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夫の告白にショック…夫婦の「生活習慣の違い」は行動科学で解消できる?【行動科学コンサルが新婚生活で体当たり!】#2

人の価値観は千差万別です。もちろん生活習慣も異なります。自分が当たり前だと感じていたことが、相手からすると意外だったり不快だったり……何事も歩み寄ることが大切ですね。頭の中では理解しようと努めますが、いざ目の前で予測不能なことが起こると対処法に困ります。

行動科学コンサルタントの冨山真由です。この連載では、実際に経験してみて分かった「結婚生活の問題と解決法」について、行動科学の視点で迫ります。今回は「習慣の相違」をテーマに、行動科学の手法を使い解決したことをご紹介していきます。

「週末くらい1人の時間を大切にしたい」夫のカミングアウトに動揺したけれど…

大学を卒業してからの約8年間、わたしは一人暮らしで自由気ままな生活を過ごしていました。自分のことだけをすればいいので、十分にオフタイムを満喫してきました。週末に、小説を読んだり海外ドラマを見るのが大好きでした。

しかし、いざ結婚生活がはじまると、朝ごはんを準備して午前中に掃除を済ませて、午後には平日の食事のための買い物にでかけるという週末の繰り返しになりました。ふと気が付くと、月に2~3冊読んでいた小説は2~3カ月に1冊になり、海外ドラマではなく夫婦共に興味の湧きそうな映画に変わりました。

共同生活の幸せを感じる反面で、不自由さを感じるようになりました。それは相手も同じようでした。

わたしはテキパキしたいタイプですが、のんびりマイペースな夫には「週末くらい1人の時間を大切にしたい」と思われていたようです。まさかのカミングアウトをされたときは、驚きと共にショックを受けましたが、「たしかに結婚したからといって、共に動きまわる必要はないかもしれない」と思い直し、“日曜はプライベートを満喫する日”に設定することにしました。

「白か黒か」ではなく「グレー」、折衷案を設定する

行動科学では、人の価値観を“認知”と解釈しています。どうしても人は自分を基準にして、あらゆる物事を判断している傾向があります。自分がしたことは、相手にも同等のことをしてもらいたいという心理も働きます。この“認知”というものをうまく利用していきます。

わたしたちは、無意識に認知という感情に振り回されやすいのです。この“認知”を可視化することで、自分と相手とをお互いに認め合うことができるようになります。

結婚生活でも使えますし、会社の上司と部下の関係性や同僚との関係性でも同様です。

簡潔にお伝えすると、自分が大切にしたいことを可視化し相手の大切にしていることも可視化し、お互い歩み寄るということです。なぜ“可視化”が大切かと言うと、頭の中で理解しようと努めても自己主張が勝るからです。その自己主張が感情に繋がり、我慢しているとストレスの原因になります。

そうならないために、なにか違和感を得たら、自己主張を紙に書き出すことをおすすめしています。自分という人間が大切にしていることは何かを理解することからはじめます。これは感情整理術にもなります。“イライラ”する“モヤモヤ”する時も紙に書き出して思考を落ち着かせていきます。

その結果、わたしたち夫婦の場合は、お互いに「自分の時間を大切にしたい」と思っていることが分かり、土曜は2人で出かける時間にし、日曜は1人で好きなように過ごすというルールを決めました。これにより、わたしは好きな小説を月に1冊読んだり海外ドラマを好きなだけ観られるようになり、オフタイムをリラックスして過ごせるようになりました。

そのため仕事も集中してできるようになりました。夫も、午前中まで寝ていられたりスポーツ観戦に出かけられたりと、ご満悦の様子です。

夫婦だから〇〇しないといけないというのは“認知”の思い込みです。“白か黒か”思考ではなく、お互いが心地よい距離感で過ごすためには折衷案のグレーを設定することをすすめています。これは親子関係でも職場関係でも同じです。お互いを認め合うことでハラスメントもなくなるのでは?と感じています。

「感謝ノート」をつけることで、協力し合えるように

結婚後の数カ月間は、わたしも相手も少なからず「生活習慣の違い」に我慢をし、ストレスを抱えていました。そこで自分たちが大切にしたいことを可視化して、お互いを認め合う共通のルールを作ることにより改善していきました。

どうしても頭の中だけ考えると“認知”で判断してしまいます。わたしたちは感情とうまく付き合うことが大切です。何日か何カ月かためて爆発することがないように、少し違和感を得たら感情を紙に書き出して気が付くことからはじめてほしいと思います。どんな物事でも落ち着いて考えると心に余裕も生まれるので、自分の行いを反省したり、相手からの要望も聞き入れやすくなります。

また我が家では、感謝ノートをつけるようにしています。相手がしてくれて有難いと感じたことはメモしておき、「ありがとう」を添えます。そうすることでお互いを理解し、いろんなことを協力して進められるようになるのでおすすめです。

 

次回以降も行動科学の手法を用いて、家庭と仕事の両立をテーマに、“モヤっと”“イラっと”を解決できるようにお伝えしていきます。


 

冨山真由

行動習慣コンサルタントの第一人者。人の行動に焦点をあてる手法と技法を提供。大手企業から業種業態を問わず幅広く研修を導入し登壇。著書に『1%の素敵な人だけが実践しているなりたい自分になる方法』『今すぐ!集中力をつくる技術』『効率・時間・スピード すごい習慣力』など。

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