子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

親戚間のお年玉モヤモヤ事情「うちは一人っ子なのに…」「独身だから渡す一方」リアルでは言いにくい本音

子どもの頃はうれしかったお年玉ですが、大人になると多くの人は子どもたちに手渡す立場となります。あの頃のうれしさや喜びを大人になって還元する、と書けば聞こえはいいですが、子どもの有無や人数の差によっては「自分ばっかりお年玉をあげている」といったモヤモヤ感をもつ人もいるのではないでしょうか?

そこで今回『kufura』では、20代から60代の男女465人にアンケート調査を実施。お年玉に関する“モヤっとしたこと”について伺いました。

1:子どもがもらう額よりあげる額のほうが多い

null

渡す相手が一人っ子家庭の場合、お年玉は1人分。一方で子どもの人数が多いと、人数分のお年玉を渡す必要があります。もし自分たちが一人っ子の場合、子どもが多い家庭にお年玉を人数分渡すのは、なんとなく損をしている気がする。そんなふうに思ってしまう人は少なくないようです。

「私の子どもが1人で、従兄弟たちは子どもが3~4人。あげる額より渡す額が圧倒的に多い」(40歳/男性/その他)

「兄弟の数が違うので、毎年中身の金額については考えながらもやっとします」(48歳/男性/コンピューター関連技術職)

「夫の弟妹家族が勢ぞろいすると、子どもが7人も来る。うちの子もいただくから、申し訳ないと思う反面、7人分のお年玉は痛い」(50歳/女性/その他)

「うちは一人っ子なので、子だくさんの親戚とのお年玉交換は物凄くモヤっとします」(55歳/女性/主婦)

一人っ子の人が「損をした」と感じるのは、お年玉としての支出額と比較すると、収入が少ないから。しかしその収入は本来親のものではなく、子ども個人のものです。たとえ一人っ子でもその子が満足するのなら親は損も得もないはずですが、なかなかそう思えないのもうなずけます。親戚間で金額の折り合いがつけられたらいいのですが、お金の話題は言い出しづらいものですよね。

2:独身または子どもがいないので、一方的に渡す側になる

null

今の世の中、独身、もしくは結婚をしても子どもがいない夫婦は珍しくありません。きょうだいや親戚の子どもがいた場合はお年玉をあげるけれども、自分に子どもがいないとなんとなく損をしたような気になる。そんな本音が垣間みえました。

「私には子どもがいないので、永遠にまわりにあげ続けるだけになって、なんだか不公平。相手側も気付いて、何かお礼みたいなものを贈ってくれてもいいのになぁ~~と思う」(53歳/女性/その他)

「自分に子どもがいないので、毎年渡すだけになっているのが辛い。渡してもあまり感謝されていない気もしていて、いつまで渡すべきか迷っている」(43歳/女性/その他)

「独身なのであげることしかない」(44歳/男性/その他)

「私は子どもがいないのに、お年玉を渡すばかりで損だと思います」(46歳/女性/総務・人事・事務)

こういったコメントみると、子どもがいる人は「独身の人からお年玉をもらうのは控えたほうがいいのでは?」と思うかもしれません。実際に今回「独身の妹から子どもにお年玉をもらうがお返しできないのが引っかかる。別のところで返そうとしても断られる」(52歳/女性/その他)といった意見もありました。果たしてどうするのが正解なのでしょうか?

3:お年玉をあげて、無礼な態度をとられたとき

null

せっかくお年玉をあげるなら喜んでほしいし、やはり「ありがとう」の感謝は欲しいもの。しかし子どもは大人と違って本音と建て前をうまく使いこなせず、時に無礼なことを言ってしまうこともあるでしょう。子どもだから仕方がないのかもしれませんが、無礼な態度や言動をされるとやはり腹が立つ、という声です。

「その場でお年玉袋を開けて“いくらだった”と言われた」(49歳/男性/総務・人事・事務)

「その場で開封して、金額が少ないと舌打ちされた」(33歳/男性/金融関係)

「甥っ子の子どもに毎年お年玉をあげるけど、お礼を言われたことがない」(52歳/女性/主婦)

「お年玉をあげた時に態度が悪かったので激怒したら、来年から来なくなりました。もらって当たり前という感覚はイラっときます」(54歳/男性/その他)

一方、自分の子どもがお年玉をもらったときにこのような態度をとったら? 多くの親は子どもに注意するか、人によっては激怒することもあるのではないでしょうか。お年玉のやりとりは親にとって、自分の子どもがしっかり礼儀を身につけているか試される機会なのかもしれません。

4:“お年玉”という制度にモヤモヤする

null

なぜお正月にお年玉をあげなければいけないのか? お年玉の由来は、お正月に歳神様を迎えるために神棚に備えられた丸餅を頂き直し、家長が家族に振舞ったという説が有力だといわれています。しかし今の時代、丸餅だけでは正直ありがたみが薄れてしまっているのも事実です。

「自分は姉の子どもにあげて、姉は私の子どもにあげる。同じ金額でやり取りしているだけなのに意味あるのかな~?とは思う」(49歳/女性/総務・人事・事務)

「この風習は必要なのかと思ってしまう」(51歳/男性/その他)

「親戚が見栄を張って子どもに高額のお年玉を渡すが、自分たちは高額なお年玉は渡せない。いっそのこと、お年玉なんてなくなればいいのに」(58歳/女性/その他)

「イベントとして新しくないです」(41歳/男性/学生・フリーター)

こういった人も、子どもの頃は何も考えずにお年玉をもらって喜んでいた経験があるのではないでしょうか。子どもの頃の喜びやワクワク感を今の世代の子どもたちに還元する。そんな気持ちでいれば、モヤモヤ感も薄れるかもしれません。

そのほかこんなモヤモヤも…

null

「中学生の甥に電子マネーで欲しいと言われた」(34歳/男性/その他)

「毎年お年玉をもらいに来ていた甥が、もらいに来なくなりました。何があったのか?」(45歳/男性/学生・フリーター)

「現金を準備するのが面倒なのであげなかったら、姪っ子たちからの人望を失った」(42歳/男性/その他)

「お年玉を用意しているのに結局お正月に会わないことが多く、渡しそびれる」(47歳/女性/主婦)

「親戚ほぼ全員独身で子どもがおらず、お年玉をあげたくてもあげられない」(41歳/男性/コンピューター関連以外の技術職)

日本の伝統的な風習であるお年玉。しかし価値観やライフスタイルの多様化によって、昔ながらのやり方が正解とは限らなくなりました。何せ今の時代は現金ではなく、電子マネーが正解という人もいるのです。

 

この先いつかお年玉は“面倒くさい昔ながらの風習”として廃れてしまうのでしょうか? たしかにモヤモヤの原因を完全に解消するのは難しいかもしれませんが、“お年玉は、子どもがお金や礼儀について学ぶ機会ととらえられるといいかもしれませんね。

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載