でもね、私はそんな息子たちが愛おしかった。だって、嬉しいじゃない? 私の料理をもりもりとご飯粒ひとつ残さず食べて元気に育ってくれて、それが“息子”の醍醐味よ。なによりの親孝行だと思うの。

ほんの数年後には、怪物くんたちを懐かしむ日が必ずやってきます

それに、いまは大変でも、そんな“醍醐味時間”は長くは続かないの。あっという間にふたりともいなくなっちゃうんだから。独立して、たまにごはん食べにきても「じゃ、家に帰るから」って、本当に帰っちゃうからね。「何言ってんのよ、ここがお前の家じゃない!」ってもう、寂しいったらありゃしない。

とにかくお腹がいっぱいになればいいんだから、Sさんも思い切って一升炊きの炊飯器に替えちゃうとか、時間があるときに、ご飯とカレーをいっぱい作って、小分け冷凍しておくとか、ガツンと満腹感のある間食を常備しておいたらどうかしら。

ほんの数年後には、ご飯を食べ尽くし、散らかし放題だった息子たちを懐かしく思う日が必ずやってきます。いまのうちに息子さんたちとの好戦を、存分に楽しんでおいてくださいね。

 

構成・文/神史子 イラスト/やまなかゆうこ

平野レミ
平野レミ

料理愛好家・シャンソン歌手。1972年にイラストレーターの和田誠さんと結婚後、主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。数々のアイディア料理を発信中。また、「レミパン」やエプロン、調味料などの開発も手がける。エッセイ『おいしい子育て』(ポプラ社)は、第9回 料理レシピ本大賞のエッセイ賞を受賞。近著『エプロン手帖』(ポプラ社)『平野レミのオールスターレシピ』(主婦の友社)も好評発売中。https://remy.jp/

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