暮らすように旅したバンコクでの日々
null昨年からタイはバンコクで甥っ子が語学留学をしています。かの地で一緒に暮らしている兄が東京での仕事で忙しいとき、彼に代わって甥っ子のお世話をするため、次男と私でタイに行ってきたというわけです。コロナでずっと我慢していた久しぶりの海外にワクワクの私たち。
兄と甥っ子が暮らしているのは、外国人が多く住居を構えるスクンビット通り沿いにあるコンドミニアム。年中暑いタイです。この手の住居にはプールが付いているのが一般的。「体力お化け」な次男や甥っ子を疲れさせるのにモッテコイ! 週末はもちろん、甥っ子がインターナショナルスクールから帰宅するや、毎日のように子どもたちをプールで泳がせました。
子どもって何もないところで大ケガするがっかりな生き物…
nullタイに来てから2回目の週末が訪れました。甥っ子のスクールは休み、バンコク滞在中次男を入れていた幼児教室も今日はナシ。さて3人で一日何して過ごそう。
会議するぞ、集まれー! と、ダイニングに3人集合したけど、体力有り余りすぎているハイパー次男は家のなかを縦横無尽に走り回っている。ちょっとー、パソコンとかケーブルとか電源とかいろいろあるよー。コケて壊さないでよー!
ダメだ甥っ子。話し合いにならん。急いでプール行くぞ!
次男と過ごす罰ゲームのような週末。東京では夫が自転車とか野球とか次男をさんざん連れ回してくれるから、もっているようなもの。でも、こういうときプールがあるのって本当に助かりますよね。
入って15分も経たないくらい? まだ私も入水をためらっているころ……。そう、後半は子どもたちと一緒に思い切り遊ぶけど、前半は「水、冷たそう~」とか言って、もったいぶって足しか浸けない私なんです。そんなときに事件が起こりました。
次男、飛び込んだ拍子でしょうか、プールの底のタイルでスパーンと足の裏を切ってしまったのでした。画像にも写っていますが底のタイルが剥がれていますよね? ソレが原因なのか、そもそもタイルがわりと雑に貼られており、そのエッジの立った角っこに皮膚が引っかかったのかわかりません。
プールサイドの清掃をしていた男性に次男のケガのことを報告しました。男性は血が滴る次男の足の裏をスマホで撮影していたけど、改善はなかなか難しそう。こんなふうに簡単にケガしちゃうプールって危ないですよね。ちょっと日本では考えられないけど、そんなこと言っていたら海外旅行はできません。甥っ子もまだ泳ぎたかったよね、ごめんね。
切り傷に消毒薬はもう古い!?
null泣きわめく次男を抱っこして部屋に戻るや、傷口にひたすらシャワーをかけて洗い流しました。そりゃ絶叫するよね。でもいま洗い流せばスグ治る。またプールは入れるようになる! 大丈夫! と声がけしながら。
洗うことによってケガの状態もわかってきます。傷は小指から親指の付け根の膨らんだ「拇指球(ぼしきゅう)」にかけて10センチ以下。深さは最大で2ミリくらいかな。よく見たらタイルで切れた細長い皮がべろんと7センチほどぶら下がっていました(すごい状態ですよね……)。念のため消毒液を振りかけて消毒したハサミでその皮はカット。
出血ですが、ケガした直後はじんわりポトポト出ていましたが、すぐ止血できました。一瞬ヒヤッとしたし、ケガ的にはちょっと派手だったけど、このまま膿まなければ数日で傷口は薄皮で覆われ、日常生活を送るのは問題なさそうだなと。
私の小さいころはケガをしたらまずは消毒、傷薬を塗って絆創膏、あるいはガーゼを包帯で固定……だったと思うのです。しかし現在の常識は、まずは「止血」と「感染の防止」。とにかく流水で洗い流します。
というのも消毒薬は傷口を刺激し、「常在菌」というよい菌まで殺してしまうことがあり、かえって傷を悪化させることもあるそう。今回はわりとスグ出血は止まりましたが、なかなか止まらないようであれば、滅菌ガーゼを当てて傷口を圧迫するとよいですね(後日小児科でおたずねしたら、消毒薬は不要とのことでした)。
このやり方は、趣味で続けてきたサーフィンで覚えました。年に何度か海外にサーフトリップに出かけていた私は、フィンでスパンと膝上を切ってしまったり、珊瑚礁でスネを大根おろしされてしまったり、まるで子どものようにケガは常でしたので……。
「転ばぬ先の杖」は大事
null今回バンコクへ行くにあたり、事前に行ったことがあります。
- 日本人経営の病院を調べる
- 次男用の海外旅行保険に入る
もし切った箇所が熱を帯びてきたり、痛みが増したりしたら、出国時に次男用の海外旅行保険に入ってきたので(ほんと丸腰では出かけられないのです。いつなんどき大ケガ、高熱出すかわからないのが次男なので……)、最悪ソレを使って近所の日本人経営の病院に行くかなとも考えていました。
翌朝、ピロンとバンソウコをはがしたら腫れていない。すごく痛そうだけど、きれいな状態。あとは様子見です。
ケガは「日一日」。毎日必ずよくなります。昨日よりも今日、今日よりも明日。明日なんてもっと痛くない。もしこのレベルのケガを大人がやってしまった場合「大ケガ」ですが(笑)。めったなことで傷を負わなくなり、痛み自体に慣れていませんからね。私も最近は海から足が遠のいてすっかり大人の仲間入りです……。
ケガをしたお子さんにワーッと泣かれたりすると、こっちもあわてふためいてしまったり、冷静ではいられないこともあると思います。まずは流水でしっかり傷を洗う。流血がひどい場合は圧迫止血する。で、様子見する。
もちろんもっと広範囲のケガ、深い傷、出血が収まらない場合は、病院に行くことをおすすめします。とにかくケガがないのが一番。お互い楽しい夏を過ごしましょう! おそらく夏休みも私たちはバンコクにいると思います。
1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。
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