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【脱・中学受験】息子(12歳)との「カナダ親子留学」で息子の子どもっぽさを「魅力」として再認識。その理由は…

12歳の息子くんと一緒にカナダに「親子留学」しているエディター・高橋香奈子さんの短期連載。第4回は、カナダでの生活に馴染むきっかけになったスポーツや、息子くんの社交的な性格についてです。

「小学生のうちに」カナダ留学した理由

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最近のカナダ。長い長い冬とレイニーシーズンが明け、ようやく青空が楽しめる季節に!

息子と2人でカナダに来て9カ月が経ちました。以前の記事にも書いたように、我が子は「英語がペラペラ」な状態で渡航したわけではありませんでした。日本でインターナショナルスクールに通っていた経験もないし、英検も受験したことがない。習い事として英会話に通っていたことがある程度。

だからこそ、留学させるなら中高生ではなく、小学生のうちにと考えている部分はありました。なぜなら、息子とよく英語圏に海外旅行していたのですが、英語がわからなくてもいつの間にか友達をつくって遊んでいる息子の性格があったからです。

こんな息子なら、言葉の壁を乗り越え、楽しく過ごしてくれるんじゃないかなという期待がありました。学校の勉強も、中高生よりはハードルが下がるため、私と一緒に乗り越えていけるのではとも考えました。

「野球」が友達を増やすきっかけに

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そんな私の期待通りに、息子はカナダの生活にどんどん馴染んでいきました。なかでも、大きかったのはスポーツの存在です。息子は日本で小学1年生から野球をやっていました。父親のサポートと、チームメイトに恵まれたこともあり、地区の大会では優勝し、上部大会に参加するくらい熱心にやっていました。

日本では軟式野球をやっていましたが、ようやくカナダで始めた硬式野球に慣れてきたのか、最近よくホームランを打てるようになってきました。背番号55は、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手に憧れて。彼のようにホームランを量産できる選手になりたいそうです。

そのおかげで、カナダに来て、住んでいる地域の秋の野球プログラムに参加したのをきっかけに、野球がうまい子たちが集まるチームに呼んでもらえることになり、そこからカナダでの野球のつながりがどんどん広がっていきました。

野球は日本と同じルールなので、まだ英語があまりわからない時期でも一緒にプレイすることができます。また、日本で野球のルールや練習方法を習得していたうえでのプレイなので、英語を一語一句完全に理解できなかったとしても、コーチやチームメイトが言っていることを感覚的に理解できるメリットがありました。

こうやって、一緒に野球をしていくうちに、チームメイトにも受け入れてもらえ、チーム内外にも野球繋がりの友達が増え、今ではBC州(私が住んでいるブリティッシュコロンビア州)で同い年の野球の集まりがある場合、必ず何人かは友達がいる状態にまでなりました。

スポーツに国境はないと言われますが、まさにその通りで、スポーツがあったからこそ、カナダに早く馴染むことができたのだと思っています。

じゃあ、スポーツをやっていない人はどうなの?という意見もあるかもしれませんが、これはスポーツでなくとも構いません。なにかひとつでも好きなもの、得意なものがあることが大事。海外では日本のマンガが大人気なので、マンガに詳しいというのもひとつのメリットになるでしょうし、絵を描くのが上手、算数の計算が得意などでもいい。

子どもが好きで楽しくやっていたことが、海外留学でこんなに役立つとは思っていませんでした。

「子どもらしさ、幼さ」は息子の魅力!と気づいた

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息子とチームメイト。人とも距離が近いのが息子の特徴。

中学受験を目指しているときは、息子の子どもっぽさや幼さをデメリットにしか思っていませんでした。でも、友達もだれもいないカナダに来てからは、それがメリットとしか思えなくなりました。

面白そうなことがあれば「なになに〜?」と近づいていき、楽しかったら「ゲラゲラ」と大笑いしたり、変顔やひょうきんなことをして友達を笑わせたり。こう言ったらどうなるかな、恥ずかしいな、などという思いは1ミリもなく、毎日をただ楽しむことに貪欲で、物おじせず、すっと輪に溶け込んでいく。

こんな性格だからこそ、小学校に入学したその日には友達ができたと言っていたし、野球の仲間も息子を慕ってくれます。

私とはまったく性格が違うので、本当にすごいなぁと感じていますし、あのまま日本にいたら、息子のこんな魅力的な性格に気づけなかったかもしれません。

個人的な性格に加えて、男女による性格の違いもあるので、母親はつい息子に対して口うるさく言ってしまいがち……。だけれど、のびのびと子どもらしく過ごすことを邪魔しないようにしなければ。

人様に迷惑をかけるようなこと、大怪我をしそうなことをしているときは厳しく注意するものの、そうでなければいちいち細かいことに口出しをしないようにしなければと、自分に言い聞かせています。

結論!英語が流暢じゃなくても、どうにかなる道がある

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英語を日本で身につけてくれば、それだけプラスにはなると思いますが、もしそうじゃなくても、子どもの性格や特性次第ではじゅうぶんに馴染んでいけます。英語が嫌いにさえならなければ、学校で教えてもらったり、子ども同士で遊んだりするうちに、少しずつ英語も理解できるようになってきます。

うちの息子はまだ難しい内容は理解できていないと思いますが、発音は私よりすでにきれいですし、友達と遊ぶ分には英語には困っていないようです。

高橋香奈子
高橋香奈子

ファッションエディター。ファッション雑誌『Oggi』(小学館)、ウェブマガジン『mi-mollet』(講談社)を中心に、書籍、ウェブコンテンツ、ファッションカタログなどの編集・ライティングを行っている。好きが高じて著者として出版した、旅行ガイド本『子連れGUAM』(ワニブックス)は、これまでなかった“子連れ母”目線が話題を呼び、何度も重版。プライベートでは、12歳野球少年の母。2022年8月末から息子と2人でカナダに移住。親子留学の様子はInstagram@takahashi_kanako_  で投稿中。

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