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「子どものお小遣い」、皆さんのお宅はどうしてますか?我が家の「リアル」マネー教育【#27】

旅エッセイストの国井律子です。今回の連載「無駄のない暮らし」は「子どものお小遣い」について。
正月にはお年玉などあり、お子さんへの「マネー教育」について改めて考えたという方も多いかと思います。

困ったことに、何が正解かわからないですよね……。時代も、価値も、いろいろ私たちのころと変わっていて。夫婦も育ってきた環境が違うし……。

わが家も試行錯誤を繰り返しまくりですよー。芸術家肌の11歳の長男は「宵越しの金は残さない」江戸っ子タイプだし。6歳の次男はというと数字に強く、すでにお小遣いを稼ごうと自分からガンガンお手伝いしまくっています。
よその子育て世代家庭はどうしているんだろう。
ふと気になって、私のSNSでアンケートを取らせていただきました。今回はそんなお話です。

1:お子さんへのお小遣い、あげていますか?

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100人の男女の皆さんに聞いてみました。

  • YES……45%
  • NO……55%

ほとんどの皆さんがあげているかと思っていましたが、「NO」の方が多いのには驚きました。

息子たちの財布は、世界のポーチ集めが趣味の私からのプレゼント。左(長男)はカンボジア、次男の赤ポーチはペルーで買ったモノ。

2:「YES」の方に質問! お子様は何歳でいくらあげてる?

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29人の方に回答いただきました。お子さんの年齢順でまとめてみました。「月ごと」という方が大多数でした。

6歳から12歳までずっと同じ1,000円を毎月あげていた

7歳、1,000円あげています!

7歳1,000円。テスト100点につき100円、お手伝い1回につき10円。お金の使い方を覚えてほしい。足りなくて買えないとか、無駄遣いしなきゃよかったとか、そういう感覚を
ちょっといい話ですね。この方は私が中学から知っている男友だち。子ども時代のカレはそうとうヤンチャでしたけどね(笑)。そこで揉まれたからこそ、しっかりした感覚を持っているのかなー。

9歳、500円

9歳、1,000円。そのオカネで友だちと遊ぶ際にお菓子など買っています

10歳100円。少なっ(笑)。でも誕生日やお年玉には大きめの額をあげているので、そこからやりくりしているようです

小学生は500円~1,000円/月が多かったですね。なかにはこんな方も。

11歳、毎週月曜日に1,000円(月4,000円)

両親が働いていたり、私立小に通っていたりだと毎週の方があげやすいのかもしれませんね。

8歳と11歳がいますが、ともに半年で2,000円支給(年間4,000円)

すごい、半年ごととは。私なら「小遣い」という存在を忘れてしまいそうです……。ふたたび月極です。

10歳と13歳、2,000円ずつあげています

11歳と14歳女子、3,000円

兄弟姉妹がいるご家庭では、差を付けず同じ金額をあげていることも。お姉ちゃんだけズルーイってならないようにでしょうか。わが家のお年玉などは年が離れた兄はいっぱいもらっており、モヤった思い出が私にもありますが、回答の皆さんは上のお子さんに料金設定しているようなので、下の子は多めにもらえてラッキーですね。

12歳になると進学の年齢。500円~1,500/月と徐々に上がる印象。

15歳は急上昇して、2,000~10,000円/月。

中学生の間は一律3,000円/月」というご家庭も。友だちとの付き合いもあるし、なにかと入り用になってくる年齢だと思います。

高校生の回答も3人いただきました。皆さんそろって5,000円/月でしたね。また、このころからアルバイトを始めるお子さんも。お小遣いとしての出費はそこまででもないけど、教育費がそろそろラストスパートを迎える時期ですよね……。

小学生に上がって毎月1,000円、中学で3,000円、高校で1万円。お金の使い方を学ばせたかったので」という計画的なご家庭も。

お小遣いをあげたタイミングで子自身の通帳とキャッシュカードを作り、子が自己管理しています

13歳から年俸制であげています。お小遣いで買うもの、親が買うものを分けて本人申告の額を渡しています

やっぱり漫然とお小遣いは渡したくないわけで、なにかお子さんの将来の役に立ってほしいですよね。「小遣い支給型」の皆さんのご家庭はいかがですか?

春から1年生の次男。最初はオハジキをオカネに見立てて教えていましたが、最近はプリント(無料教材)で勉強しています。

3:「NO」と答えた方に質問! なんでお小遣いあげないの?

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後ほどくわしく書きますが、じつはわが家もあげていません。

23人の方から回答いただきました!

学童、習い事で友だち時間がないから、使うときない

お金を使う場所にまだ子どもだけで行かせていないから

駄菓子屋等の子どもが金銭を学べる場所が近隣にないため

このニュアンスのコメントをほかにもいただきましたが、ほったらかしだった私の時代に比べていまは少子化。ひとりひとりのお子さんが大事にされていると感じました。

また、いまのお子さんたちって、物欲がなかったりするのかなと思います。ちなみに私は現在はミニマリストに憧れてモノを減らすこと、無駄を省くことに躍起になっていますが、子どものころは物欲ギラギラ女でした(笑)。

そうね、一言でいうと「時代」なのかもしれません。昔は早く親離れしたくて、家の行事なんてかったるいーって感じの方も多かったのでは? いまは親と仲良しのことが多くて、親友の息子さんでもはや社会人ですが、私たちオバサンのクリスマスパーティーなどにも快く顔を出してくれます。親と一緒にいれば、オカネなんてほとんど使わないもんなー。

ほしいものがあれば誕生日とかにあげているし、ふだん子どもが買うものはほとんどない!

まだ小学校低学年だからです。必要なものはそのときに妻が買っています

都度渡す」というご家庭も多く見られましたね。

中3だけどまだ一緒に買い物とか行くので。子どもだけで出かけるときはその都度話し合いで決める

中学生と小学生ですので、必要に応じてその場で渡します

こんなご意見も。

 「小学生。まだ必要ないかなと。お金に執着しそうでいやだなという個人的な考えもあり

お小遣いをあげるタイミング、どうしようか悩みますよね。お小遣いあげない派で回答してくださった皆さんも、今後どうするかについて教えてくれました。

4:お小遣いもしあげるとしたら、どんなタイミング?

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通学や塾で公共交通機関を使うことになったら

高校生からかなぁ

いまのところ小学4年生って決めています

そうそう小4あたりって回答してくださった皆さん、多かったです。

1,000円の価値が理解できたときと思っています。10歳前後

4月から小5だから、そろそろかなとちょうど今朝考えておりました

このように年齢で区切る人、はたまた必要に応じてのご意見も。

行き先次第で必要であれば

親なしで出かけるとき

お小遣いは渡していないけど、将来のシミュレーションや管理学習しているご家庭もありました。

経験に対してお金はいくらでも払う。使ってよいものと使わなくてよいものを机上理解するため」

お年玉とかお祝いとか、節目でもらったお金を管理させて一年かけて使わせています

報酬制にしているため。お金を生み出す力がついてくれることを願って

洗濯物畳んだときとか掃除したときの対価!

報酬制、じつはわが家も取り入れています~。
親の手が足りないときに手伝ってくれたら、「給料」としてその都度支払っています。次男はお小遣いほしさにいろいろやろうとするのですが、「ちょちょ、ソレは違う! ちゃんと状況見て」と伝えています。みんなの役に立つ男になるまで、もうちょっとだなぁ……(笑)。

お次は11歳6歳の男の子がいるわが家の現状についてちょろっと書かせていただきますね。

高知で農家を営む友人から毎年大量に送られてくるおいしい生姜。すり下ろして冷凍する「生姜仕事」は子どもたちも手伝う。
このようにしてすり下ろした大量生姜をアイスキューブに詰める。鍋物、スープ、カレーなどに重宝しますよ。一年かけて使います。

わが家のマネー教育

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オカネがあったからといって、幸せにはなれない。でもオカネがあれば、好きなものを買ったり食べたりできるし、会いたい人に会いに行ける。人生を楽しくする「道具」だね……と、子どもたちにはいつも言っています。

そして私は、彼らには財産を残す気持ちは一切無いことも、早くも伝えています(笑)。
というのも、人からもらったモノなんて、ありがたみなく一瞬で使っちゃう。土地やモノをもらっても、時代に合わなければ「負担」になります。

私は子どもたちにオカネは残さないけど、経験と学歴(教育)は望むならできるかぎり与えてあげたいという考えです(重課金はもちろん無理ですが……)。

オカネに対する土台があった方が、財産をもらうより彼らは一生安定して稼ぎ続けられると思っています。そんな私が常に子どもたちへ口酸っぱく言っていることは……、

  • 無駄な買い物はしない!

    本当に欲しいモノ、必要なモノをどかんと買おう! モノを持ちすぎると、メンテナンスにお金がかかり、結果「無駄遣い」になるよ。

  • 将来の目標を持とう!

    ちなみに次男は六大学に入り、マリオカートを買って欲しいそうです。すごく具体的……(笑)。

  • 健康管理を徹底しよう!

    健康じゃないとオカネがあっても人生楽しめないよ。医者は悪くなってから行く場所じゃない。「健康」だということを確認するところだよ。歯医者なんかまさにそう!

  • 収入と支出を完全に把握しよう!

    無駄遣いを防ぐ、計画が立てられる。お金持ちほどケチっていうじゃない。それでいいのよ。ケチなことはけっしてかっこ悪いことじゃない。その代わり楽しむときには、オカネのこと気にせずにドンと使おう。

長男のお小遣い帳。読み返したら、これはどのオカネだっけ? と思い出せるよう意識して書かせています。
次男もしっかりつけていますよ。

モノは増やすなオカネを増やせ!

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先日のこと。家族で飛行機に乗った際、オモチャをいただいた。日系の飛行機に乗るといただけるそれらを子どもたちはいつも楽しみにしています。

次男は何をもらったかというと、往復ともまったく同じ型の飛行機の模型でした。

その姿を見て、私はついこんなことを言います。

「いいんだよ。別にほしいものもらえば。でも、もったいないと母さんは思う。
だってそれ、どうやって遊ぶの? トミカみたいに激しく動かしたらあっという間に壊れちゃう。同じモノ2つ子ども部屋に飾っておくだけ?
母さんだったらなー、一個はフリマサイトに売って、手にしたオカネを貯めて。コツコツ貯金していつかジブンが一番欲しいモノを買うかなー」

急に次男の目が輝いて、「2個とも売る!」と言い出しました。この人って極端で、こっちがあせるわ(笑)。

JAL搭乗時にいただいた模型のオモチャがわが家にはたくさんあります……。
出品してスグ売れました! もうちょっと高値を付けた方がよかったかな……(笑)。
次男と2人で梱包し、「ゆうパケットポスト」で送りました。そこまでの作業、全部一緒にやりました。

オカネを学ぶいい機会だからと、おもちゃを次男と一緒に撮影、ふたりで考えた文章を書いて、フリマサイトに投稿するというところまでやりました。で、どのくらいウォッチリストが付いたか(けっこう見られていましたよ!)、お、今日もふたり増えたねと次男と盛り上がり、そろそろ売れそうだねー。もし、売れたら私にも「手間賃」としてなんかおごってよと言うと(こちらは税金の勉強のつもり。まるまるジブンの手元には入らないよという笑)、「ピノ」(最近好物のアイス)を買ってくれることになりました。最終的に次男には350円くらい残るはず。6歳にとっては大金です。
「漫然と手にしたモノがオカネになるまで」の、生きたよい勉強をしているなーと思った次第です。

そしたら夫まで、「これ売れるかな、調べてよ」とか、いらないウエットスーツを私に押し付けてきます。あなたは「ピノ」じゃすまないよ(笑)。

そして長男はというと、往復の機内で次男と同じ飛行機を2機いただき(つまりわが家に4機の飛行機があったというコト! モヤりますよー)、次男と同じプレゼンをしてみたけど、モノが大好きな彼は売らずに2機とも箱から出さずに取っておくという……。まぁいいですけどね。あなたがもらったモノだから私はとやかく言わない。言いたいけど(笑)。

物語には続きがある! まさか長男も売りたくなるとは

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じつはこの後、長男もジブンから飛行機を売ると言い出したのです!

あっという間に出品した飛行機の模型が売れ、私からもろもろさっ引かれた後の現金を手渡された次男。
いまあるすべてのオカネを数えて、小遣い帳を付けている彼の様子を横目で眺めていた、「宵越しの金は残さない江戸っ子気質」な11歳長男。

そう、彼はオカネを手にすると、スグみんなにおごってしまう……。みんな一瞬はうれしいかもしれないけど、そのご恩はスグ忘れるよ。オカネはここぞと言うときに使うモノ。大事にしなよと、何回注意したか……。

その長男が、「次男くんに持ってる金額負けた!」と悔しがっている!

そして、「ボクももらった飛行機2つとも売りたい!」と。

男子あるあるなのでしょうか。おお、イイじゃない。協力するよ?

次男の飛行機、ちょっと売値が安すぎたなーと反省した私は、長男のときにはさらに150円上乗せして出品したところ、やはりあっという間に売れて。次売るときは300円乗っけてやると思ったことは内緒ですが、とにかく非売品の飛行機模型、ふつうに売れるんですね。

「次いつ飛行機乗る~? 」と、違う楽しみを見いだしてしまった、わが家の兄弟でしたが、こんなマネー教育やっております。

さて、最後の質問。これは、担当編集者様からの問いでもあります。

5:子どもにいただいたオカネ、銀行に預けてる?

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74人の方に回答いただきました!

  • YES……56票(75%)
  • NO……10票(13%)
  • 投資している……4票(5%)
  • その他……5票(7%)

「親が銀行に預けるというのは昭和で終わったのでしょうか?」と編集Uさん。全然そんなことなかったですね。ちなみにウチは「NO」で、次男が小学校に上がったタイミングで「投資している」に移行する予定。昨年、投資用口座を作ったところですよー。

お小遣いは電子マネーというご家庭もだんだん増えてきたのではないでしょうか。私たちの子ども時代とずいぶん変化しましたね。柔軟に生きていきたいものだなと思っております。

国井律子
国井律子

1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。

https://ameblo.jp/kuniritsu/
https://www.instagram.com/ritsuko_kunii/

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