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妻が体調不良のとき「育児・家事を担う夫」は何割?「何もやらない」「全部やる」二極化が顕著に…

「吐き気が止まらなくて。子どものお迎えと買い物お願いできる?」。配偶者からこんな連絡がきたとき、目前に迫った大切なアポイントやこなすべきノルマを差し置いて自宅に駆けつけることは、職場の環境によっては簡単なことではないかもしれません。

ひるがえって家庭の中に視点を移すと、体調不良を抱えて1人で子どものケアをしている親は、休む間のない八方ふさがりの状況に陥ってしまうこともあるでしょう。

感染症、つわり、産後…体調不良時に無理をしている母親は多い?

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前回、「体調不良時の『ワンオペ育児』のつらさをわかって…家庭の緊急事態に夫に望むこと」の中で女性148人に対して行ったアンケートでは、「子どもが小さく世話が必要な時期、自分の体調不良の際に、『夫の手助けがあればもう少し救われたのかもしれない』と思った経験があると回答した人の割合は約7割にのぼっています。

「子どもの手足口病がうつって、もうろうとしながら育児をした」「家族全員インフルエンザにかかって、私も高熱なのに病院までつれていった」といった回答が集まりました。

このような体調不良時に無理をして育児・家事をした経験を持つのはもちろん女性に限ったことではありません。しかし、これまで『kufura』が重ねてきた「『家事時間ゼロ』の共働きパパは、育児時間もほぼゼロだった!? …その意外な相関関係とは」などのアンケート調査では、母親が家事・育児の多くを担っている家庭が多数派となっている現状があります。

というわけで今回は、子どもがいる20代〜50代の男性311人に配偶者が体調不良に陥ったときの対応法についてうかがいました。

妻が体調不良に際し「何もやらない」「全部やる」二極化が顕著に…

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まず、妻が体調不良に陥ったとき、「育児や家事、看病をどこまで担っているか、そのために仕事をどのように調整しているか」について質問しました。

上位の回答は以下のような結果になっています。

1位・・・そのとき自分にできることをやる(111人)

2位・・・何もしない・できない(66人)

3位・・・家事・育児・妻の看病を全て担う(48人)

他にも少数ながら「単身赴任中で何もできない」「助けられないからシッターを雇う」といった声がありました。

続いて、上位3つのグループの体験談や感じている問題点について掘り下げていきましょう。

「自分にできることをやる」と回答した男性の経験談や感じている問題点は?

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まず、今回最も多く集まった育児・家事・看病の全てを担うことができなくても、「できることはやる」と回答した男性の声を紹介します。

「仕事が外回りで成果報酬型に近いので、子どもの送り迎えなどできる限りはやる」(43歳・営業・販売)

「ご飯を買ってきて、子どもの世話も(妻に)聞いてする」(35歳・その他)

「基本的には料理以外は代わりにやっていて、食事は外で買ってくる」(39歳・研究・開発)

「共働きでないから、せいぜい晩御飯の準備と片付け、風呂などをやる」(42歳・営業・販売)

「近所の親の力もかり、仕事はその日は早くかえる」(42歳・営業・販売)

「ゴミ出しのみ行う」(54歳・公務員)

「帰宅後に子どもと遊んだ」(55歳・会社経営・役員)

「できることを担う」と言った場合、“できること”の範囲が「ゴミ出しのみ」から「できることは全て」まで、様々でした。

続く質問で「体調不良のときには、どのようにすればより家族が助かると思うか」と聞いたところ、以下のような回答がありました。

「仕事を休んでもよくするか、テレワーク導入」(30歳・研究・開発)

「家事のアウトソーシングができればいい」(37歳・コンピュータ関連技術職)

「普段から収納場所や物の定位置を把握しておく」(42歳・営業・販売)

「男女共に就業時間の短縮とフレックスタイムの導入をもっと進めるべきだと思う」(50歳・技術職)

「やはり仕事優先思考から家族優先思考へ変えないと後々大変な目にあうと思う。なるべく手料理リストを増やしておくのも大事です」(56歳・その他)

職場の理解についての言及があったほか、何かあっても困らないように普段から家事・育児にある程度参加することが大切だという回答が多く見受けられました。また、妻が体調不良に陥ることで、子どもが不安定になって普段よりケアの量が増えてしまったり、食事が簡素化してしまうという体験談も聞かれました。

妻が体調不良でも「特になにもしない・できない」その理由は?

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続いて、今回311人中66人と、2番目に多かったのが「特に何もしない」との回答です。

その理由については、以下のような回答が寄せられています。

「体調が悪くても(妻は)自分でしないと気が済まないので任せている」(48歳・コンピュータ関連技術職)

「専業主婦なので問題ない」(56歳・公務員)

「何もしなくていいという。子どもたちも理解している」(52歳・総務・人事・事務)

「特になし。妻の親と同居」(55歳・公務員)

父母、義父母など、自分のほかにサポートをする家族がいることを理由にしている人も見受けられます。

続いて、妻の体調不良時に「何もしない」と回答したグループにも「体調不良のときには、どのようにすればより家族が助かると思うか」について聞いてみました。

「家庭第一で考え妻に協力すること」(39歳・営業・販売)

「子どもも含めた緊急時の対応を目線合わせしておくこと!」(42歳・営業・販売)

「家事を手伝ってくれる人がいるとよい」(52歳・総務・人事・事務)

「わかりません」(59歳・その他)

今の状況に問題意識を持っている人、その逆に特に問題がないという意見が二極化しています。世代論を持ち出して一般化することは良くないと思うのですが、今回のアンケートに限っては、「何もしない」と回答した50代男性の“家庭のこと”に関する当事者意識が薄い傾向が見られました。

「家事・育児・看病全てを担当する」夫が、やってみて困ったことは何?

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続いて、3番目に多かった「家事・育児・看病を全てこなす」と回答したグループの声を紹介します。

「基本、妻ができない場合は送り迎えから全てこなします。普段から夕食作り以外は全て私が家事をしているので苦ではない」(29歳・技術職)

「特別休暇を取得。家事全般を行う」(36歳・公務員)

「料理は子どもと一緒に作ったり、家の中の事は全部やっている」(47歳・公務員)

「とにかくやるしかないので全部頑張ります」(57歳・会社経営・役員)

また、「体調不良のときには、どのようにすればより家族が助かると思うか」という点についても聞いてみました。

「日頃から、自身が料理をするように心がける」(36歳・公務員)

「普段から配偶者を助ける」(45歳・公務員)

「日頃から妻のパターンを研究しておく」(42歳・総務・人事・事務)

「近所に親しい知人や親戚がいたら、困ったときに協力しあえる」(41歳・その他)

「職場が柔軟な体制をしてくれると助かる」(57歳・その他)

「比較的自由に有給が取れるので現状で十分」(52歳・技術職)

看病時、子どもが体調の悪い妻に甘えたがって困ったり、子どもグッズの収納場所がわからなかったり、部屋の汚れる速度に驚いたり……といったエピソードも寄せられました。

いろいろこなしているうちに、「普段から習慣化しておくことが必要」だと気づき、日常的に家事をするようになったという声も多く見受けられます。また、職場の理解も大切だという回答もありました。

アンケートを振り返って…

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今回の回答を振り返って、妻の体調不良時に夫が家事・育児を担うために必要だと男性が感じている条件を総括すると、以下の3つになるのではないでしょうか。

・職場の理解

・普段から家事・育児に関わっておくこと

・配偶者間の意思疎通がきちんと行われていること

一方で、一部男性からは、妻が体調不良であっても「何もしなくても問題ない」といった回答も寄せられました。もし、女性側がその状況に不満を抱いていなければ、家庭内では問題ないのかもしれません。しかし、仮にそういった考えの男性が上司になった場合、部下となる男性社員が家族の緊急時に休みにくくなる雰囲気につながる可能性もあるかもしれません。

専業主婦が育児も家事も地域活動も担う家庭が“標準”だった時代から、共働き家庭や未婚男女が増え、“標準”という言葉を使うのは非常に難しくなっています。同時に、1人1人が感じている“仕事の価値”“家族の価値”は多様化しています。

一方で、昔も今も変わらないのは、体調不良の親が1人で子どものケアをするのは、親にも子にも大きな無理を強いる場合があるということです。

 

今回のアンケートでは、そのような状況に問題意識を感じている男性は少なくありませんでした。男女の働き方や夫婦のあり方が大きな過渡期に差し掛かっていることを感じさせる回答集だったのではないでしょうか。

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