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「枕が2つある理由は?」「アメニティはどこまで持ち帰っていい?」ホテルスタッフがスッキリ解説!知って得する豆知識

前回、kufuraの記事で「ホテル滞在時の素朴な疑問」について、アンケートを行ったところ、「使い終わったタオルはどうするの?」「アメニティは持って帰っていいの?」など、地味に悩んでいる人が多数いました。

そこで、そんな悩みをスッキリ解決させるべく、プリンスホテルの宿泊部門担当者に直接取材! ホテル側の声を聞いて「なるほど、これでよかったんだ!」の連続でした。

品川プリンスホテルでは、約3,500室のルームキーピングを行う

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今回、取材に応じてくれたのは、品川プリンスホテルの宿泊部門 メインタワー ハウスキーピング スーパーバイザーの野村真成さん。野村さんは、13年以上、品川プリンスホテル メインタワーの客室清掃をとりまとめる、ルームキーピングのスペシャリストです。

ちなみに、品川プリンスホテル メインタワーでは、チェックアウトからチェックインまでの数時間の間に、1フロア56部屋ほどある客室を清掃しているそうです。短時間でこの数! さすがプロのお仕事です。

今回は、前回の記事の中でも特に多かった悩みを中心に、野村さんに滞在時の素朴な疑問をお伺いしました。

品川プリンスホテル 宿泊部門 メインタワー ハウスキーピング スーパーバイザーの野村真成さん。笑顔が素敵です!

「使用済みタオル」どこに置くのが正解?

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まずは、みなさんからの疑問が多かった「タオル」について。

「使用後のタオルの置き場に迷います。トイレのふたを閉めた上か、バスタブにかけるか。清掃の方が好む置き方が気になり、いつも躊躇してしまいます」(59歳男性/その他)

「こちらの質問者の方のように、濡れてしまうことを気にかけて、バスルームに置いてくださる方が多い印象で、お客様のお気遣いを感じています。

使用後のタオルは、バスタブの中や縁、洗面台の上など、基本的にはどこでも構いませんので、バスルームの中に置いていただければ、清掃時に回収します。

とはいえ、ベッドやソファーの上など、お好きな所に置いていただいても構いません。清掃時に寝具はすべて交換しますので、多少濡れてしまっても大丈夫ですよ。お好きな場所に置いて退室してください」(以下「」内、野村さん)

濡れたタオルはバスルーム内に置いておくと◎。もちろんバスタブの中に入れてもOK!

ちなみに、「バスタブの中に入れるとぞんざいに感じてしまう」という読者の声がありましたが、「そんな風にはまったく感じないので、ご安心ください」とのことでした。

また、使用後のバスタオルやルームウェアは、忘れ物がないか確認するため、清掃時に必ず広げるそうです。そのため、清掃の方を気遣ってきれいに畳んでおいても、後で広げることになるそう。それでも、お客様が使用後に畳んだ方が気持ちよければ、畳んでいただいても構わないとのことでした。

特に決まった置き場はなく、お客様の過ごしやすさ、使いやすさが一番!ということですね。

「シングル一泊の部屋に、バスタオルが3枚あって、すべて使っていいか迷いました」(52歳男性/総務・人事・事務)

「当ホテルの場合、お部屋にご用意してあるタオル、アメニティ、備品などは宿泊された方が自由に使うことを前提にご用意しております。そのため、1名だからといってタオルは1枚だけというわけではなく、ご用意してあるものは、すべて自由にご利用いただいて構いません」

タオルやアメニティは、基本的にはその部屋に宿泊できる定員数に合わせて用意しておくため、泊まった人数が定員より少なくても、備えてある枚数をすべて使用しても問題ないとのことでした。

もし、小さな子どもがいて、タオルをたくさん使用したい時など、備えてある枚数が足りなくなった場合は、気軽に客室係に連絡してくださいとのこと。足りない場合は、部屋まで持ってきてくれるそうです。

「2つある枕」「ベッドの足元にある謎の布」あれって何?

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次は、「寝具」に関する素朴な疑問です。

「1人で宿泊したときに部屋にベッドが2つあり、両方使って良いか迷いました」(67歳男性/その他)

「お一人様でのご宿泊に関してもお部屋にベッドが2台ある場合、2台とも自由にご使用いただいて構いません。ご予約されたお部屋の備品、タオル、アメニティなどは、すべて自由にご使用いただけます」

また、海外からのお客様は特に荷物が多いため、ツインルームを1人で利用して、1つのベッドに荷物を置き、もう1つのベッドで休む人も多いそうです。

「掛け布団がベッドの下にガッチリ挟まっているけど、剥がして使ってもよいのか」(62歳男性/その他)

「もちろん、剥がしてご使用いただいて問題ございません。ベッドメイクはお客様への清潔感と見栄えを重視しております。そのため、整った美しさを感じていただくために掛け布団の裾をマットの下にしっかりと挟み込んで仕上げております。お客様に快適にお休みいただくことが最も大切なので、遠慮なくマットの下から裾を引き出し、ゆっくりお休みください」

「ベッド上に謎の細⻑いカバーがあって、あれは何のためにあるのでしょう か?」(56歳女性/その他)

こちらの茶色の布が「フットスロー」。

「ベッド上に置かれている長いカバーは“フットスロー”と呼ばれるもので、主な役割としては、部屋全体のデザイン性を高めたり、ベッドに立体感と色彩の変化を与え、アクセントを加えたりする役割があります。

また、海外からのお客様は靴を履いたままベッドでお休みになる方もいらっしゃいますので、シーツが汚れないよう保護する役割もあるため、足元に敷いております」

ちなみに、こちらのフットスロー、布団の上にあって気になる人は取り外しても良いそうです。

「枕が2つ重なっている時に、どうしようかと迷う」(48歳男性/その他)

後ろは大きめで厚みがあり、手前は小さめで薄めの仕様に。

「お客様によって、寝る時の快適な姿勢は異なるので、当ホテルでは枕を2つご用意しております。

重なっている2つの枕のうち、後ろはやや大きめで厚みがあり、手前はやや小さめで薄めです。2つ横に並べて使ったり、2つ重ねて使ったり、中には腰の下に1つ置いたりする方もいらっしゃいます。

ご要望があれば、追加の枕をお部屋にお届けすることもできます。どのお客様にも快適にお休みいただけるよう、蕎麦殻が入った硬めの枕や、低めの枕などもご用意しており、ご希望に合う枕をご提案しております」

なんとなく2個あるのかなと思っていましたが、サイズや厚さが違ったのですね! 知らなかったです。

さらに追加で、小さな子どもがベッドで寝る際に、落ちないか心配……という筆者の悩みも聞いてみました。

「お貸し出しできる備品の中にベッドガードがあり、ベッドに柵を付けることができます。0歳の小さなお子様に関しては、ベビーベッドのお貸し出しもございます」

子どもがベッドから落ちるのが心配で、布団で寝られる畳の部屋を優先して宿泊先を探していました。このようなベッドガードの貸し出しがあれば、小さな子どもの宿泊も安心ですね!

「アメニティ」はどこまで持って帰っていいの?

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次は地味に気になる「アメニティ」問題。「どこまで持って帰っていいの?」という質問が多数ありました。

「部屋に置いてあるアメニティを使わなかった時、持って帰っていいかどうか迷います」(67歳男性/その他)

基本、使い切りのアメニティは持ち帰ってOK!

「歯ブラシ、歯磨き粉、カミソリなど、使い切りタイプのものは、すべてご使用いただけますので、使わなかった場合もお持ち帰りいただいて問題ございません」

もし、追加で利用したい場合は、客室係に連絡すると部屋に持ってきてくれるそうです。

「使い捨てのスリッパ、持ち帰りをどうしようかな?と」(64歳男性/その他)

部屋で履く用に、使い捨てスリッパが用意されている。

「当ホテルは使い捨てのスリッパなので、お持ち帰りいただいて構いません」

ちなみに品川プリンスホテルでは、旅館のように館内をスリッパで歩くのはNGとのこと。スリッパで出歩ける範囲はホテルによって異なるので、宿泊時にフロントに確認してみてください。

「冷蔵庫に入っているドリンクは飲んでも無料かどうか」(54歳男性/その他)

「当ホテルでは、無料のミネラルウォーターに関しては、“ご自由にお飲みください”と注意書きを添えて、客室に備えております。常温でも、冷やしても飲めるように、冷蔵庫の外に置いています。

ホテルによっては、部屋の中に料金表を用意してある所もあります。飲んでから料金を請求されると困りますので、少しでも迷ったら、先にフロントに聞いてみるとよいですね」

最近は常温を好む人も多いので、あえて冷蔵庫に入れない配慮もありがたいですね。

無料の記載があるので、安心して飲める。
冷蔵庫は自由に使えるように何も入っていない。

「フェイスタオルは帰る時にもらっていいのか? 必ずスタッフに聞きます」(64歳男性/その他)

「当ホテルのタオル類は、備品として繰り返し使用するものになりますので、お持ち帰りいただくことはご遠慮いただいております」

日本は旅館の文化もあるので、旅館の名前入りのフェイスタオルなどは持ち帰れることが多いので、悩む人も多いかもしれませんね。品川プリンスホテルでは、基本、タオルの持ち帰りはNGとのことです。

最後に、今回の取材で心に残った野村さんの言葉をお届けします。

「客室はホテル滞在中に一番長く過ごす場所でもあるため、いかに快適に過ごしていただけるかにこだわっています。お客様がお部屋で快適に過ごして、気持ちよく出発していただくことが我々の一番大切に思っているところなので、お客様のライフスタイルに合わせて自由にご使用いただければ嬉しいです」

部屋での過ごし方はお客様次第。使用後のタオルはバスタブに入れてもいいし、清掃の人への気遣いで気になる人は畳んだっていい。ホテル側はどこに置いて欲しいなど、一切強要せず、その人が気持ちよく過ごせるスタイルが一番の正解であるとのこと。もうさすがの一言です。

ホテルの懐の深さ、ホスピタリティに身を委ね、アレコレと難しく考えすぎなくて良かったんだと、改めて学びがありました。ぜひ、あなたの過ごしやすい方法で、気持ちよくホテル滞在を楽しんでください。

岸綾香
岸綾香

ライター&エディター。『女性セブン』(小学館)で約 20年、料理、家事、美容、旅、タレント取材など、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。『kufura』では2017年のローンチより、料理やヨガなどを中心に動画記事を350本以上作成。好きなものは絵本、美術館、音楽フェス、自転車。週刊誌で鍛えられた体力&根性で 40代から子育て奮闘中。

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