PTAのメリットは「人脈」「学校のことがわかる」という意見も
null匿名性の高いインターネット空間では批判的な意見が目立つPTA活動ですが、まずは良い面を見てみましょう。
「PTAをやってよかったと感じたことはありますか?」という問いに対して、「ある」と回答したのは103人中21人。
その理由のほとんどが「学校や地域のことがよくわかった」「人脈が広がった」というものでした。
家庭と家庭の間の心理的な垣根が高くなって地縁が薄れる中、PTAが地域のネットワークの起点の役割を担うこともあるようです。
やはり負担感がネックか?3割が「改善したい」と回答
null一方で、「小学校のPTAに関して、嫌だったり、改善したいと思ったりしたことはあるか」という問いに対して、小中学生の子どもがいる女性の回答は、以下のような割合になりました。
ある・・・32.0%(33人)
ない・・・35.0%(36人)
分からない・・・33.0%(34人)
意見は1/3ずつに割れています。
ほぼ強制、共働き家庭にはムリ…くすぶる不満も
nullそれでは、「PTAに関して嫌だったり、改善したいと思ったことがある」と回答した女性たちは、どんな点を問題だと感じていたのでしょうか。皆さん、かなりの熱量をもって、その問題点をあぶり出してくれました。
「平日の昼間に会議とか、働いていたらできない事をいまだにやっている」(46歳/主婦)
「兄弟がいようがいまいが、卒業するまでに役員を務めなければならないことを改善してほしい」(36歳/主婦)
「息子が小学生の時に3回引越しをしたが、どの小学校でも役員をやった。だいたい1つの小学校にいると1人1回なので、引越し損をしている。強制じゃないはずなのに強制的に入るのはどうかと思う」(43歳/主婦)
「みんな嫌々やっているなら業者やアルバイトに委託しては」(38歳/主婦)
「書ききれません。1年半PTAの中枢にいました。組織の在り方自体がおかしい。変えようとしましたが反発にあい、挫折し傷つきました」(45歳/主婦)
「みんな1度は参加しなければいけないこと。病気でできないのに、わざわざ面接までして説明しないと免除してもらえないこと」(38歳/主婦)
「仕事もあり、作業時間が開始する時間に間に合わないため、少し遅れて行くと、影口を言われたりするのがいや」(31歳/主婦 )
「改善点がある」と回答された皆さんは、胸の中にかなりの不満をためこんでいたようです。不満の原因をまとめると
・活動は任意でありながら、半ば強制的であること
・負担感が大きいこと
・仕事との両立が難しいこと
・不公平感があること
ということに集約されているのではないでしょうか。
やっぱり「例年通り」がラク…改革は一筋縄ではいかない
null今回のアンケート対象者103人のうち、PTAの改善のために働きかけた経験を持つ女性は、11人でした。
しかしながら、その取組みは一筋縄ではいかないようです。
「本部役員として色々考えたが、結局変わらなかった」(45歳/主婦)
「日々の業務の忙しさを理由に、賛同を得られなかった」(45歳/主婦)
「仕事の偏りをなくそうとしたが、完全には無理だった」(43歳/主婦 )
「改善策を出しても押さえられる」(50歳/主婦)
改善すべき点の多いPTA活動であっても、自分が役についたときには、「改善のためにエネルギーを使いたくない。“例年通り”に業務をまわしていくのが一番ラク」と考える役員は少なくなくないのかもしれません。
一方で、2名という少数派ですが、
「活動時間が短縮した」(50歳/その他)
「実際に会長をやって進んで案を出して、実際に改定した」(41歳/主婦)
という回答もありました。
いざ改善となると、“例年通り”ということに縛られ、反対の声が生まれやすいPTA活動。根回しをしたり、議論をしたり、多数決をとったりするのが面倒で、結局問題は先送り……ということになりがちですよね。
引き続き『kufura』では、PTA活動にまつわるあれこれを調べていきたいと思います。