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ネロたちが見た絵も! 巨大作品に圧倒される「ルーベンス展」とバロック美術【ふらり大人の美術展】#1

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美術ライターの浦島茂世がご案内する【ふらり大人の美術展】。#1の今回は、国立西洋美術館で開催されている「ルーベンス展 − バロックの誕生」(2019年1月20日まで)をご紹介します。

ルーベンスといえば名作アニメ『フランダースの犬』で、主人公のネロが見たくて見たくて仕方がなかった絵を描いた画家。ネロと愛犬パトラッシュが念願のルーベンスの祭壇画を見て天国へ旅立っていく最終回は、昭和から平成と世代を越えて語り継がれている伝説のシーンですよね。
「ルーベンス展 − バロックの誕生」は、そんなルーベンスの“イタリア好き”な一面をフューチャーし、バロック美術との関係に焦点を当てた展覧会です。

イタリアに憧れ、表現力を磨いたルーベンス

ぺーテル・パウル・ルーベンス(1577年〜1640年)は、17世紀ヨーロッパに流行したバロックと呼ばれる、壮麗で華やかな美術様式の代表的な画家。日本ではアニメ『フランダースの犬』に出てくる画家として知られていますが、ヨーロッパでは「王の画家にして画家の王」とも呼ばれたほどの存在なのです。

ドイツに生まれベルギーのフランドル地方(『フランダースの犬』の“フランダース”はフランドル地方のことを指します)で育ったルーベンスは、幼い頃からイタリアに憧れを抱き、23歳から約8年間イタリアに滞在しました。その間、古典から当時の最先端のものまでイタリア美術を積極的に学び、表現力を磨いていきました。

同時代の画家レンブラントらに比べ、ちょっと大げさと感じられるほどのダイナミックなポーズや表情、構図はイタリアで学び取ったものなのでしょう。

ルーベンス作品にみるイタリア美術の影響

今回の展覧会では、初公開作品を含む約40品のルーベンスの作品が出品されています。『フランダースの犬』に登場するアントワープのノートルダム聖母大聖堂の祭壇画は、ほぼ原寸大の大きさで高精細な4Kビジョンに映し出され、圧巻です。

また、ルーベンスが影響を受けた古代の彫刻や16世紀のイタリア芸術、そして同時代の画家たちの作品も鑑賞することができます。

上記写真で手前に写る彫刻は、『ベルヴェデーレのトルソ』(1世紀のオリジナル彫刻から型取りした20世紀前半のもの)。

この作品はルネサンス以降、もっとも称賛を集めてきた古代彫刻のひとつ。とくにルネサンス期の偉大な彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティが気に入っていたとも言われています。

そしてミケランジェロの作品が大好きで熱心に模写をしていたルーベンスもまた、この彫刻のポーズを人体表現に使っています。

上記写真の作品は日本初公開となるルーベンスの『聖アンデレの殉教』。縦の長さが約3mにも及ぶ巨大な作品は、インパクトが強く圧倒されること間違いなしです。

自分のペースが鍵!? ルーベンス展の楽しみ方

1章〜7章まで各章ごとに壁の色が違う展示室

会期終了が近づくにつれ、混雑度も高まってきそうな「ルーベンス展 − バロックの誕生」。まだ少し余裕がある、年内の訪問をおすすめします。

ルーベンスの絵は、大きなサイズの作品が多いのも特徴のひとつ。あまり作品に近寄らずとも、遠くから眺めているだけでなにが描かれているのかがわかります。作品に近寄って鑑賞する人の波にあまり乗らずに、自分のペースで見ていくのもいいでしょう。

お子さんと一緒に楽しむなら?

「ルーベンス展 − バロックの誕生」は、全7章で構成されています。家族の絵などが中心に展示されている第1章(ここに展示されているルーベンスの息子の絵がとにかくかわいい!)を除くと、神話や聖書を題材としたお話が多くなっています。

もしお子さんと一緒に観るならば、キャプションや音声ガイドをチェックして、絵になにが描かれているのかを噛み砕いて話してあげるとより楽しめそうですね。

もちろん、解説がなくても、ダイナミックな構図やオーバーなポーズで描かれる登場人物を観るだけでも十分おもしろく感じられるはず!

「フランダースの犬」世代にはたまらない! グッズも充実

ちなみに、ショップには『フランダースの犬』とのコラボグッズもたくさん。3種類のパッケージがあるリップクリーム(税込 550円)も人気だそう。

「昔の西洋絵画はちょっととっつきにくくて」と思っていた方も、ぜひこの機会に鑑賞されてみてください。荘厳で華麗な世界観に圧倒されるはずですよ!

【開催情報】

ルーベンス展 − バロックの誕生

会場:国立西洋美術館 東京都台東区上野公園7-7

会期:2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)

開館時間:9:30~17:30(金曜・土曜は9:30〜20:00)

※ 入館は閉館の30分前まで

※ その他、時間延長期間あり。詳細はHPをご確認ください。

休館日:月曜(ただし12月24日、1月14日は開館)、年末年始、1月15日

最寄り駅:JR「上野駅」公園口よりすぐ

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