1日何をしているの?食べるのは竹だけ?パンダの生活が気になる!
nullジャイアントパンダは群れを作る動物ではなく単独で生活しています。小さい時はお母さんと一緒に生活しますが、大きくなると独り立ちをして別々に生活するようになります。
「1~2歳くらいになるとお母さんから離れて独り立ちをします。現在パークにいる良浜の3頭の子どもたちはいずれも独り立ちしている年齢なので、一緒の部屋にいることはなくそれぞれ別に過ごしています。
パンダは縄張りを持って暮らす動物なので、双子やきょうだいでしたら子どものうちはしばらく一緒にいることはありますが、お母さんとは比較的早い段階で離れて、きょうだいもいずれ別々に生活するようになります。
人間の事情で考えると『子どもなのにお母さんから引き離すのはかわいそう』と思われるかもしれませんが、そのような習性の動物ですので、ご理解いただければと思います」(以下「」内、陣内さん)
ジャイアントパンダの主食は竹。アドベンチャーワールドではモウソウチク、トウチク、メダケなど7~10種類ほどの竹を使い分けて与えています。
「パンダはとてもグルメな動物で、おいしい竹を用意するのに一番苦労しています。好みが激しく、食べる時に葉のにおいを嗅いで、ダメだと口もつけずに捨ててしまいます。
1日の中でもコロコロ好みが変わったり、好き嫌いがあったり、個体によっても日によっても変わるので、そのあたりを見極めて与えるのが難しく、どの竹を用意すればいいという正解がないところが苦労する点です。
また、季節によっておいしい部分が変わったりするようで、パンダが食べている様子を見ながら判断しています。葉がたくさんついているとか、茎の色などで判断できることもありますが、必ずしもそれが当てはまるというわけではなく、多めに用意する必要があります。
1日で食べる量は1頭につき20㎏前後ですが、選り好みをするので2~3倍の量を用意します。多いときは1頭当たり1日に100㎏以上用意するときもあります。とはいえ、確保できる竹の量は限られているので、この子は食べなかったから違う子に回してみたりと、やりくりが大変ですね」
えさとなる竹は「パンダバンブーSmile広域包括連携協定」 を締結した大阪・岸和田市や、京都の業者から仕入れていますが、排気ガスのにおいがすると一切食べないそうで、道路沿いの竹は避けているとか。パーク内の各所にも非常食として竹が植えてあるそうです。
ジャイアントパンダは雑食性で、8割は主食の竹、副食としてリンゴやにんじん、動物用ビスケットも与えています。野生のパンダは、タケノコ、果実、野草のほか、小動物も食べることがあるそうです。
ジャイアントパンダは本来、肉食動物だったため、実は消化器官が竹を食べることに向いていないのだとか。食べる量が多く食べたものが消化されず出てくるため、1日に出すふんの量は15~35㎏! パーク内にはふんが展示されていますが、色も香りもまさに「竹」で驚きです。
「パンダは1日のうち半分は食べて半分は寝ていると言われています。私たちスタッフは8~9時くらいにパンダ舎に来るので、それくらいに合わせてパンダも起きてきてそのまま運動場に出ます。開園してからは食べながらお客様を迎えて、11時くらいになると満腹になって寝ることが多いですね。
その日にもよりますが、お昼寝してまた食べてというふうに昼間は過ごして、16時を過ぎるとになるとバックヤードのパンダ舎に戻りますが、それからまた食べています。
飼育員が帰る18時くらいから寝始めますが、夜も一度起きます。22~0時くらいの間にごそごそと起きてきて、飼育員が部屋にたくさん竹を用意して帰るので、それを食べて満足すると再び寝て、そこから朝までぐっすりというパターンが多いです。1日を通して気ままに食べて寝てというサイクルを繰り返しています。
パックヤードのパンダ舎には、『寝台』と呼んでいる、ステンレスで作ったベッドがあってその上で寝ることが多いですが、気分によってはゴロンと、床に寝そべって寝るときもあります。
夜の間も途中で起きたり、食べ出したり、寝る場所が気にいらないと移動することもあり、結構いろいろな場所で寝ていますね。特定の場所に必ず寝るというのではなく、その日の気分で寝る場所は決めているようで、いくつかのお気に入りの場所を周っているという感じです」
竹の調達も苦労することですが、ジャイアントパンダの飼育する上で細心の注意を払っているのが安全管理だと言います。
「パンダは見た目はかわいいですが、大型動物なので危険も伴います。安全管理が非常に重要です。1歳で体重が30kgほどになるので1歳を過ぎると間接飼育となります。獣舎の鍵をしっかりかける、獣舎内に飼育員にとって危険な場所はないかチェックするなど、飼育員みんなで声をかけ合って細心の注意を払っています」
アドベンチャーワールドには、「パンダラブ」「ブリーディングセンター」の2カ所のパンダ施設があります。共に屋内外に施設がありますが、気温が25度以上になると屋内での展示になることもあります。パンダは各施設に1頭ずつ展示しているので、名前の書いてある看板を見て個体を確認してみましょう。
「パンダは見ているだけでも楽しい動物です。アドベンチャーワールドにご来場の際は、ゆっくりと時間をかけて見ることをおすすめします。パンダたちをじっくり見ていただければ、個性がそれぞれ違いますので、きっとお気に入りのパンダが見つかると思います。最初は見分けがつかなくても、何度も見ているうちにだんだん特徴がわかってきますよ」
ジャイアントパンダだけじゃない!アドベンチャーワールド夏のおすすめ体験
nullアドベンチャーワールドにはジャイアントパンダ以外にも、陸、空、海の動物たち120種1,600頭が暮らしています。
「マリンワールド」は、イルカ、クジラたちがダイナミックなパフォーマンスを見せるビッグオーシャンや、ペンギンなど極地に暮らす動物たちが集まった海獣館、様々な動物が公演するアニマルランドがあります。
イルカたちと一緒に泳ぐダイビング体験「ダイビングwithドルフィン」、イルカトレーナーを体験できる「ドルフィンフィーディング」といった動物たちとふれあえる有料アトラクションも充実。
「サファリワールド」では、列車型の車両で回る無料のアトラクションや、サイクリングやカート、ジープなど様々なスタイルで間近に動物を見ることができる有料アトラクションもあります。
そのほか、動物とのふれあいエリアや遊園地もあり、1日いても周り切れないほど。何度も訪れるリピーターが多いのも納得です。
カップル、ファミリー、年配者、車いすなどゲストの希望ニーズによって様々なアトラクションやツアーを用意されています。季節ごとのイベントや、雨の日でも楽しめるプランなど、世代、季節、天候を問わず楽しめるのが、アドベンチャーワールドの魅力です。
パンダグッズをはじめとしたショップはパーク内に5カ所あり、紙素材のペーパーハット、ポシェットが人気。飼育スタッフが細かな部分を監修したぬいぐるみも人気商品。コラボ商品も多く取り揃えています。
宿泊は「海が見えるパンダの部屋」で!
nullアドベンチャーワールドを訪れる際にぜひ宿泊したいのが、白い砂浜と青い海の白良浜と直結している唯一のホテル「白良荘グランドホテル」。ほぼ全室オーシャンビューで、部屋からは白良浜が一望できます。浜辺を散策して夕日を眺めるのも最高です。
パンダ推しならぜひ泊まりたい「海が見えるパンダの部屋」。ホテル滞在中もパンダと一緒に過ごすことができる1室限定(和室+ツインベッド)のコンセプトルームです。
客室のドアを開けた瞬間からパンダがお出迎え。トリックアートでパンダが客室に飛び込んでくるビックリ写真も撮影できます。部屋の随所にある“隠れパンダ”を見つけるお楽しみも。持ち帰りのできるパンダグッズのお土産もうれしいですね。
【教えてくれた人】
飼育部 ふれあい課 陣内郁佳さん
2009年にアドベンチャーワールドを運営する株式会社アワーズに入社。ふれあい広場の動物担当を経て、2016年からジャイアントパンダの飼育を担当。
同園の「パンダチーム」が執筆した書籍『知らなかった!パンダ ―アドベンチャーワールドが29年で20頭を育てたから知っているひみつ―』(新潮社) でもイラストを担当している。
所在地: 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田2399番地
1日入園券:大人(18歳以上)5,300円、シニア(65歳以上)4,800円、中人(中学生・高校生)(12歳~17歳)4,300円、小人(幼児・小学生)(4歳~11歳)3,300円(すべて税込)
※営業時間につきましては、ご入園前に必ずホームページで最新の情報をご確認ください。
※通常は予約なしで入れますが、ゴールデンウィークやお盆の時期など、来場者が多い繁忙期は事前予約制になっているので注意を。詳しくは公式サイトを確認してください。