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ちょうどいい「近所づきあい」できてますか?居心地のよい関係を保つためにしていることを調査

「近所づきあい」という言葉に抱くイメージは、個々の経験に大きく左右されると思います。

人の出入りが激しいエリアと、昔から同じ人が住み続けているエリアとでは、近所づきあいの温度感は異なります。自分の経験を振り返って、めんどくさいエピソードを思い出す人も、心が温まるエピソードを思い出す人もいるかもしれません。

とはいえ、どのような場所に住もうと、遠くに住む親族より頻繁に顔を合わせるような相手とは、できるだけ良好な関係性を築いておきたいもの。

『kufura』編集部は、175人の既婚女性に、理想の近所づきあいについて質問してみました。

既婚女性に聞いた「ちょうどよい近所づきあい」とは?

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まず最初に、回答者に“ちょうどよい近所づきあい”について、質問しました。

一部の回答をご紹介します。

【理想の近所づきあいとは?】

「お互い詮索はしないけど話はするし、いざとなれば助け合える」(42歳・主婦)

「あいさつは交わすが必要以上にお互いの家に干渉しない」(38歳・総務・人事)

「あいさつと差し入れ程度で深く生活に入り込まない」(56歳・総務・人事)

「プライバシーに立ち入らない程度のコミュニケーションをする関係」(43歳・主婦)

「天気や気温など何気ない会話をするのがいい」(34歳・その他)

今回アンケートにご協力いただいた175人の自由回答を分析したところ、使っている人が多かった“頻出キーワード”は、以下の5つでした。

1位・・・挨拶(あいさつ)(117人)

2位・・・世間話(21人)

3位・・・助け合う(16人)

4位・・・距離感(11人)

5位・・・干渉しない(10人)

上記の結果を見ると、なんとなく理想の近所づきあいが見えてくるのではないでしょうか。

回答を読み込むと、普段はほどよい距離感を保ちながら、顔を合わせたらあいさつや世間話をして、いざというときには助け合える……という関係性を望んでいる人が多い印象を受けました。

続いて「現在、ちょうどよいご近所づきあいができている」と実感している113人の回答者に、近所づきあいのコツについてうかがいました。

ちょうどよい関係は突然できあがるわけではなく、コツコツとささやかなコミュニケーションを繰り返した結果、成り立っているようです。

皆さんからあがってきたコツは、以下の4つ。

1:自然にあいさつ

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1つめは、コミュニケーションの基本、“あいさつ”です。

「互いの存在を認め合うという意味でも近隣の方と顔を合わせたら“おはようございます”“お帰りなさい”といった言葉を自然にかけ合うようにする」(43歳・主婦)

「一見、話しかけにくい感じの人にも自分から元気よく。あいさつ」(38歳・その他)

「笑顔であいさつする、プライベートに干渉しない」(35歳・その他)

あいさつは「自分から」という回答が目立ちました。「こちらからしようと思っていたのに、先を越された!」と目くじらを立てる人がいないのがあいさつのいいところ。

回答中に「互いの存在を認め合う」という言葉がありましたが、その積み重ねでささやかな親近感が積み重なっていくのかもしれません。

2:サラっと雑談

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あいさつの後の“間”を埋めるのは、こんな話題でした。

「あいさつは必ずする。天気や犬猫、子どもの話題など、楽しい話をする」(37歳・研究・開発・技術者)

「天気の話など、当たり障りのない話題を選ぶ」(50歳・主婦)

「会ったときは明るく世間話する」(43歳・主婦)

天気、地域のトピック、新しいお店……などなど、近隣ならではの“共通点”を選んでいる人が見受けられました。短時間の会話でワーッと盛り上がり、サッと去っていくような、近隣コミュニケーションの達人は、どの地域にもいます。

3:雑談の際に「避けていること」

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雑談する間柄になるとちょっと気になる“あの人”のあれこれ。好奇心はぐっと抑えて距離感を大切にしている人が多く見受けられました。

「話しかけられたときは話しますが、こちらから話題を振る事はしていません」(39歳・主婦)

「一緒に自治会で役員をやったときなどに好意のオーラをだしています。でもプライベートのことは深くは聞かないです。家族構成くらいはお互いに話しますが」(54歳・主婦)

「プライベートなことはこちらから聞かない」(47歳・総務・人事)

相手のプライバシーの“一線”を超えないように、気を使っている様子がうかがえます。「何のお仕事をしているの?」「お子さんはどこの学校?」なんて質問は、関係性がもう少し深まったときにとっておくのがいいのかもしれません。

4:きっかけがあれば時々交流

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いつもは距離感を保っていても、何かあったときに“一線”を踏み出して交流する人も。

「ゴミ捨ての際に高齢者は助けてあげる」(49歳・主婦)

「必ずあいさつし、自宅で採れた野菜や果物をおすそわけしあっています」(47歳・主婦)

「会ったらあいさつをして、作物が大量に取れたらおすそわけをしたりする」(41歳・主婦)

困っていたら手を差し伸べ、畑のものや頂きものをおすそ分け。この段階になると“ご近所さん”から“なじみのご近所さん”に一歩進んだような印象を受けます。

5:持ちつ持たれつ。でも「イヤなこと」はしない

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敷地が接したご近所同士との関係性を保つための生活マナーについての回答も寄せられました。

「挨拶をきちんとする。来客時に家の前に車を止めたり、ちょっとだけならいいかと思う非常識な行動をしない」(39歳・公務員・団体職員)

「距離感を保つ。持ちつ持たれつ。笑顔で挨拶」(35歳・広報・広告・デザイン)

「自分がされて嫌なことはしない」「持ちつ持たれつ」を心がけている人の声でした。

 

以上、今回は近所づきあいについてのアンケート結果をご紹介しました。

属性や収入が似ている人が集うエリアもありますが、多くの地域には、さまざまな人が集っています。

以前、距離的な移動をともなう一般的な旅行を「横の旅行」、近隣の人との関係を深めることを「縦の旅行」と表現したノーベル賞作家がいました。世界をまたにかけて活躍する人も素晴らしいけれど、雑談を交わしたり、助け合ったりしながら「縦の旅行」に“旅慣れた”身近な人に着目すると、新たな発見があるかもしれませんね。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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