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「やっぱひとりっ子最高!」「きょうだいが欲しかった…」大人になって感じるひとりっ子のメリットデメリット

子どもの頃と大人になってから、兄弟姉妹との関係性が変わってきたと感じている人はいませんか? 良い変化もそうでない変化もあると思いますが、ひとりっ子の方はどうでしょう。

『kufura』では、きょうだいのいない20代以上の男女に「大人になってから、ひとりっ子で良かったと感じることはありますか?」というアンケートを実施。112名から回答を得ました。ひとりっ子の割合は年々増加しており(※)、2021年の調査では持続期間15~19年の夫婦で「子どもが1人」である割合は19.7%(2002年では8.9%)。これからもその割合は増えていくことが予想されます。現在ひとりっ子を育てている親御さんにも参考になる内容かもしれません!

「ひとりっ子で良かったと思わない」が4割弱

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まず「大人になった今、“ひとりっ子で良かった”と思いますか?」という質問に対しての結果は以下の通り。

思う・・・35人(31.3%)
思わない・・・43人(38.4%)
どちらともいえない・・・30人(30.4%)

「良かったと思わない」が最多ではありましたが、「思う」「どちらとも言えない」もそれぞれ3割と、大きく3つに意見が割れる結果となりました。

「ひとりっ子で良かった」派の意見

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「兄弟との人間関係に悩むことがない」(29歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)

「兄弟喧嘩をしなくて済む」(49歳女性/その他)

「悠々自適に過ごして喧嘩することもなく幼少期をすごせたから」(40歳女性/その他)

兄弟と揉めたりケンカすることがないから楽!という人や、

「自分で何でもしようと思える」(39歳女性/営業・販売)

「1人で出かけることに抵抗がない。財産分与など気にしなくて良い」(29歳女性/学生・フリーター)

「自分に自信がもてるから」(49歳女性/主婦)

1人であることで自立心や自分への自信が育まれた点が良かったという人。

「欲しいものはある程度は手に入ったから。が、親を亡くした後、1人で取り仕切るのは大変だった」(72歳女性/主婦)

「服や習い事等にお金をかけてもらえた」(56歳男性/その他)

「親の愛情をひとりじめできた」(62歳女性/営業・販売)

きょうだいがいない分、親の愛情や興味関心、お金をより享受できたという実感がある人も多いようです。

「結婚や仕事、子どもの有無などいろいろ比較されなくてすむこと」(39歳女性/その他)

「子どもの頃は兄弟が欲しかったのですが、比較されることもないし、大人になってひとりっ子で良かったと思っています」(48歳男性/その他)

育つ過程でもそうですが、大人になってみるとさらに「きょうだいと比較されないのは楽」と感じることが増えるのかもしれません。

「父が亡くなった時の手続きが楽だった」(59歳女性/その他)

「相続で揉めることなく、弁護士ともスムーズに法的処理が済んだ」(51歳男性/その他)

「きょうだいで争うことなく相続について自分で全て決めることができるのでスムーズに物事が進んだ」(47歳男性/営業・販売)

親が亡くなった際、きょうだいがいると財産の分与がスムーズにいかないこともあると聞きます。ひとりで全ての手続きをするのは大変ですが、「揉めるよりはラク!」と感じる人が多いのも事実のようです。

「ひとりっ子で良かったとは思わない」派の意見

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「子どもにおばさんおじさんがいない」(34歳女性/会社経営・役員)

「兄弟喧嘩の思い出話をしてみたい。母の日や父の日のプレゼントを一緒に考えたかった」(23歳女性/学生・フリーター)

「家族は多い方が楽しいと思う。相談できる人も増える」(40歳男性/その他)

「大人になっても兄弟で仲の良い人をみると羨ましい」(41歳女性/公務員)

子どもの頃も今も、きょうだいがいたら楽しかっただろうなあ、と思っている人。

「親の介護などが心配になる時期にきて、1人ですべての責任を負わなければいけない重圧がきつい」(36歳女性/金融関係)

「親の介護、お墓の管理などが不安」(44歳女性/総務・人事・事務)

親の介護のときや、亡くなったとき。自分ひとりで手続きなどをしないといけないというのは大変なことです。同じ状況でも、「きょうだいがいたからといって必ず助け合えるとは限らない」と考える人は「ひとりっ子で良かった」と回答しているでしょう。ひとりっ子の中でも意見が分かれるところかもしれません。

「何でも相談できる相手がいなくてひとりで抱え込んでしまうことが多いから、兄弟がいれば話し相手になってもらえるなと思う」(35歳男性/総務・人事・事務)

「何かあった時に頼る相手がいない」(39歳女性/その他)

「話し相手、相談相手として兄弟は欲しかった」(68歳男性/その他)

友人には言えない悩みも家族になら言えることも。相談相手としてきょうだいがいたら良かったのになと考えている人。

「父も母も鬼籍に入っているため、自分にとっての一番近い親族は子どもしかいない」(49歳女性/総務・人事・事務)

「親が亡くなれば、血のつながった身内が自分の子どもしかいない。妻もひとりっ子なので子どもにいとこがいない」(49歳男性/その他)

自分がひとりっ子なことで、子どもに親戚が少なくなるのが気になるという人もいました。

子どもの頃と感じ方は変わった?

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続いて、「ひとりっ子であることに対する気持ちは、大人になってからと現在とで変わりましたか?」という質問をしました。ひとりっ子で良かったと思う/良かったと思わない/どちらともいえないそれぞれの回答とともにお伝えします。

現在「ひとりっ子で良かった」と考えている人

「子どもの頃から今も心底ひとりっ子で良かったと思う」(41歳女性/主婦/思う)

ときっぱり答える人が多くいました。

「子どもの頃は兄弟がいなくて寂しかったが、今は寂しくない」(29歳女性/学生・フリーター/思う)

「特に変わっていません。私の場合一歳下の従妹が居たのでその子が妹のような存在だったので寂しいと思ったこともなく、ひとりっ子と兄弟のいる子のいいとこどりをしたような感覚だったなぁと思います」(34歳女性/総務・人事・事務/思う)

「兄弟がいるとマイペースが保てなくなりそうなのでずっとひとりで良かったと思います」(39歳女性/その他/思う)

「子どもの頃は比べられる事にあまり敏感ではありませんでしたが大人になってからは敏感になりました。ひとりっ子はその点がラク」(48歳男性/その他/思う)

「子どもの頃は、姉妹兄弟がいる友人がうらやましかった。今は、友人の話から、姉妹兄弟間で、遺産相続でもめることを聞き、ほっとしている」(72歳女性/主婦/思う)

以上のような意見も。

現在「ひとりっ子で良かったとは思わない」と考えている人

「変わらないです。ずっと兄弟が欲しかったです」(28歳女性/その他/思わない)

という人が最も多かったですが、そのほかにも様々な意見が。

「子どもの頃は一緒に遊んだりできる兄弟の存在が羨ましかったが、大人になってからは自分の子どもに従兄弟を作ってあげたかったという気持ちがある」(34歳女性/営業・販売/思わない)

「子どもの時よりは気が楽だと思うようになった」(35歳男性/その他/思わない)

「ひとりっ子だと親の干渉がずっと続く気がする」(37歳女性/主婦/思わない)

「兄弟や姉妹がいるとケンカをするから、ひとりっ子が羨ましいとよく言われたけど、ひとりっ子は遊び相手がいなくて寂しいです」(37歳女性/主婦/思わない)

「子どもの頃は良かったと思っていたが、大人になると淋しいし不安になる」(44歳女性/総務・人事・事務/思わない)

「子どもの時は、両親にとってただ1人の子どもで愛情を一身に受けていて幸せだったから、余計に今は寂しく感じる」(49歳女性/総務・人事・事務/思わない)

「親の介護がのしかかってくると特に兄弟が欲しかったと感じる」(61歳女性/主婦/思わない)

子どもの頃はひとりっ子で良かったけど、年々寂しくなった、大変になった……と思う人も増えていく印象です。

「どちらとも言えない」と考えている人

「子どもの頃は兄弟が欲しかったですが、周りの友人からはひとりっ子を羨ましがられていたので不思議でした。が、今になって何故羨ましがられていたのかがわかります。長男長女であれば我慢をさせられ、兄弟で比べられたり、ましてや1人の時間なんて以ての外です。今この歳になってから改めてひとりっ子で良かったと実感します」(23歳女性/その他/どちらともいえない)

「良かったと思うことが多い。昔は兄弟が欲しかったが、いまはいないならいないで、相続とかを考えると楽だなと思う」(32歳男性/総務・人事・事務/どちらともいえない)

「特に不満はないが兄弟がいたらどんな感じだろうといまだに思う」(33歳女性/営業・販売/どちらともいえない)

「特に変わらない。ただ親の面倒とかとなると相談出来る家族がいると良かったかなと思う」(41歳男性/その他/どちらともいえない)

「寂しい面もあるが煩わしそうな面もあってこれでいいのかなと」(45歳男性/その他/どちらともいえない)

「子どものころは、子どもながらも親の面倒を将来的に1人で見ていくことへの言いようの無い不安感を持っていました。大人になってからは、結婚して夫という心強い協力者ができたため不安感は無くなりました。また、現在存命の要介護5の母を介護施設に預けていますが、親の身の振り方や財産管理など全てわたしの決断で進めていけるので、決断は大変ですが自由意志で決定出来る点はとてもやりやすいです」(56歳女性/営業・販売/どちらともいえない)

「子どものころは分け合うということがなく玩具やお菓子などすべて自分の物だった。大人になり兄弟がいる知り合いで仲が良い兄弟なら欲しかったと思うし、仲が悪い兄弟の人を見ると居なくて良かった思う」(58歳女性/主婦/どちらともいえない)

「子どものころは兄弟が欲しかったが、相続のこととかもめたりしないので、1人がよかったのかとも思うが、年を取ってくるとさみしさもある」(60歳男性/その他/どちらともいえない)

「さすがに親の病気の時には兄弟がいたらなと思った。普段は1人でも大丈夫だから、今はひとりっ子で良かったと思う」(61歳男性/学生・フリーター/どちらともいえない)

「兄弟がいるというのが実感としてわからないので自分はひとりっ子としてしか考えられない」(67歳男性/その他/どちらともいえない)

「子どものころはひとりっ子が良いとか悪いとか考えたこともなかった。年とともにひとりっ子ではない方が良いと考えるようになった。身近な年代の近い親戚がいる方が心強い」(77歳男性/その他/どちらともいえない)

 

いかがでしたか? 自由を愛しひとりっ子を満喫する人、きょうだいがいないことで寂しさや不安を感じる人。同じ「ひとりっ子」でもいろいろなタイプの人がいました。

また、40代50代と年齢を重ねてくると、親の介護や相続などを経て心境に変化が起こることも多いよう。きょうだいがいる人もいない人も、それぞれに事情や都合があります。「どのような事柄でも、長所と短所があるものです」(74歳男性)という一言に、まさに……と感じ入りました。

(※)国立社会保障・人口問題研究所「現代日本の結婚と出産―第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書

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