今回は、孫のいる男女248人に「孫の育児をサポートしているときに“負担が重い”と感じること」について聞いてみました。
上位5つの回答をご紹介します。
5位:孫の親に気をつかう(10人)
nullシニア世代の声からは、自分の子どもではないからこそ、気をつかう場面もあるという本音が聞こえてきました。
「夫婦とも帰宅時間が午後7時過ぎのため子どもがお腹をすかしているが、食事を与えないように言われている」(70歳・男性/その他)
「けがをさせないようにと気をつかっています」(72歳・女性/主婦)
「孫の食事に気をつかう」(51歳・女性/その他)
「体調が悪くなったときに、親に聞いてから対応しようと思ったら気をつかう」(68歳・女性/主婦)
「幼い子どもは少しのことでも命に関わるので、精神的にとてもしんどいです!」(65歳・女性/総務・人事・事務)
同居の場合を除き、自分が主体的に育てた子どもとは異なり、孫は“預かる”という意識が根底にあるようです。「何かあったら」と考えると、子育てのとき以上に気を張った状態になってしまうのかもしれません。
4位:ぐずったり、言うことを聞かないときに大変(13人)
null幼い子どもは、いつも機嫌がよく、言うことを聞いてくれるわけではありませんよね。ぐずったりわがままを言ったときの接し方に難しさを感じる声も多く集まりました。
「孫が無理難題を押し付けること」(53歳・男性/営業・販売)
「なめられているので、言う事を聞いてくれない時負担に感じる」(70歳・女性/主婦)
「叱っていいのか、それともやりたい放題にさせておくのか見極めが難しい」(83歳・男性/その他)
「決まった以上のおやつを欲しがったときに、厳しく言っていいものかどうかで悩むことが多いです」(71歳・男性/その他)
ぐずって仕方がないから、お菓子をあげたら、孫の親から「甘やかさないで」と注意されたり……。「どこまで叱っていいのか」「どこまで甘やかしていいのか」のさじ加減を見極めながら接するのは、エネルギーを要するようです。
3位:急な依頼に対応するのが大変(14人)
null子育て中の共働き夫婦の家庭では、おじいちゃん・おばあちゃんが強力なサポーターとなっている家庭は少なくありません。その一方で、こんな声も聞こえてきます。
「夫婦共稼ぎのため、やはり病気の時はこちらで対応が必要になる」(72歳・男性/その他)
「会社を急に休んで、面倒をみてもらいたいと言われること」(58歳・女性/営業・販売)
「病気の孫を預かること」(57歳・女性/主婦)
病気のときには、通常時よりもきめ細かなケアが必要となりますし、急な体調変化も想定されます。親でも1日中の看病はクタクタになりますが、「助けてあげたいけど、大変」という本音を抱えているシニア世代は多いのかもしれません。
2位:孫ケアの頻度が高い(15人)
null孫と近居・同居の場合、夕飯作りやお迎えの役割分担が固定しているシニア世代も見受けられました。
「4日連続サポートはきつい」(67歳・男性 /コンサルタント)
「小学校の帰りに、自分の家の前に、まず私の家に帰ってくる。共働きなので仕方ないが、毎日おやつや、場合によって夕飯も出し、負担が大きい」(66歳・男性/その他)
「近くにいるもので、しょっちゅう入り浸っている」(69歳・男性/その他)
「数時間ならともかく丸1日孫を預かるのは食事から排泄、遊び相手で体力的にきついです」(66歳・男性/公務員)
過去記事、「『大変』&『嬉しい』だけじゃなかった!『孫育てをして思うこと』祖母たちの複雑な本音は…」では、サポートに対する感謝の言葉がないことを残念に感じているシニア女性の声が集まりました。頻繁に預かったもらっている場合は、気遣いの声や定期的な分担量の見極めが必要になってくるのかもしれません。
1位:体力的にきつい(23人)
null今回のアンケートで最も多かったのが、体力的な負担。昔、子育てをしていた頃と同じように子どもを追いかけたり、思い切り遊んだりするのは「もう無理」との声も。
「元気がよすぎて、こちらがクタクタになる」(58歳・女性/主婦)
「ひとときも目が離せないし、騒々しくて疲れる」(68歳・男性/その他)
「孫は元気で疲れを知りませんが、当方は老人なので追いつけません。とかく疲れます」(70歳・男性/その他)
子育ては体力を要するものです。とくに、「1日中面倒を見るのは疲れてしまう」という声が目立ちました。シニア世代の年齢と体力を踏まえると、より負担が大きく感じられるのではないでしょうか。
育児中の親にとって、子育てを長い目で見つめることができる祖父母の存在は大きいものです。また、子どもや孫から必要とされることで、豊かな人間関係の中で、生活の張り合いを保っているシニア男女もいらっしゃることでしょう。
とはいえ、年齢と体力のキャパシティを超えたケアを担うことを負担に感じている人も少なくないようです。「どこまでならサポートできるか」という点は、こまめにアップデートしていく必要があるようです。