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銀座で100年!「資生堂ギャラリー」老舗なのに初心者でも入りやすい理由は…【ふらりと大人美術館】vol.9

「ギャラリーや画廊に行ってみたいけれど、なんだか敷居が高くて……」「ちょっと気になっているギャラリーがあるけれど、作品を買わされたらどうしよう」……なんていう話をよく耳にします。でも、そんな心配はご無用。多くのギャラリーはだれでもウェルカム、そして販売目的ではなく企画展示のみを行うギャラリーもあるのです。

今回は、ギャラリーに行ったことがない方でも楽しめる『資生堂ギャラリー』と筆者おすすめのギャラリーをご紹介します。
(上記写真:「石内都展 Frida is」 撮影:蔵 真墨)

2019年で100年! 大人の街・銀座にある日本最古のギャラリー

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1919年にオープンした『資生堂ギャラリー』は、日本に現存する画廊のなかで最古のギャラリーです。つまり来年(2019年)でなんと創立100周年!

『資生堂パーラー』が入っている東京銀座資生堂ビルの地下にある『資生堂ギャラリー』 撮影:加藤 健

この約100年の間、震災や戦争、建物の建替などによる若干の中断期間を除いて「新しい美の発見と創造」を活動理念に、非営利で3,000回以上の展覧会を開催し続けています。

『資生堂ギャラリー』の創設者は日本を代表する化粧品メーカー・資生堂の初代社長、福原信三。実業家として活躍した一方、芸術をこよなく愛し、自らも写真家として活動するなど多方面で活躍していました。
ちなみに、資生堂のシンボルマーク「花椿」も、少しずつデザインを変えていますが、福原信三がデザインしたものです。

展覧会ごとにガラリと趣を変える空間

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現在は、現代美術の作品展を主軸に年に4〜5回のペースで企画展を開催している『資生堂ギャラリー』。

「石内都展 Frida is」 撮影:蔵 真墨

天井高(てんじょうだか)が5mにも及ぶ広い吹き抜け空間があり、作家によってその使い方に個性が表れるのが面白いところ。

高い壁全体を原色に塗り替えたり、ギャラリーの床いっぱいにネジや金属片をばらまいたりと、展覧会ごとに雰囲気がガラリと変わるのです。

「蓮沼執太: 〜ing」 撮影:加藤 健

何回か足を運ぶうちにそんな会場の変貌ぶりも楽しみになり、作品そのものだけでなく、作家やキュレーター(展覧会を企画・構成する人)の「作品をこのように見せたい」「観る人にこんな風に感じてもらいたい」という強い意志をも感じ取れるようになってきます。

この面白さは、同じギャラリーや美術館に何回か通ってみるうちにわかってくるもの。知らない作家やテーマの展示であっても、まずは何回か通ってみることをおすすめします。

2017年に開催された「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.」より『THE EUGENE Studio』 撮影:加藤 健

『資生堂ギャラリー』では、オープン当初からメンバーを入れ替えながら続いているグループ展「椿会」や、若きアーティストを対象にした公募展「shiseido art egg」などのシリーズ化された企画展も人気。

銀座でのショッピングがてら、立ち寄ってみると楽しいですよ。もちろん、入場無料です!

 

そうそう、ギャラリーの敷居が高いと思われがちな原因のひとつに、「強引に作品を買わされそう」という大きな誤解があります。もちろん、多くのギャラリーが作品の売買によって経営を成り立たせていますが、ほとんどが「来てくれればありがたい」というスタンス。

まずは、『資生堂ギャラリー』のように企画展のみのギャラリーを訪ねてみましょう。きっと、いろいろなところをめぐりたくなってくるはず!

【施設情報】

資生堂ギャラリー

東京都中央区銀座8−8−3 東京銀座資生堂ビル地下1階

開館時間:11:00~19:00(日曜・祝祭日は11:00~18:00)

休館日:月曜
※祝祭日の月曜も休館

最寄り駅:
地下鉄「銀座駅」A2出口から徒歩4分/地下鉄「新橋駅」1番出口から徒歩4分/JR「新橋駅」銀座口から徒歩5分

出かけてみよう! 初心者におすすめのギャラリー7つ

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「ギャラリーに興味が湧いてきたから、もっといろいろなところに行ってみたい! でも選び方がわからない」……そんなときは、まず“企業が運営するギャラリー”と“人気作家の個展が開催されているギャラリー”に行ってみましょう。

(1)企業が運営するギャラリーに行ってみよう

『資生堂ギャラリー』のように、企業のメセナ活動として運営されているギャラリーはいくつもあります。それらのほとんどが作品の売買目的ではなく、アーティストの支援や企業のPRのために運営されているので、安心して入ることができますよ。

『株式会社ニコン ニコンサロン』(銀座)

ニコンが運営するフォトギャラリーで、公募展で選ばれた優れた写真作品を展示しています。毎回、雰囲気の異なる作家の個展が開催されていて、訪れるたびに新しい発見がある場所。

『LIXILギャラリー』(銀座)

3つの展示室を持ち、それぞれ「建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展」と「建築・美術展」、そして「やきもの展」を開催している、LIXILが運営するギャラリーです。住まいや暮らしを深く考えるきっかけになるような展覧会が多いのが特徴。

『ポーラミュージアムアネックス』(銀座)

ポーラが運営している、ファッションや現代美術を中心に据えたギャラリー。絵本作家やミニチュア作家の作品展など、かわいい系の展覧会も多数開催しています。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー』(銀座)

大日本印刷が運営する、グラフィックデザインの専門ギャラリー。懐かしい雑誌のデザインから、人気のフィンランドのデザイン、タイポグラフィーなど、展覧会のテーマは多彩。

(2)人気作家の個展に行ってみよう

美術館や芸術祭で作品を観て気になった作家がいたら、個展に足を運んでみましょう。おそらくその時点で作家の人気はかなり高くなっているので、展示中の作品を売っていたとしても気軽に買える値段のものは少なく、ギャラリーも強くは勧めてこないことがほとんどのはず。

まずは、人気作家が所属するギャラリーに出かけてみましょう。

西村画廊』(日本橋)

世界的に人気の画家・横尾忠則、さらにはインド出身の現代彫刻家アニッシュ・カプーアやイギリスを代表する現代画家デイヴィッド・ホックニーなどの巨匠までが所属するギャラリー。舟越桂や三沢厚彦など、人気彫刻家も扱う。

ミヅマアートギャラリー』(市ヶ谷)

現代美術家・会田誠や山口晃、池田学など大人気の作家や、アジアの新進気鋭アーティストが多数所属するギャラリー。外堀通りに面したビルの2階にある。

ギャラリー小柳』(銀座)

いまをときめく現代美術家で写真家の杉本博司や束芋、建築家・石上純也など、多様なジャンルのアーティストを扱うギャラリー。

 

ほかにも個性的なギャラリーは日本全国にたくさん! ショッピングの途中や仕事帰りにふらりと寄ってみてくださいませ。

※画像の転載は一切禁止させていただきます

(※情報は2018年6月現在のものです)

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