一人で育児できると思ったら、大間違い…
無事に出産し育児生活スタート。当初は産後ハイもあり、すべて一人で対応できると思い込んでいました。退院後の自宅での生活は、約1カ月は順調でしたが、1カ月半が過ぎる頃に突然高熱が5日間も続いてギブアップ。夫には早めに帰宅をしてもらい、夜中のミルクとおむつ交換も対応してもらうようにしました。
最初はありがたいと感じていましたが、手順が悪く、毎度声をかけられて起こされるため眠れない日が続き、「これでは意味がない……」とうんざりしました。
家庭に「メンター制」を導入!赤ちゃんのお世話リストを作成
そこで自宅で育児の「メンター制度」(先輩が後輩の相談に乗るなどしてサポートする制度)を導入しようと、行動科学の手法で「やることリスト」を作成しました。主人一人でも赤ちゃんのお世話ができるように、項目別にして行動の手順を書き出していきます。
例えば、夜中のミルクであれば「哺乳瓶を5分間消毒する」「瓶ばさみで哺乳瓶を取り出す」「粉ミルクを目分量を参照し入れる」「お湯を2/3とお水1/3入れる」「手首で温度を確認してからあげる」。
このようなお世話リストを場面ごとに作成していきます。おむつの交換については、古いおむつの下に新しいおむつを敷いてから替えるなど。注意書きには、素早くしないともたもたしている隙におもらしをしてしまうので「3分未満」と明記しています。
チーム育児のため、相手には「感謝の声かけ」も忘れない
私は、母性というか、小さな命を守ろうという“使命感”でお世話をしていました。一方で、どうやら主人は、なかなか夜泣きが落ち着かない時に、やり甲斐を見いだせずに自信を喪失しかけていたようでした。
育児は、夫婦のパートナーシップが大切なので、お互いがワンオペ育児にならないよう、“声かけ”を大切にしています。泣いている子どもを抱っこする主人の顔が不安そうだったら、(子どもに)「今は泣きたい気分だったんだね」とか、「パパに抱っこされて嬉しいね~よかったね~」というように声援を送るようにして、モチベーションを維持してもらいました。
私も、日中はいつも自分が対応しているから、夜はやってもらって「当たり前」などとは思わずに、帰宅後や休日に育児に協力してくれるという“家族としての在り方”に感謝をするようにしてから、ストレスが激減しました。
相手に声をかけることは、自己承認欲求を満たすことになります。育児を協力し続けてもらう上で何より大切です。
引き続き、新米ママとして赤ちゃんのお世話を楽しみながら励んでいきます。次回以降も、“行動科学”の手法をもとに、育児問題を少しでも解決できるようなヒントを探していきたいと思います。
冨山真由
行動習慣コンサルタントの第一人者。