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子育てママが戸惑う「育児の世代間ギャップ」を334人に調査!親世代の常識との違いは…

子どものケアの仕方や、理想の育児法は、時代によって変わっていくものかもしれません。自分が助産師さんや地域の保健師さんに言われたことと、親世代からのアドバイス内容が少し違っていた、という経験を持つ方も少なくないでしょう。

そこで『kufura編集部』は334人の子育て中の女性と、孫のいる248人の男女、合計582人に“育児の世代間ギャップ”に関するアンケートを実施。

今回から2回にわたり、その結果をご紹介します。初回は、現在子育て中の女性たちに、「親世代(孫から見て祖父母世代)との『世代間ギャップ』を感じること」について聞いてみました。

育児法をめぐって険悪な雰囲気になることを避けるために、2つの立場からのアンケート結果を親子でシェアするなどして有効に活用頂ければ幸いです。

それでは、上位5つの回答をご紹介します!

5位:「しつけ方法」の違い(12人)

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まずは、しつけ方針に対する意見です。

「私が小さい頃は、親が言ってることは絶対!と言う感じで子どもの意見は聞かなかった。私は、子どもの意見も聞くようにしている」(48歳・主婦)

「親世代は抽象的なことを言う。『いい子にしなさい』とか。それでは子どもに伝わらない」(42歳・主婦)

「“努力すれば何でもできる”“甘えるな”が全てなところ」(38歳・その他)

「上の世代のほうが子どもに直接向き合っていた気がします。今の親は、ネットや塾、先生などに任せ過ぎでは? 何か不都合なことがあると、自分の子育て・しつけを棚に上げてそれらを責める人がいるのは、おかしいと思います」(43歳・主婦)

親と子の関係性が変化し、「親の言うことは絶対」から、「子どもを一個人として接する」という方法が主流となっています。自分が育った家庭を思い出しながら回答されている方が多いという印象を受けました。

4位:口内環境が心配…「子どもと箸やスプーンの共有」(14人)

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お母さんたちから、具体的な体験談が多く寄せられていたのが、食器の共有に関するものでした。

「(親世代は)スプーンとか箸を共有する」(34歳・主婦)

「口つけたものを平気で子どもに渡して食べさせてしまう。しょうがないときもあるけど、少しは気にしてほしい」(27歳・その他)

「自分の箸で子どもにご飯などを食べさせることに、抵抗を感じる」(43歳・主婦)

「虫歯に対して無頓着なところ」(43歳・主婦)

子育て現場では、親や祖父母から子どもに虫歯菌をうつさないようにと、デンタルケアの意識が高まっています。その効果もあってか、厚生労働省の調査によれば、1歳児の虫歯がある子の割合は、26年前の8.3%から0.0%台に減少しています。「神経質」などと言われてしまうと悲しくなることがあるかもしれませんが、感情を抑えつつ、実際のデータを通じて親世代にもうまく伝えられたらいいですよね。

3位:甘い菓子やアレルギーなど「食についての認識」(15人)

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3位は食べ物に関すること。甘い菓子やアレルギーへの知識の欠如にまつわる回答が目立ちました。

「幼児なのに甘いお菓子を与えること」(37歳・主婦)

「食べ物に対しての考え方。アレルギーや添加物を考えない」(29歳・主婦)

「おやつをあげすぎ。太っているからダイエットさせたくてご飯を工夫しても、毎日のようにおやつやスイーツを与えられる」(42歳・主婦)

「歯磨きをした直後におやつを与える」(43歳・総務・人事・事務)

特に食品アレルギーについては昔と今では事情がずいぶん変わっています。重篤な場合は命にもかかわることなので、おたがいに情報を共有していきたいところです。

2位:「昔の育児常識」を今に引きずっていること(24人)

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育児常識が変わった点として、多くあがっていたキーワードが“厚着”“抱き癖”“白湯”“おむつ外し”でした。

「厚着させる。昔は着せすぎぐらいがいいと聞きましたが、今はそうではないと思います」(26歳・主婦)

「ずっと抱っこしてたら『抱き癖がつくよ』と言われる」(27歳・主婦)

「エアコンをつけていると『汗が出ない体になるから』と義母が嫌な顔をしていた」(47歳・主婦)

「おむつは布おむつでないと、頭のいい子が育たないと言われた」(52歳・その他)

「おむつ外れの時期、昔は紙おむつがなかったから、1歳過ぎたらすぐにおむつを外しているが、今の子どもはその子その子のタイミングに合わせてトレーニングしている。おむつが外れてないと、しつこく『まだおむつなのか』と言われる」(34歳・主婦)

「白湯を飲ませるように言ってくる」(39際・営業販売)

近年、『祖父母手帳』の発行などを通じて、育児方法の変化を伝えている自治体もあります。自分が経験した育児方法に絶大な自信を持っている相手にはなかなか伝えにくいものですが、うまく折り合いをつけたいものです。

1位:「叱り方・怒り方」の違い(36人)

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1位は叱ったり怒ったりするときの方法でした。

「叱るとき、私は叩くなど手は出さないようにしているが、親はちょっとくらい痛い思いしないと伝わらないと言い、手やお尻を叩くこと」(28歳・主婦)

「しつけのしかた。昔はおしり叩いたり、頭叩かれたりはよくされたけど、今すると虐待になる」(39歳・主婦)

「お尻をたたく、外に立たせる……が親からは当たり前にされていたけれど、今は大問題になる」(36歳・主婦)

「怒り方。今は接し方が賢くなっているが形式的である」(52歳・その他)

“マルトリートメント(不適切な養育)”という言葉が少しずつ浸透し、子どもを頭ごなしに叱りつけたり、脅かして言うことを聞かせることの弊害が認識されています。一方で、祖父母世代から見ると、“叱らない”と“注意しない”を混同していると感じている方が多いようです。子どもがしてはいけないことをしてしまったとき、どう言い聞かせていくかという点では、親世代もよく考えなければいけないのかもしれません。

今回は、現在子育てをしているお母さんたちに育児方法の“世代間ギャップ”について聞いてみました。

正解を模索しながら過去に育児をしてきた親も、今一生懸命育児をしている親も、その方法を否定されるのは悲しいものですが、「育児方法は時代とともに変わる」という点を共有していくことは、世代間ギャップを乗り越えるために必要な認識ではないでしょうか。

続く次回は、孫がいる男女のアンケート結果をご紹介します。こちらもかなり興味深い結果となっています。

 

【参考】

平成28年歯科疾患実態調査 – 厚生労働省

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